≪基本政策≫

 

【行政・財政改革の推進】
必要な政策に資金・人員を投入するため、まずは行政改革が必要です!

 

◇人事・給与制度の見直し
◇業務の民間委託・効率化の推進
◇廃止・民営化も含めた事業の取捨選択

 

【子育て・教育環境の向上】
子ども達の将来に直結する政策は、最優先で進めるべきです!

 

◇保育所待機児童の解消
◇教員・保育士の労働環境改善
◇心豊かに成長できる環境づくり
(遊び場の確保、スポーツ・文化活動の推進)

 

【持続可能なまちづくり】
まちづくりは将来に負担を遺さない形へと転換すべきです!

 

◇インフラ・公共施設の老朽化対策
◇市役所周辺の適正な再整備
◇空家対策、住宅政策の見直し

 

【安心・安全な街の実現】
生涯安心して暮らせることは、行政が果たすべき最低限の責任です!

 

◇災害対策の強化
◇高齢化社会への対応
◇必要な支援が行き届く仕組みづくり



 

≪議会での発言≫

2021年9月定例会 一般質問

@自習環境の向上

A民間住宅に対する政策の推進

B介護予防事業の多角化

C西宮市文化振興財団のあり方

 

配布資料@
配布資料@別紙
配布資料A
配布資料B
配布資料C

動画



2021年3月定例会 一般質問

@郵送事務の見直し

A民生委員活動の環境整備

B公立保育所の今後

C内部公益通報制度の強化

 

配布資料@
配布資料A
配布資料B
配布資料C

動画



2020年9月定例会 一般質問

@行政手続オンライン化ならびに業務の整理

A現金取扱事務の見直し

B契約業務の適正化

C育成センターの整備・運用

D安全な道路環境の実現

 

配布資料@
配布資料A
配布資料B
配布資料C
配布資料D

動画



2020年3月定例会 一般質問

@フレンテ西宮の商業床について

A市有地を活用した保育施設整備について

B公共サイン適正化の取組みについて

C西宮観光協会の業務執行について

 

配布資料@
配布資料A
配布資料B
配布資料C

動画



2019年9月定例会 一般質問

@市営住宅の施設マネジメントについて

A学校プールの使用中止問題について

B選挙事務の適正な執行について

 

配布資料@A
配布資料B

動画




≪その他≫

 

2019年度管外視察報告書

 

議員提出議案「滞納金徴収事務の効率化・迅速化に向けた専決処分事項の指定について」


自習環境の向上

 

【2021年9月定例会 一般質問@】

 

児童・生徒にとって、日頃の予習・復習や宿題、定期試験対策、受験勉強など、学校の授業以外で学習に取り組む場は非常に重要です。落ち着いて勉強できる環境は学習意欲や理解度の向上につながりますし、自宅には十分なスペースが無い・年齢の小さな弟や妹がいて集中できない、というご家庭もあることでしょう。塾・予備校や有料の自習室も存在しますが、子育て世帯にとっての経済的な負担は大きく、行政による提供が望ましいと考えます。なお、本市の学習室・自習室等は施設により名称が異なりますが、今回の質問では呼称を「学習室」に統一します。

 

≪資料1≫及び≪地図≫をご覧ください。現在、本市には13ヶ所の学習室が存在しますが、アクセスの良い施設や試験期間には利用者が集中し、希望通りに利用できないことが多くあります。一方で、本市の財政状況に新たな施設を整備する余裕はなく、総量の縮減を謳った公共施設マネジメントの考え方とも逆行します。学校を放課後や休日に開放することも、学校現場の負担等を考慮すると限界があります。そこで私が注目したのは、稼働率の低い、あまり利用されていない公共施設です。

 

そこで、貸館機能を有する公共施設のうち、既に学習室が存在する施設と、調理室・実習室のような用途の限定される部屋を除いた74施設・318部屋について、稼働率の調査を行いました。その結果、実に43施設・108部屋において、年間の稼働率が10%以下にとどまる利用区分が存在していました。私は、こうした部屋を学習室に転用するべきと考えます。

 

稼働率だけで転用の可否を判断することはできませんが、例えば、資料に示したA市民館では、一日を通して極めて稼働率の低い部屋が存在しています。この部屋を学習室に転用しても、他の利用団体への影響は限定的なはずです。また、B公民館では、午後の稼働率が午前に比べて低くなっています。特に平日について、児童・生徒が学習室を利用するのは夕方以降ですから、空き状況との親和性は高いと考えられます。すでに越木岩公民館では2017年度から第3集会室を学習室として開放しており、中高生を含む多くの方に利用されています。2017年11月6日の西宮市青少年育成推進本部会議では「中高生の居場所となる自習室を提供するために、既存の公共施設を活用する」との方針が示されていますが、具体的な成果にはつながっていません。こうした現状をふまえ、全ての公共施設について、改めて学習室への転用を検討するべきです。

 

あわせて、既存の学習室等についても使い勝手の改善が望まれます。西宮北口駅直結の北口図書館は、アクセスの良さから非常に人気が高く、自習での利用を希望する方が多くいます。しかし、自習できるのは図書の閲覧が優先される閲覧スペースのみで、自習専用のスペースはありません。他の用途との兼ね合いはありますが、一部のスペースについては、中央図書館・鳴尾図書館と同様、独立した学習室への転換を検討するべきです。また、北口図書館のみならず、各施設の混雑状況をWEB上でリアルタイムに表示することや、2〜3時間ごとの予約制とすることも、多くの方がスムーズに施設を利用するためには有効な方策です。また、共同利用施設については馴染みが無いという方も多く、初めての方でも入りやすい雰囲気づくりが求められます。

 

次に、広報についても指摘をしておきます。多くの市民が、市内の学習室と聞いて思い浮かべるのは、図書館ではないでしょうか。本市には図書館以外にも共同利用施設等の学習室が複数存在していますが、これらの認知度が低いように感じます。実際、中高生の定期試験期間に私は全ての学習室を現地調査いたしましたが、中央図書館や北口図書館が満席の日でも、共同利用施設の学習室には多くの空席がありました。市が行っている広報は「自習室・学習室のご案内」をホームページに掲載しているのみであり、その一覧も現在は新型コロナの影響で公開を控えています。ホームページでの案内を強化するとともに、市政ニュースへの掲載、各学校を通じた周知、子育て世帯が多く利用しているLINEでの告知など、幅広い広報が必要です。

 

以上をふまえ、3点質問します。

 

@稼働率の低い既存の貸館施設について、学習室への転用を進めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
本市においては、図書館や共同利用施設に学習室を設置しており、既存の公共施設を活用した学習室の整備は、自習環境の向上を図る有効な施策であると考えております。転用を進めていくことにつきましては、施設の稼働率や費用負担の問題、警備体制や地域性の考慮、利用団体の理解等整理が必要でございます。こうした各施設の個別事情を勘案したうえで、引続き関係部署と調整しながら検討してまいります。

 

A既存の学習室・自習可能スペースについて、運用の見直し等を通じて利用しやすい環境を実現すべきと考えますが、市の見解をお聞かせ下さい。

 

〇答弁要旨〇
図書館の閲覧席は、図書館資料を閲覧するための基本的な設備である一方、学習資料を持ち込んで利用する青少年にとっての居場所としての機能も果たしていると考えております。このため、閲覧席が不足することが多い北口図書館では、研修室や集会行事用のスペースを使用しない時は、閲覧席として開放し、できるだけ多くの来館者に閲覧席を利用していただけるよう対応しているところです。このような状況から、書架や座席等を撤去して学習室を設置したり、閲覧席を大幅に増設したりすることは困難ですが、これまでと同様、館内の限られたスペースをできる限り自習可能な閲覧席として活用するよう努めてまいります。また、混雑状況のWEB公開や予約ができるシステムの導入は、利用者の利便性の向上を図り、効率的に座席を管理するための方策の一つとして有効であると考えております。しかしながら、現在、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、全体的に利用者数が減っており、導入費用等の財源の確保や費用対効果のほか、図書館資料を閲覧する方々の席をどのように確保するかなどの課題があることから、今後も研究を続けてまいります。共同利用施設には、本市の住民や市内の学校に通学している人などが利用できる学習室があり、各施設で申し込みを行えば随時利用することが可能で、児童・生徒の方にも利用いただいております。しかしながら、議員ご指摘のとおり共同利用施設などの市民集会施設は、年配の方の利用が多く、中高生にとっては比較的馴染みがない施設と言えるかもしれません。このような共同利用施設を利用したことが無い方にも、学習室を備えた施設であることが分かるように、入口付近に目印となるステッカーを掲示するとともに、館内にも学習室の案内を行うなど、引き続き利用しやすい環境づくりに努めてまいります。

 

B学習室についての広報を強化するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
現在開放している学習室について、市民に対して広く積極的な周知広報を図ることが重要であると認識しております。市のホームページや市政ニュースによる案内の強化を図るとともに、若者の利用が多いライン等ソーシャルメディアの活用や学校園を通じた中高生への情報提供を検討してまいりたいと考えております。

 

■意見・要望
貸館施設の転用、広報の強化について、前向きなご答弁を頂きました。是非、検討で終わらせることなく、実現していただくよう要望します。すでに方針自体は2017年に示されているわけですから、もう結果が求められる時期です。ご答弁が複数の局に及んだことからも分かる通り、本件は、庁内横断的な取り組みが求められます。子どもたちのために、という共通の目的に向かって、連携を深めてください。今後も随時、進捗を確認してまいります。混雑状況のWEB公開や予約システムについては、有効性をお認め頂きつつも、導入費用等の課題があるとのことでした。支出の抑制はもちろん重要ですが、近年では、簡易なシステムや既存のシステムを活用することにより、費用を抑えることも可能になっていると聞きます。現場のオペレーションとの整合性を図りながら、利用者目線で改善に努めていただきますよう要望します。

民間住宅に対する政策の推進

 

【2021年9月定例会 一般質問A】

 

国や自治体は、環境・防災・景観など様々な観点からまちづくりを進めています。その中で、政策目標を達成するために、建物の性能や状態を向上させることは重要な取り組みです。行政が所有する公共施設であれば直接対策を行うことが可能ですが、民間所有の建物については、補助金・税制等の制度設計により誘導していくことが一般的です。しかし、個人の財産に対する公金の投入は議論の分かれるところであり、財政上の課題もあるため、実際には啓発にとどまる例や、制度を十分に活用できていない例が多く見られます。一方で、社会に存在する建物の中で大きな割合を占めるのは民間の住宅であり、実効性のある取り組みが求められます。そのため、民間住宅に対する一定のインセンティブを設けることには、意義があると考えています。こうした観点から、本日は本市の住宅政策について「省エネ促進」「空家対策」「耐震化」の3つのテーマを取り上げます。なお、本件については議会事務局ご協力のもと人口規模の類似する中核市・15市への一斉照会を行っており、これから取り上げる他市の事例については、大半が当該調査に基づくものでございます。

 

まずは「省エネ促進」について見ていきます。≪資料2≫をご覧ください。をご覧ください。本市は「環境学習都市宣言」を行い、本年には「2050年ゼロカーボンシティ」を表明しましたが、現時点で具体的な施策は示されていません。民間住宅への施策としては「エコ・エネルギーシステム導入促進補助事業」として、燃料電池・蓄電池・太陽光発電への補助を行っており、本年度の当初予算では1,200万円が計上されています。これらは他市でも実施されている一般的なメニューで、制度設計が異なるため一概には比較できないものの、本市の利用件数は決して多くありません。当初予算額でも松山市の約1億6,800万円・宇都宮市の約8,400万円など、本市を大きく上回る事例が複数存在しており、各自治体の本気度を感じるところです。本市の既存の制度について、予算額の増加も含めた見直し及び利用促進に取り組むべきと考えます。
また、他市では前述した3つのメニューのみならず、様々な省エネ促進施策が推進されています。代表的なものは、ゼロ・エネルギー・ハウス(通称、ZEH)やホーム・エネルギー・マネジメント・システム(通称、HEMS)への補助制度であり、鳥取県のようにZEH基準を上回る基準を設けて、上乗せ補助を行っている事例も存在します。また、柏市の「エコ窓改修」、長崎市の「屋根塗装」等、部分的な工事に補助を行う制度や、リフォーム補助事業の一環として「住環境向上工事」を定める松山市や、独自の「エコハウス認定」を実施する倉敷市など、今回の調査では多くの先進的な事例が確認できました。こうした他市事例を積極的に検証し、本市での導入を検討するべきと考えます。

 

次に「空家対策」について見ていきます。同じく≪資料2≫をご覧ください。世帯数の減少等に伴い、全国的に空家が増加する中、本市でも2013年の調査時点で約24,000戸の空家が確認されています。適切に維持管理されていない空家は、治安や景観の悪化につながるほか、災害時のリスクも懸念されます。2015年には空家対策特別措置法が施行され、行政代執行による解体等も可能となりましたが、費用回収の困難さや強権的な手法への懸念もあり、自治体ごとに運用は大きく異なっています。現時点で本市の空家率は全国平均より低い水準ですが、危険な空家は既に存在しており、今後の増加も確実視されることから、具体的な対策を始める必要があります。
現在、市が行っている空家対策は、普及啓発が中心になっていると感じます。既存の施策は2016年に開始された空家バンクで成約がわずか2件、改修・跡地整備等への補助に至っては、利用実績がありません。その要因は、北部地域の空家バンクを除く全ての制度が、空家および跡地の公的利用を前提としていることです。用途が極めて限定されるため、同様の制度については、他市でもほぼ利用実績がありません。そもそも、今後、数百、数千にのぼるであろう、管理の行き届かない空家を、全て公益的活動で活用していくことは不可能です。除却費用等を補助する仕組みについて、空家の危険度・周囲への影響等を指標に、用途を限定しない制度へ変更すべきです。
また、除却や適正管理を促す制度は、補助金の支給だけではありません。代表的なものに、税制による誘導が挙げられます。例えば固定資産税の「小規模住宅用地の特例」では、住宅用地の200u以下の部分について、課税標準の上限が評価額の6分の1とされ、税額が大きく軽減されています。特措法では、管理が行き届いていない空家を特定空家に指定することで、特例の適用対象から除外することが可能となります。簡単に申し上げれば「空家を放置すれば固定資産税が高くなる」という制度ですが、神戸市では今年度から当該措置を特定空家以外の空家に対しても行うこととしています。また、本特例は「解体して更地にすれば、固定資産税が高くなる」ものであるため、空家が放置される要因の一つである、との指摘もありますが、豊前(ぶぜん)市・行方(なめがた)市・深谷(ふかや)市等では、条件を満たす場合に「空家を撤去した後も、一定期間、軽減措置を適用する」という制度設計で負担感の軽減を図っています。こうした税制による誘導を、本市でも検討するべきと考えます。

 

最後に「耐震化」について見ていきます。同じく≪資料2≫をご覧ください。大規模地震の発生に備え、住宅の耐震化が重要であることは論を待ちません。「西宮市耐震改修促進計画」によれば、本市で耐震化が必要な住宅は、2013年度時点で約18,000戸とされています。国においても「2030年度までに耐震性の不足する住宅をおおむね解消する」との方針が示されており、積極的な取り組みが求められます。民間住宅の耐震化を促す施策について、国はこれまで自治体に1/2程度の補助を行ってきました。国庫補助事業ということもあり、各自治体が実施するメニューは似通っている一方、その利用実績については、自治体ごとに大きな差があります。
例えば、戸建ての耐震改修工事は、本市の場合、補助額が工事によって30〜130万円、2019年度の利用実績は9件です。松山市の場合、補助額が限度額100万円、2019年度の利用実績は86件です。戸建ての数や耐震化率といった条件の違いがあるにしても、人口規模が類似する両自治体で、補助額に大きな差がないにもかかわらず、利用実績に10倍近くの乖離が発生していることは見逃せません。同様に、戸建ての建替工事においても、本市は補助額が定額100万円、2019年度の利用実績が6件。宇都宮市は補助額が上限100万円、2019年度の利用実績が68件と、大きな差が発生しています。本市の利用実績は、当初予算額の半分程度にとどまっており、予算よりも利用促進策に課題があると考えます。周知・広報のあり方を含め、他市事例を詳しく検証するべきです。
また、メニューが似通っていると申し上げたものの、本市が行っていない事業を実施している自治体も存在します。豊中市、東大阪市等が実施している「除却」への補助が、その代表例です。所得要件を設けることで「耐震性が十分でない木造住宅を所有しているが、解体費用の捻出が難しい方」をターゲットにしており、上限40万円の補助を受けることができます。今後はこうした事業へのニーズが高まることも予想され、本市でも検討を進めるべきと考えます。

 

以上をふまえてお聞きします。

 

「省エネ促進」「空家対策」「耐震化」を推進するため、民間住宅へのインセンティブが必要と考えます。既存事業の利用促進、制度の見直し、新規事業の実施等について、他市の先行事例を検証し、積極的な取り組みを進めるべきと考えますが、市の見解と今後の取り組み内容をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
本市では、住宅用省エネ設備等の導入を促進するため、平成22年度に太陽光発電設備の設置に対する補助を開始して以来、家庭用燃料電池や定置用蓄電システム、ホームエネルギーマネジメントシステム、通称、「HEMS」と言われるエネルギー管理システムや電気自動車など、対象機器を見直しながら補助を継続してまいりました。現在は家庭用燃料電池や定置用蓄電システムの設置に対する補助とともに定置用蓄電システムと同時設置された太陽光発電設備を対象として、事業を実施しています。また、今年度は、「省エネチャレンジ事業」において、エアコン・テレビ・冷蔵庫といったCO2削減効果の大きい省エネ型の家電製品へ買い替えた方に対してQUOカードを進呈するキャンペーンを実施しています。このほか、サッシの二重化、床や天井、壁の断熱化など一定の要件を満たす省エネ改修工事を行った場合や再生可能エネルギー発電設備を導入した場合には、固定資産税の減額又は軽減措置があります。国においては、住宅の高断熱化と設備の高効率化によって、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電などの創エネにより、年間に消費する正味のエネルギー量を概ねゼロとするネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)等の普及を目指しており、新築時や改築時における補助制度を設けています。また、他市の事例では、議員からご説明のありましたとおり、住宅の部分的な改修に対する補助のほか、新築、リフォーム時のゼッチ化に対する国が行っている補助への上乗せ補助や市独自の基準により省エネ住宅等として認定を行った住宅への補助など、様々な取組がなされています。市域のCO2排出量のうち家庭部門の占める割合が高い本市としましては、脱炭素社会を目指すうえで住宅での省エネは重要課題のひとつであると考えております。今後も、住宅用省エネ設備等の導入支援を継続するとともに、住宅の省エネ化を図るため有効な支援策について検討してまいります。
現在、本市では空家対策として、パンフレットによる啓発活動や市民生活相談等における空家相談を実施しつつ、「空き家等利用情報提供事業」、「空き家跡地活用まちづくり推進事業」などの利活用を促す取り組みを行っているところです。これらの事業の利用実績は少ない状況ですが、適切に管理され、利用可能な空家等は賃貸物件や中古住宅として住宅市場に流通していることから、本市の空家対策においては利用促進や適正管理を促す啓発活動や空家相談などの取組みを継続し、管理が不適切な空家の発生や増加を抑制していくことが重要であると考えております。議員ご指摘の除却費用等を補助する仕組みに関しては、特定空家等を補助対象にすることで危険な状態である空家の除却につながると思われますが、補助制度を受けるために空家所有者が空家の管理を放棄するなど、管理責任意識の低下から管理が不適切な空家等の発生や増加を招き、住環境や住宅流通に悪影響を与える可能性もあります。また近年、空家対策の推進を税制的に誘導する自治体があることも承知しておりますが、特定空家等の認定実績がない本市の現状を考えると、新たな市民負担あるいは新たな市の財政負担が求められる制度を構築し、積極的に空家を解体する状況にはないと考えております。今後、人口減少や少子高齢化など、様々な社会現象により空き家の増加が想定されるため、将来の空家対策において選択肢を増やすという観点から、新たな制度の構築については他市の事例を参考にしながら慎重に研究を進めてまいります。
住宅の耐震化に向けて、本市では平成21年度に西宮市住宅耐震改修促進事業実施要綱を策定し、10年以上に亘り補助制度を継続するとともに、所有者に対しては、耐震化の重要性や地震防災への理解などについて、市のホームページ、市政ニュース及び全戸配布のパンフレットを活用し、周知を図ってきたところです。また、補助制度の利用促進に向けた新たな取り組みとして、令和3年度より耐震改修工事費等の補助金を施工業者が代理受領できる「代理受領制度」を創設し、申請者の費用負担の低減及び利便性の向上に繋げております。補助制度の実績は松山市等の中核市と比較すれば低調ですが、耐震化率は平成25年度の91.9%から平成30 年度には93.7%に向上し、耐震化の目標は概ね順調に進捗しているものと考えており、今後もこのような住宅の耐震化推進に向けた取り組みを継続してまいります。議員ご指摘の除却工事に対する補助制度は、建替え工事と比較して工期が短いことや、除却後の土地利用に制限がないことなどから、より多くの方が補助を受けることができる可能性があると考えております。しかし一方で、住宅耐震化の補助制度は、兵庫県の「ひょうご住まいの耐震化促進事業」に基づいてメニューが決められており、除却工事のみでは県の補助メニューに該当しないことから、市の負担分が大きくなることが予想されます。このようなことから、除却工事に対する補助制度の創設については、本市の財政状況や市民ニーズなどを勘案しながら、他市事例を参考に実施の可否も含め研究してまいりたいと考えております。

 

■意見・要望
まず、省エネ促進について「有効な支援策について検討していく」というご答弁を頂きました。脱炭素社会の実現は、未来に向けて、私達が絶対に果たさなければならない責務だと考えています。だからこそ、「環境学習都市」も「ゼロカーボンシティ」も、表明して終わりではなくて、具体的な、実効性のある施策が必要です。今回は民間住宅への補助という観点から質問しましたが、例えば、街路樹の整備を通じて街なかの緑を増やすこと等、注目すべき取り組みは他にも多く存在しています。そうした様々な施策を積極的に検討し、取り入れていくことを要望しておきます。
空家対策については、「新たな制度を構築し、積極的に空家を解体する状況にはない」というご答弁でした。仰ってることはよく分かるんですよ。当初の質問でも申し上げた通り、あくまで個人の財産ですし、そこに対して公金を投入するという判断は、慎重にならざるを得ないと思っています。一方で、特定空家が無くても、危険な空家が既に存在していることは事実なんですよね。さらに、そうした空家が、今後どんどん増えていくことは確実です。そのことを踏まえれば、新たな制度設計、少なくともその検討には、早い段階で取り掛かるべきではないかと考えています。今回の質問を一つの契機として、検討が進むことを願っております。
耐震化については、推進に向けた取り組みを継続するとのことでしたので、是非ご答弁の通り進めて下さい。

介護予防事業の多角化

 

【2021年9月定例会 一般質問B】

 

高齢化が進む中、全ての方が、年齢を重ねても自分らしく過ごせることは、非常に大切です。また、資料3ページに示した通り、介護保険特別会計の歳出額は、介護給付費の伸び等により増加し続けています。高齢者の健康を維持・向上していくために、介護予防の取り組みは重要度を増しています。介護予防に最も効果的なのは、社会参加の機会を確保することです。日常的に出かけていく場があること、そこで体を動かしたり、コミュニケーションをとったりすることは、心身の健康に繋がります。そのため、本市でも西宮いきいき体操の実施や共生型地域交流拠点の設置等が進められています。私は、これらの効果を否定したいわけではありません。私にも今年90歳になる祖母がおりますが、いきいき体操に欠かさず参加させていただいておりまして、おかげさまで今も元気に暮らしています。しかしながら、2020年の「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」によれば、西宮いきいき体操などへの参加頻度は一般高齢者で8.3%、要支援認定者で17.1%に過ぎません。既存の施策では8割〜9割程の方々にアプローチできていないのが現状であり、この方々に社会参加や外出を促すための仕組み作りが欠かせません。

 

他市に目を向けると、多種多様なメニューを用意することで、「出かけたくなる」工夫を行っている事例が多く存在しています。同じく≪資料3≫をご覧ください。奈良県生駒市では、一般介護予防事業として各種教室を実施しているほか、介護予防・生活支援サービス事業の枠組みでも複数の教室を展開しています。実際に生駒市は第1号被保険者の認定率が2013年度から5年連続で減少する等、具体的な成果を上げることに成功しています。また、愛知県瀬戸市では、大学・民間企業・NPO法人等と連携して、バラエティ豊かな介護予防プログラムを展開しています。従来の介護予防教室ではプログラムと対象者のニーズがマッチしていなかったという反省から「選べること」「楽しめること」を重視した取り組みであり、こちらも全国・愛知県内の平均値に比べて、認定率は低い水準で推移しています。

 

また、最近ではPFS、成果連動型民間委託契約方式の活用も進められています。行政課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に連動して委託費等を支払うもので、介護予防の分野では大阪府堺市の「あ・し・たプロジェクト」がよく知られています。受託事業者は様々な講座やサロンを開催し、継続参加人数や要介護状態進行遅延人数が成果指標に設定されています。これらが委託料と連動するため、受託事業者にとっては状況を改善するインセンティブが強力に働きますし、民間ならではの創意工夫を存分に発揮することが可能です。国も推奨する手法であり、他には奈良県天理市・福岡県大牟田市等で活用事例があります。本市においても、こうした介護予防メニューの多角化に取り組み、多様な興味・関心やニーズに応じた事業を推進するべきです。

 

介護予防事業の推進体制についても指摘をしておきます。本市の予防事業は、明確なビジョンや戦略を欠いていると感じます。どういった層に、どのような課題があるのか。それを解決するために、どのような手法を用いるのか。何年後に、どのような水準を目指すのか。高齢者福祉計画・介護保険事業計画を確認しても、各部署が行う施策の列記にとどまり、そうした体系的な記載はありません。その大きな要因は、介護予防事業を主管する部署が存在しないことだと考えます。介護予防を担う部署は、介護予防・生活支援サービス事業なら介護保険課、西宮いきいき体操や共生型地域交流拠点なら地域共生推進課、フレイル予防なら保健所と、多岐にわたります。高齢者の外出を促すという観点からは、高齢福祉課が所管する健康ポイント事業、地域学習推進課が所管する宮水学園等とも趣旨が重なります。こうした組織構成では、どうしても、それぞれの課がそれぞれの事業を実施することに集中しがちです。実際、これらの事業について事務事業評価書の指標を確認すると「介護を必要としない方の割合」といったアウトカムではなく、「拠点の設置数」「講座の開催回数」といったアウトプットにとどまる例が散見されます。予防事業について責任をもって所管する担当部署を定め、体系的に施策を実行することが重要と考えます。

 

以上をふまえ、3点質問します。

@高齢者の社会参加の機会を確保するため、介護予防事業のメニューを大幅に拡充・多角化すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
本年3月に策定致しました、第8期西宮市高齢者福祉計画・西宮市介護保険事業計画において、「介護予防の推進と生きがいづくり・社会参加の促進」は、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年に向けた課題として、取り組むべき重要な施策と位置づけております。また、計画策定に際し、市民を対象としたアンケート調査では、介護予防への関心、ニーズは比較的高く、個人の活動や趣味などを含め、介護予防に取り組む方は増加しつつあります。一方で、介護予防の基盤となる社会参加については、地域活動などへの参加頻度と参加意向が減少傾向にあり、性別及び年齢、身体状況などによって、高齢者の社会参加への意識やニーズは多様化しているという結果がございます。このことから、議員のご質問にもありますように、異なる高齢者の状態やニーズに対応できるよう、生きがいづくり、社会参加などを促進する取り組みの強化が必要であると考えております。現在、本市では、西宮いきいき体操を中心に、つどい場や共生型地域交流拠点の整備、各地区社会福祉協議会のふれあい昼食会の実施など、住民主体で取り組む介護予防をすすめるとともに、10月より70歳以上の高齢者を対象にした、外出のきっかけづくり、健康増進の観点から、個人でも参加ができる「西宮市健康ポイント事業」を実施することとしています。市としましては、高齢者の介護予防に関する意識の向上を含め、地域ごとの社会資源の情報集約と、その紹介や利用に繋げる仕組みづくりを進めるとともに、本計画において推進する、介護予防事業の効果検証を実施してまいります。また、これらの効果検証を踏まえ、介護予防事業メニューの拡充・多角化について検討してまいります。

 

A介護予防事業の拡充にあたり、PFS、成果連動型民間委託契約方式を活用すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
本市においては、先の答弁でも申し上げましたように、異なる高齢者の状態などに対応できるよう生きがいづくりや社会参加を促進する取り組みの強化が必要であると考えており、令和3年度から4年度にかけて、介護予防、健康寿命の延伸に向けた既存事業の現状、課題の把握、効果検証を行い、必要な施策の検討や調査を実施してまいります。これらに合わせ、新たな事業を実施する場合の手法としまして、成果連動型民間委託契約方式の活用が可能かにつきましても検討してまいりたいと考えております。

 

B介護予防事業を体系的に推進するため、主管部署を定めて推進体制を構築し、課題や戦略を明確化すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
本市では介護予防はじめ、高齢者の生活全般の支援に関することなどについて、健康福祉局内の関係課によって構成する「地域包括ケアシステム推進会議」において、横断的な課題の検討に取り組んでおります。また、2024年までに全ての市町村において実施することと示されております、「高齢者の保健事業と介護予防事業の一体的実施」について、医療や介護、検診などのデータ活用により、高齢者の重症化予防の個別支援や健康課題に対する支援策の検討を進めています。また、今後、このような取り組みを円滑に推進するため介護予防事業の主管部署を含めた組織のあり方について検討してまいります。

 

■意見・要望

 

まず、メニューの拡充・多角化について、「生きがいづくり、社会参加などを促進する取り組みの強化が必要」とのご認識をお示しいただきました。具体的な施策の実施や検討にまで踏み込んでご答弁を頂きましたこと、前向きに受け止めております。
その中で、今年度より開始した健康ポイント事業についての言及がございました。お示しの通り、個人でも参加ができる点は、従来の施策との違いとして評価できるポイントだと思っています。一方で、本事業への参加には登録が必要であり、現時点でその人数は1万人にすぎません。本市の高齢者人口は11万人以上にのぼり、本事業の対象者はごく一部にとどまります。また、登録する方はもともと健康増進への意識が高く、地域活動や西宮いきいき体操等に、既に参加している場合も多いのではないでしょうか。既存の施策でアプローチできていない方々に参加していただくことこそが重要であり、そのために必要なのは、やはり、色々な場を、色々な主体が設けていくことだと考えています。健康ポイント事業では、イベントの実施も計画されており、詳細は現在調整中と聞いておりますが、是非、登録済の方以外も参加できる場としていただくよう、要望します。また、「効果検証を踏まえ、拡充・多角化を検討する」とのご答弁でしたが、健康ポイント事業以外の施策についても、積極的に検討いただくことを要望しておきます。

 

PFSについては、手法の一つとして、検討の対象としていただけるとのことでした。成果指標の設定や効果測定の手法を検討する必要があるため、導入に一定のハードルがあることは理解しています。しかし、実施そのものに委託料を支払う従来の民間委託と異なり、成果に対して委託料を支払う仕組みは効率的・効果的な事業実施につながるため、私はこの手法に高い期待を寄せています。全国的に少しずつ導入の動きが見られ、特に医療・介護の分野で注目されているところですので、積極的な検討を要望しておきます。

 

■再質問

 

介護予防の推進体制については「主管部署を含めた組織のあり方について検討する」とのご答弁でした。今後の展開を見守っていきたいと思いますので、宜しくお願いいたします。ここで1点、再質問を行います。主管部署を定めても、それぞれの施策を個別に実施し続けるだけなら、現状からの変化はあまり期待できません。「課題は何で、それをどのように解決するのか」という戦略が重要だと考えます。当初の質問で、現在の成果指標がアウトプットにとどまることを指摘しましたが、今後はアウトカム指標を設定し、取り組みの全体像や考え方を示すべきと考えます。その必要性について市のご見解をお伺いいたします。

 

〇答弁要旨〇
介護予防事業の拡充・多角化を検討するにあたり既存事業の効果検証や課題の把握においては、議員ご指摘のように、各事業のアウトプットにとどまらず、アウトカムを意識した検討が必要であると考えております。市としましては、現在取り組んでおります、第8期の高齢者福祉・介護保険事業計画を推進する中で、介護予防事業の課題などの整理を行い、次期介護保険事業計画において、取り組みの全体像や考え方を整理してお示しできるよう取り組んでまいります。

 

今後の展開について、非常に期待できる内容のご答弁でした。是非、そうした観点で取り組みを進めていただきますよう要望します。

西宮市文化振興財団のあり方

 

【2021年9月定例会 一般質問C】

 

初めに申し上げておきますが、私は「文化」を非常に大切な存在だと思っています。この街で中学時代からずっと吹奏楽に携わってきた私にとって、多くの大切な仲間と出会い、人生の基礎を形づくってくれたのは、間違いなく音楽の、文化の世界でした。しかし、現在の文化振興財団、そして本市の文化振興施策のあり方には多くの課題が存在しており、是正が必要と考えています。本日は、そうした問題意識から、3つの観点で質問を行います。

 

≪資料4≫をご覧ください。文化振興財団は「地域の芸術、文化の向上に寄与すること」を目的に設立された外郭団体で、市出捐率100%の公益財団法人です。昨年7月時点の職員数は25名で、うち市からの専任派遣が5名、兼務派遣が4名、市OBが2名となっています。市の財政的関与は2020年度決算ベースで補助金7,388万円・受託料7,108万円・指定管理料1億1,620万円の計2億6,117万円。市との関与は極めて深く、実質的には税金で運営されている団体といえます。

 

1つ目の観点は実施事業の見直しです。私は、民間が実施できないサービスを提供することこそが、行政の役割だと考えています。例えば青少年の育成に関する事業、西宮少年合唱団の運営や未就学児を対象とした企画等には、大きな実施意義があります。また、日ごろ芸術と触れ合うことが少ない児童養護施設や高齢者施設へのアウトリーチ事業は、行政ならではの取り組みといえます。一方で財団の実施事業の中にはプロによるコンサートや寄席、映画の観賞会等がありますが、これらは行政でなくても開催が可能です。また、講座やセミナーの中には、公民館・宮水学園・大学交流センター等で実施されている事業と趣旨が重複しているものも存在します。財団は動画共有サービスyoutubeで「西宮市文化振興財団チャンネル」を開設していますが、視聴回数が2ケタにとどまる動画が複数存在する等、十分な効果を上げているとは言い難い状況です。ここではいくつかを例に挙げましたが、財団が行う全ての事業について、改めて必要性や意義を検証し、整理・見直しを行うべきと考えます。

 

2つ目の観点は市民会館・アミティホールの指定管理です。現在、財団は市民会館の指定管理者として施設の管理運営を担っています。この指定管理者の選定が非公募で行われていることを、私は強く問題視しています。「西宮市公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する条例」では、第2条で「公募しなければならない」という原則を定め、第5条で非公募とすることができる4つの類型を指定しています。このうち、本件は第4号の「指定施設の設置の目的、性格及び規模等により公募に適さない場合その他公募を行わないことについて合理的な理由がある場合」に該当すると解されているのでしょうが、施設の管理運営業務を公募しないことに、合理的な理由があるとは思えません。本市の他の市立ホールは全て公募で指定管理者を選定していますし、資料に示した通り、他市では拠点的な施設を含む全てのホールについて、指定管理者を公募で選定している事例が多く存在します。財団が行う事業は、施設の指定管理者でなければ実施できないものではありません。指定管理者制度が目指すものは、民間ノウハウの活用と競争原理による効率性の向上であり、これらは非公募で市の外郭団体が選定されている現状においては実現困難です。市は早急に、市民会館の指定管理者選定を公募に変更すべきです。

 

3つめの観点は職員派遣の取りやめです。冒頭で触れた通り、市は財団に専任で5名、兼務で4名の職員を派遣しています。本市には12の外郭団体が存在しますが、現在、専任派遣を行っているのは都市整備公社・社会福祉協議会・文化振興財団の3つのみです。近年、行政ニーズの多様化等を背景に、庁内の多くの部署から人員不足を懸念する声が聞かれます。また、新型コロナへの対応に多くの職員が動員されており、不要不急の業務を停止している状況です。そうした中、あくまで市役所外部の組織である外郭団体に、職員を派遣している余裕は無いと考えます。先に述べた事業の見直しと指定管理者の公募により財団が行う業務を縮減すれば、必要な職員数は減少し、市からの職員派遣を取りやめることが可能となります。職員派遣が法律・条例で認められているとはいえ、本来的には各団体の自立した運営が望ましいこともふまえ、市は派遣を取りやめるべきと考えます。

 

以上をふまえ、3点質問します。

 

@文化振興財団が実施する事業について、民間での実施が可能なものや、十分な効果が得られないもの等を取りやめ、抜本的な整理・見直しを行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
文化振興財団では、「地域の芸術、文化の向上に寄与する」という公益財団法人としての設立目的実現のため、市の文化振興ビジョンに沿いながら、平成30年度に、事業運営のためのポリシー、ビジョン、ミッションを定め、3 年ごとの事業重点方針に基づいて、専門性を高め、個性的で質の高い文化事業を効果的に推し進めていくよう、積極的な見直しを行いながら事業を展開しております。その見直しの中で、児童養護施設やあすなろ学級、高齢者施設等へのアウトリーチ事業などは、新たに取り組みを開始した事業であり、平成28 年度から、順次採用を行った専門職員の知識、経験、人脈を活かした事業でございます。また動画配信事業につきましては、主に西宮のアーティストによる動画を「おうちでアミティ」として財団のHP上で配信しております。双方向でのコンサートや発声練習の動画などコロナ禍において、多くの視聴回数があったものもあり、一定の効果をあげているものと考えております。このほか、芸術文化協会や音楽協会などの、地域のアーティスト団体と連携を図りながら、その活動や発表の場をつくり、市民の方々に、西宮で活動するアーティストを知っていただく機会の提供も行っております。また、事業見直しの中で、興行的側面が強く、民間事業者が行うべきと判断した事業は縮小いたしました。その他の事業につきましても、公益財団法人として、普段、市民の方々が接する機会が少ない芸術分野や低廉な価格で、質の高い芸術に触れていただく機会を提供するなど、単なる集客重視の事業とならないよう企画しているところです。なお、ご指摘のありました講座など他の部署と趣旨が重複している事業につきましては、ニーズを踏まえ、必要性を検証するとともに、生涯学習推進計画の趣旨に沿った見直しを図っていく必要があると考えております。今後も、文化振興財団の持つ専門性を活かし、市民により豊かな文化事業が提供できるよう常に見直しを図り、効果的、効率的な事業運営に努めるよう求めてまいります。

 

A市民会館の指定管理者について、公募での選定に変更すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
市民会館は、本市の文化芸術施策の拠点施設と位置づけており、昭和63 年4月の文化振興財団の設立以来、同財団が市民会館の円滑な運営を行ってまいりました。これまで、市民会館において、同財団が市民や芸術文化団体などとともにコンサートやオペラなどの事業を企画から実施に至るまで協働で作り上げております。市民会館が市民の文化活動の拠点施設として役割を果たすためには、このような事業展開を図ることが重要であり、文化振興財団が市民会館の指定管理者として相応しいと考えていることから、非公募による募集が適切であるとして、選定委員会での審議、令和2年12月議会での議決を経て、指定管理者として選定したところです。指定期間は令和3年度より令和7年度の5年間です。今後も、同財団が市内の文化芸術関係諸団体や市民と十分に連携を図りながら、文化事業の企画、実施の中核的役割を担うためにも、市民の文化活動の拠点施設である市民会館を引き続き管理運営し、文化振興施策を推進することが望ましいと考えております。

 

B文化振興財団の業務・組織をスリム化し、市職員の派遣を早期に取りやめるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
文化振興財団は、本市文化施策の基本計画である文化振興ビジョンに則った、市の文化施策を体現する中心的存在として、子育て世代が親子で楽しめる事業や、市内各地域の公共施設で気軽に楽しめる事業などを展開しています。市としてはこれからも同財団に、市の文化振興ビジョンに示された文化施策の方向性に合わせて、市民が文化芸術活動を通して様々な形でつながりあえる場と機会を提供し、文化芸術の裾野をさらに広げる事業を展開することを期待しています。こうした活動を担っていくためには、同財団の専門性を高めていく必要があり、平成27年3月議会において、市からの派遣職員を削減し、計画的に、順次、文化振興財団で専門職員を採用する方針をご説明申し上げ、令和3年4月1日をもって、この方針による計画を一旦完了したところです。今後とも、事業の見直しを進め効率的な事業運営に努めるとともに、専門性をより発揮していくためには、文化芸術に関する経験や人的ネットワークを豊富に備えた人材の充実が不可欠であり、市からの派遣職員の比率をさらに下げるなど、財団の独立性なども総合的に勘案しながら、体制の見直しを進めてまいります。

 

■意見・要望

 

実施事業については、これまでも見直しを行ってきたし、これからも見直しを続けていく、ということでした。興行的側面の強い事業を縮小した、とのご答弁でしたが、まだまだ見直せる事業はあると考えています。繰り返しになりますが「文化」は大切です。でも「文化を大切にすること」と「文化に税金を投入すること」は、必ずしもイコールではありません。どういった事業が、税金を投入する対象としてふさわしいのか。私は、青少年の育成など、先ほど述べたようなものに限定すべきと考えていますが、この点については、まだまだ当局・財団と温度差があるように感じています。昨年には新型コロナの影響を受け、補正予算を組んで新しい事業を実施していましたが、その効果についても疑問が残ります。税金を投入するということの重さを、改めて認識していただきたい。そのことを、強く願っています。効果的・効率的な事業運営に努めるとのご答弁でしたので、今後の展開を注視してまいりますが、新規事業の立ち上げについても、慎重な判断をお願いします。あらゆる事業は、始めるときよりも終える時の方が、エネルギーを必要とするものです。本当に必要な事業に特化することを、重ねて要望しておきます。

 

■再質問

 

指定管理については、全く納得のいかないご答弁でした。ご答弁は「市内の文化芸術関係諸団体と十分に連携を図りながら、文化事業の企画、実施の中核的役割を担うためにも、市民の文化活動の拠点施設である市民会館を引き続き管理運営し、文化振興施策を推進することが望ましい」というものでした。極めて抽象的な表現で、なぜ財団がアミティを管理しなければならないのか、の説明としては、合理性を欠きます。資料にも示した通り、指定管理である以上、あくまで原則は公募なんです。非公募とするには、よっぽどの理由が必要なわけですよ。じゃあ、アミティの管理者が財団でなくなったら、どんな不都合が有るんですか。具体的に、誰が、何に困るのか。お答えをお願いします。

 

〇答弁要旨〇

 

文化振興財団の設立目的とこれまでの事業展開、市内の芸術家、文化芸術団体との関係性に鑑みて、市民の文化芸術活動の拠点である市民会館の管理者として必要とされる市内の文化芸術関係諸団体と十分に連携を図りながら運営を行うことができる唯一の市内団体が文化振興財団でございます。これらの事業の円滑な実施において、文化振興財団以外が担うと支障が生じるというふうに考えております。

 

それって、財団だったらやりやすいな、というだけで、他の事業者じゃ駄目という理由にはなってないんですよ。そこまで、財団が拠点施設を管理することが文化振興施策につながる、と仰るのであれば、拠点施設の指定管理も公募している自治体、例えば資料に示した18の中核市は、十分な文化振興施策ができてないという認識なんでしょうか。お答えください。

 

〇答弁要旨〇
例えば川西市では、キセラホールは指定管理者で公募しておりますけれども、みつなかホールは、市の文化振興事業に沿った事業を文化・スポーツ振興財団が実施しております。施設管理のノウハウやニーズの把握、自主事業のスキルなどを継続して維持していくために、同財団が非公募で指定管理を行うのがいいだろうということで非公募で指定管理者を選定しております。また、このような財団がない市において、例えば豊中市のような自治体では、当然ながら、公募により選定を行っております。このように、各自治体の事情や拠点施設に求める役割・機能は様々でありますので、指定管理の方法も異なるというふうに認識しております。

 

■意見・要望

 

この点はやはり見解の相違があるなと思います。私は先ほど述べた通り、市が税金で行う文化振興施策は極めて限定的なものであるべきと考えています。その前提に立てば、アミティの指定管理業務は、一般的な貸館業務が中心となるはずで、非公募とし続ける理由はありません。この点は、今後も指摘を続けてまいります。

 

職員派遣の取りやめについては、体制の見直しを進めるとのご答弁でした。本来は市の職員派遣に替えて固有職員を採用するのではなく、事業規模を縮小して組織自体をスリム化していただきたいと願っておりますが、この場で派遣職員の比率の引き下げに言及していただけたことは、一歩前進かなと受け止めております。昨年度まで総務常任委員会の副委員長を務めたこともあり、全庁的な人員体制について当局の方々と意見交換する機会が何度かございました。皆さん一様におっしゃるのが、人が足りなくて大変だ、ということなんですよね。新型コロナの影響で、そうした声はより高まっていることでしょうし、人員だけでなく、財源についても同じことが言えます。そうした感覚が、外郭団体になると、すごく薄れているような気がしてならないんです。補助金を支出している団体という意味では、観光協会等についてもこれまで指摘をしてきましたけど、市との関わりの深さを鑑みて、適正な運営に努めていただくことを要望しておきます。

 

最後に、やはりこれは市全体の、事業の取捨選択、政策的な判断に関わる問題なのだと思います。日頃、私は産業文化局、中でも文化振興課や都市ブランド発信課に、事業の必要性や効果について厳しいことを申し上げています。でも、所管部署の役割は、あくまでも市全体の方針に従って担当の業務を進めることです。担当事業に意義を見出して取り組もうとしている所管部署に対して、その必要性に関する議論を持ち掛けるのは、少し酷かなと思う時もあります。だからこそ市全体の方針、撤退や縮小を含めた判断は、トップである市長や特別職の皆様方にお願いしたい。時代が、社会が、大きく移り変わろうとする今、ただ漫然と、これまでの事業を続けていくことは許されません。厳しい決断を含めて、この街の将来に対する責任を果たしていただくようお願いして、私、たかのしんの一般質問を終わります。