≪基本政策≫

 

【行政・財政改革の推進】
必要な政策に資金・人員を投入するため、まずは行政改革が必要です!

 

◇人事・給与制度の見直し
◇業務の民間委託・効率化の推進
◇廃止・民営化も含めた事業の取捨選択

 

【子育て・教育環境の向上】
子ども達の将来に直結する政策は、最優先で進めるべきです!

 

◇保育所待機児童の解消
◇教員・保育士の労働環境改善
◇心豊かに成長できる環境づくり
(遊び場の確保、スポーツ・文化活動の推進)

 

【持続可能なまちづくり】
まちづくりは将来に負担を遺さない形へと転換すべきです!

 

◇インフラ・公共施設の老朽化対策
◇市役所周辺の適正な再整備
◇空家対策、住宅政策の見直し

 

【安心・安全な街の実現】
生涯安心して暮らせることは、行政が果たすべき最低限の責任です!

 

◇災害対策の強化
◇高齢化社会への対応
◇必要な支援が行き届く仕組みづくり



 

≪議会での発言≫

2021年9月定例会 一般質問

@自習環境の向上

A民間住宅に対する政策の推進

B介護予防事業の多角化

C西宮市文化振興財団のあり方

 

配布資料@
配布資料@別紙
配布資料A
配布資料B
配布資料C

動画



2021年3月定例会 一般質問

@郵送事務の見直し

A民生委員活動の環境整備

B公立保育所の今後

C内部公益通報制度の強化

 

配布資料@
配布資料A
配布資料B
配布資料C

動画



2020年9月定例会 一般質問

@行政手続オンライン化ならびに業務の整理

A現金取扱事務の見直し

B契約業務の適正化

C育成センターの整備・運用

D安全な道路環境の実現

 

配布資料@
配布資料A
配布資料B
配布資料C
配布資料D

動画



2020年3月定例会 一般質問

@フレンテ西宮の商業床について

A市有地を活用した保育施設整備について

B公共サイン適正化の取組みについて

C西宮観光協会の業務執行について

 

配布資料@
配布資料A
配布資料B
配布資料C

動画



2019年9月定例会 一般質問

@市営住宅の施設マネジメントについて

A学校プールの使用中止問題について

B選挙事務の適正な執行について

 

配布資料@A
配布資料B

動画




≪その他≫

 

2019年度管外視察報告書


郵送事務の見直し

 

【2021年3月定例会 一般質問@】

 

私は、教育・福祉・防災などの「市が必ずやるべき業務」に人員と財源を投下するため、徹底的な行政改革を訴えています。事業の取捨選択や人事・給与制度の見直しといった、大きな改革はもちろん重要ですが、各部署が行う日常の業務を効率化する取り組みも、同じくらい重要と考えています。そうした観点から、今回は庁内の郵送事務について取り上げます。

 

市が行う郵便物の収受・発送は、2019年度で約487万通、郵送料は3億円以上にのぼります。その中で、今回は「市から市民へ」もしくは「市民から市へ」返信を行っている、全245件の事務に注目しました。なお、現在は新型コロナウイルス対策として郵送での手続を促すため、郵送料を特例的に市が負担している事務もありますが、ここではコロナの影響を受ける前の状況で検証を行います。

 

≪資料1≫をご覧ください。返信を伴う事務のうち郵送料を市民が負担するものは76件、市が負担するものは169件ですが、その取り扱いは課によって異なります。例えば、介護保険課や国民健康保険課などでは、市民に届出の義務があるものや、対面手続を原則としているものについて、郵送料を市民負担としています。時間や交通費をかけて来庁する市民との公平性も考慮した結果であり、この考え方は理解できます。もちろん、各種調査依頼など市から返送をお願いする事務では市が郵送料を負担しており、返信用封筒を2種類用意している課も存在します。一方、医療年金課・高齢福祉課などでは、市民からの返送は、原則として全て市が郵送料を負担しています。市民に負担を求めるべきでないという考え方があるようですが、課によって方針が異なることには違和感を覚えます。また、相手方の不備による再送であっても、市が郵送料を負担している場合があるようです。こうした現状をふまえ、返信時の郵送料負担については、庁内で統一的な基準を設けるべきと考えます。

 

私は、全ての郵送料を市民に負担させよ、と申し上げているのではありません。生活困窮者への支援に係る郵送料は、福祉的な観点から市が負担すべきかもしれません。口座振替の促進など、返送のハードルを下げることで滞納を未然に防ぐ効果が期待される場合もあります。市民が市のホームページから書類をダウンロードして送付する場合など、そもそも市で負担することが困難な手続もあるでしょう。大切なのは「この郵送料は市が負担すべきものなのか?」というコスト意識を、全ての部署が持つことです。1通80円程度であっても、それらが積み重なれば大きな金額となります。だからこそ考え方を明示し、それに基づいて各課が手続ごとの郵送料負担を判断するべきと考えます。

 

次に、封筒の製作・発注について見ていきます。≪資料1≫に示した通り、市の封筒には課の名称・連絡先や返信先を印字しているものが多く、それぞれの課が個別に発注しています。このたび議会事務局ならびに各課のご協力をいただき、全庁に照会を行ったところ、発注総数は200件にものぼることが判明しました。2019年度の実績で製作枚数は計356万枚以上、費用は計3,400万円以上。発注先は24事業者で、うち市内事業者が13。契約形態は随意契約が106件、見積り合わせが135件、入札が52件でした。私はこの費用について、発注方法や様式の見直しによる削減が可能と考えています。

 

競争原理の働かない随意契約では、一般的に金額が高止まりしがちです。しかし、各課が少しずつ封筒を発注している現状のまま、全ての発注に入札を採用することは、市役所・事業者双方の事務負担から現実的ではありません。そこで私は、各課が行う封筒の発注を集約したうえで、入札を行うべきと考えます。種類や枚数が多いため、全ての封筒を一括して発注することは困難かもしれませんが、一定の種別ごとに発注を集約することは可能なはずです。発注の集約および入札の拡大によって競争性を高めることに加え、スケールメリットにより単価を押し下げる効果が期待できます。

 

また、同じく写真で示した通り、封筒には庁内で共通の様式が存在しています。印刷会社が課の名称・連絡先等を印字して納品する場合もあれば、印字されていない状態で納品を受け、各課が印刷・スタンプなどにより名称・連絡先等を記載する場合もあるようです。一方で、共通様式と異なる紙質・形状で製作されているものも多く、発注の集約を難しくしています。仕分け作業の効率性を確保するため、返信用封筒には色の違いが必要なようですが、全ての封筒はできる限り共通様式での製作に努めるべきです。さらに、「そもそも、これだけ多くの種類が必要なのか」を検証することも重要です。郵送の件数や用途によっては、必ずしも課ごとに封筒を用意する必要はなく、部や局を一つの単位とすることも考えられます。事務ごとに封筒を使い分けている課では、改めて「別の封筒を使う必要があるのか」と精査することも有効です。こうした取り組みを全庁的に進め、市全体として封筒製作費用を削減するべきと考えます。

 

以上をふまえ、2点質問します。

 

@返信を伴う事務の郵送料について、全庁統一的な基準を設けて負担のあり方を整理し、手続ごとに改めて検討を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
市がサービスを提供するための手続きは様々で、申請や届出は窓口やインターネットなどに加え、郵送による手続きも行っています。この中には議員ご指摘のように市が通知し、市民からの返信でやりとりするものも多くございます。これらの事務において、課ごとで返信に係る郵送料の考え方が異なっているのではないか、統一したルールを作るべきではないか、とのことですが、返信に係る郵送料の負担の考え方は大きくは3つに整理されると考えます。まず、法令等に基づく義務によって返信されるもの、また、減免申請のように義務ではなく市民の側の事情に基づいて返信されるものは、市民の負担とするものです。これは、原則窓口申請である届出等の場合、電車など公共交通機関を使って来庁される市民への公平性の意味合いもあります。2つ目は、市の施策の推進等のために市から市民へ提出をお願いするものは市負担とするものです。例えば、市からのアンケートや、施策として登録をお願いしていくものなどでございます。3つ目は、収納対策や、高齢者・低所得者を対象とする施策に係るものにおいて、市民の事情による申請等であっても、施策推進上の利点が大きいものなどについては市が郵送料を負担する場合があるものです。ただ、これらの取扱いについて統一されたルールはなく、市の負担とするのか、市民の負担とするのかの判断は所管課によっている現状については認識しています。市負担としている場合、市の施策を推進するため、あるいは市民の置かれた状況に鑑みて必要な負担であるかを考えることは、コストの観点からも重要です。このことから、今後返送に係る郵送料の原則的な考え方を全庁的に検討してまいりたいと考えております。

 

A封筒の発注方法や様式を全庁的に見直し、製作費用の削減に取り組むべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
庁内から発注している封筒には多くの種類がありますが、まず、市民向けに大量に発送する通知書等に用いる、機械で封入・封緘する封筒についてご説明いたします。これらの封筒は、事業者が問題なく封入・封緘作業を進めることができるよう、使用する機械にあう封筒として作成されています。市としましては、通知書等の印刷と封入・封緘作業の契約を一体とし、価格競争をした上で、同一の事業者が受注するよう留意しており、封筒のみを分離することができないため、庁内で集約し発注をすることはできないものと考えております。次に、手封入用の封筒についてご説明いたします。平成30年度に、別々に発注している封筒や帳票を一括で発注することによるコスト削減について、入札に参加している印刷業者に対し、アンケート調査を行いました。その結果、多くの事業者から「該当する帳票なし」との回答がありました。理由は、印字内容のみならず、色や紙質が異なれば別工程となるため、スケールメリットは得られないとのことでした。独自の色や様式にする必要があるものは、取りまとめをしても別工程として処理されるため、これまでどおりの発注によることが適していると考えられます。しかしながら、手封入用の封筒については、議員ご指摘のとおり共通様式のものが庁内で使用されていますが、色や紙質を統一した部署名等を印字しない一種類の封筒として取りまとめ発注を行うことで、コスト削減を図ることができると考えられます。今後は、契約管理課において庁内で広く使われている長3(ながさん)と角2(かくに)封筒の取りまとめ発注を試行的に行い、庁内各課からの契約依頼を促すことといたします。その後、費用対効果や庁内各課からの要望等を踏まえ、この取り扱いの継続や他の共通様式化できる封筒への拡大について、検討してまいります。

 

 

■意見・要望

 

返信を伴う事務の郵送料負担については、「判断が所管課によって異なる」という認識をお示しの上で、「郵送料の原則的な考え方を全庁的に検討する」とのご答弁をいただきました。是非ご答弁の通り進めてくださいますようお願いします。
封筒の発注については、「手封入用の封筒について取りまとめ発注を試行的に行い、他の共通様式化できる封筒への拡大を検討する」とのご答弁でした。機械封入を想定した封筒等、集約が困難なものがあることや、突発的に小さなロットでの発注が発生しうることは理解しています。集約を進める上では、市内業者の受注機会確保など、検討すべき要素もあることでしょう。できるだけ多くの封筒を集約するためには、共通様式に角2・長3以外のサイズを加えることも必要かもしれません。そうした課題の整理を含めて、庁内の事務を改めて精査し、コスト意識を持って改革に取り組んでいただくよう要望します。また、取りまとめ発注にはコスト削減や各課の業務負担軽減等の効果が期待できる一方、契約管理課の事務は増加してしまいます。そこで私は、当該事務へのRPAの導入をあわせて提案します。各課の必要枚数を集約する作業と、業務過程を自動化するRPAは極めて親和性が高いと考えられます。ICTを活用して業務負担を適正化することの重要性を申し上げます。

民生委員活動の環境整備

 

【2021年3月定例会 一般質問A】

 

民生委員・児童委員(以下、民生委員)は厚生労働大臣から委嘱される非常勤特別職の地方公務員で、地域住民の生活実態の把握、相談・援助活動等を担っていらっしゃいます。地域福祉の向上に多大なご尽力を頂いており、日々熱心にご活動されている皆様に、私は心からの感謝と敬意を抱いております。しかし、近年、全国的に民生委員のなり手不足が問題となっており、本市も例外ではありません。≪資料2≫をご確認ください。2016年の一斉改選時には、主任児童委員を含めて、定数729人に対して委嘱数642人、2019年には定数731人に対して委嘱数644人、いずれも欠員は87人で約11.9%に及びます。民生委員の欠員は、当該区域にとって望ましくないとともに、欠員区域をカバーする他の民生委員の負担増にもつながります。欠員解消に向けた具体的な対策は、本市が取り組むべき喫緊の課題です。

 

私は、欠員の発生には2つの側面があると考えています。1つは、多くの民生委員が原則75歳の年齢要件を迎える前に、退任されていることです。例えば、2019年の一斉改選では、退任者133人のうち年齢要件の該当者は51人。82人が年齢要件を迎える前に退任されています。また、3期・9年以下で退任される方が全体の半数以上に及びます。これらは、現在の民生委員の業務やあり方に続投をためらう要素が存在していることを示唆しています。もう1つは、後任探しが難しくなっていることです。これまで民生委員の担い手は、お仕事を引退した方や、主婦の方が多かった印象があります。しかし60歳以上の方や女性の就業状況は大きく変化し、お仕事をされている方が多くなってきました。その中で「仕事をしているので、民生委員を引き受けることはできない」と断られるケースが増えていると聞きます。どちらの側面からも、必要なことは民生委員の業務負担の軽減、活動しやすい環境の整備であり「もう1期続けてみよう」「仕事をしながらでも引き受けてみよう」と感じていただくことが重要です。

 

そこで、現在の民生委員の業務について民生委員の皆様や市当局にお伺いしたところ、負担軽減に有効と考えられる策をいくつか見出すことができました。例えば、会合や研修については回数・曜日・時間帯の見直し。民生委員に連絡の入る緊急通報事業から、市の委託先が対応する見守りホットラインへの切替促進。民生委員協力委員の活動範囲の拡大。1人あたりが受け持つ世帯数の見直し。緊急連絡先の確認など、重複する業務の整理。こうした取り組みを進めていくべきではないでしょうか。また、市から施策の周知・広報依頼を受けることもあると聞きますが、民生委員本来の業務はあくまで見守りや相談であり、市が安易に民生委員の業務負担を増やすようなことは自重すべきです。私がここで取り上げたのはあくまで一例であり、実際に業務負担の軽減を進めるうえでは、民生委員の皆様のご意向を反映することが何より重要です。市は2017年1月に、各地区の会長を通じて民生委員の声を集めていますが、その後には一斉改選も行われています。全委員に改めてアンケートを行う方法もあるでしょうし、退任した方や新任の方を対象に本音をお聞きすることも効果的と考えます。現場の実態をふまえて、業務の整理を行うべきです。

 

そのような取り組みと同時に、業務の可視化も欠かせないと考えます。現在、民生委員を引き受けていただく際や、就任後の業務説明には「西宮市民生委員・児童委員の活動について」「新任民生委員・児童委員研修資料」「高齢者実態把握調査マニュアル」「健やか赤ちゃん訪問事業の手引き」等の資料が用いられています。いずれも丁寧に説明してありますが、分量が多いこともあり、全体像を一目で理解する、という目的には適しません。この「全体像の見えなさ」は、引き受けるかどうかを悩む方や新任の方にとって、心理的なハードルにつながります。例えば、A4カラー両面で、主な業務や連絡窓口の一覧を掲載したツールがあれば、そうした懸念は解消されるのではないでしょうか。また、担当地域のご家庭を訪問しても、警戒心の強い方が多く、民生委員への好意的でない反応を受けることもあるようです。特に新任の方は担当世帯と面識がない場合も多いため、人間関係を構築する段階での苦労が多いと聞きます。そうした際に活用できる挨拶文書のフォーマットを準備する等、市からの後押しが重要と考えます。≪資料2≫に、それらの試案を掲載しました。この通りに作ってくれという要望ではありませんが、一つの提案として、イメージを共有しておきます。

 

続いて、活動費についても課題があります。民生委員には報酬が発生しませんが、国費と市費をあわせて、年額約102,000円の活動費が支給されています。そこから、共済事業の負担金や県連合会・市委員会の会費等を納入するため、手元に残るのは年額約79,500円、月額で約6,600円です。この活動費を電話代や交通費等の諸経費に充てていますが、十分な金額とは言えません。もちろん、皆さんは奉仕の精神から民生委員を引き受けてくださっているのであり、このようなことを申し上げると「お金のためにやっているわけではない」とお叱りを受けるかもしれません。ただ、イレギュラーな事態や様々な対応が重なると、費用がかさむこともあると聞きます。少なくとも、活動費が実際の出費を上回ることは絶対に避けなければなりません。民生委員制度の重要性、欠員の状況に鑑みれば、ご尽力いただいているお気持ちに報いるためにも、市はさらなる財政措置を検討すべきではないでしょうか。また、民生委員協力委員の業務範囲を拡大するなら、協力委員の方々へも活動費の支給を検討すべきです。

 

以上をふまえ、3点質問します。

 

 

@民生委員の欠員状況を改善するため、業務の整理や負担軽減を行うべきと考えますが、今後の具体的な取り組み内容をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
民生委員業務の整理や負担軽減を図ることについては、民生委員からのご意見を踏まえながら進めることが必要であり、現在は13人の地区民生委員協議会の会長と市の民生委員事務局である地域共生推進課とで民生委員活動における課題を確認した上で、負担軽減や事務の効率化について協議を行い、課題の解決に向けて取り組んでいるところです。これまでにも、高齢者実態把握調査における対象年齢の引き上げや、健やか赤ちゃん訪問事業の対象世帯へ市から事前に告知はがきを送ることで民生委員が訪問しやすくするなど活動負担の軽減を図ってまいりました。今後の取組みとしては、住民が公的な支援制度の申請時に必要となる家庭状況などを証明する事務について、庁内関係課に確認を行うとともに、民生委員の証明が不要なものについては整理することができないか検討を行っております。また、高齢者の生活状況や緊急連絡先を把握する目的が類似している業務の整理として、高齢者実態把握調査と地域あんしんネットワーク事業の統合を進めており、併せて、高齢者実態把握調査については、民生委員からのご要望を受けて、複数の緊急連絡先を確認できるよう調査書類の様式を変更する予定にしております。近年、地域のつながりが希薄化し、ひきこもりや児童虐待などの福祉課題が深刻化している中で、民生委員に対する期待や役割は益々高まっており、その活動は複雑になってきております。このことから、民生委員業務の整理や負担軽減など民生委員が活動しやすい環境整備については引き続き取組みを進めてまいります。

 

A民生委員の候補者や市民に対し、民生委員の業務や役割を伝えるため、全体像を可視化したツール等の作成が必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
民生委員の欠員解消に向けては、民生委員活動の負担軽減と併せて、民生委員の役割について広く市民に知っていただくことも重要であると認識しております。このことから、本市の民生委員・児童委員会では、民生委員活動を紹介するパンフレットや広報紙を作成して、民生委員の役割や活動について広報に努めております。また、市では、現任の民生委員や地域から推薦を受けた民生委員候補者に対して、活動の手引きや業務内容をまとめた研修資料、各種活動マニュアルを作成して業務内容を説明しており、その内容については随時見直しを行っているところです。しかしながら、民生委員の業務は多岐にわたることもあり、現在作成している資料やマニュアルについては、業務の全体像を一目で把握するのは難しいものとなっております。民生委員に対しては、新任の時だけでなく、在職期間が2期目、3期目の中堅民生委員に対する研修や全体研修会など様々な機会を通じて業務内容の説明を行っておりますが、議員がご指摘のとおり、特に新任の方や候補者の方にとっては、まず業務の全体像を把握できることが活動するうえで大きな助けになるものと思われます。このことから、民生委員が活動しやすくなるよう、業務の全体像が把握できるようなツールについては作成を検討してまいります。また、民生委員活動の中でも特に心理的な負担が大きい訪問活動の際に使用できるツールについても併せて検討してまいります。

 

B民生委員が円滑に活動できるよう、活動費等について追加の財政措置を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
民生委員法では、民生委員には報酬を支給しないことが規定されています。ただし、ご質問にもありますとおり、民生委員には、世帯訪問や実態調査などの活動に要する電話代や交通費などの必要経費として、1人あたり年額約102,000円が支給されており、活動費の額については、国が地方交付税の算定基礎としている活動基準額の約60,000円に、市が約42,000円を上乗せして支給しているものです。また、この活動費の他にも、民生委員が研修等に参加する費用として年額3,078円を、市内13地区の民生委員児童委員協議会に対しては、福祉施設の視察や研修会などの活動に要する費用として1地区あたり年額192,000円の補助金を支給しております。これらの民生委員活動を支援するための補助金について、市といたしましては、引き続き、国から示される活動基準額の動向を注視して対応していきたいと考えております。今後とも、民生委員の皆様に安心して活動していただけるよう、補助金の交付だけでなく、先にご答弁しました業務の整理や負担軽減を図るなど、民生委員活動の環境整備について取組みを継続してまいります。

 

 

■意見・要望

 

業務負担の軽減に引き続き取り組む、各種ツールの作成も検討するとのことで、前向きな姿勢をお示しいただきました。活動費については国の動向を見ながらということでしたが、有効な施策は、必ずしも活動費の増額だけではありません。例えば、「イレギュラーな対応で高額の支出が発生した場合に、別途、実費で精算する」「地区への補助金を増額することで、各委員が支払う会費負担を軽減する」等、様々な手法をご検討いただきたく思います。今回このテーマを取り上げたのは、民生委員の方から、活動の実態を詳しくお聞かせいただいたことがきっかけでした。私自身の暮らす地域でも、先般の一斉改選では欠員が発生し、身近でかつ深刻な問題であることを痛感しました。民生委員の方々には、多くの場面でご活躍いただいているからこそ市には全面的なバックアップをお願いしたい。私が申し上げたかったのは、この一言に尽きます。具体的な取り組みをもって、皆様のお気持ちにお応えいただくよう要望します。

公立保育所の今後

 

【2021年3月定例会 一般質問B】

 

現在、本市には23の公立保育所が存在します。公立保育所の運営費が民間に比べて高止まりする傾向や、公立志望の保育士が多く民間のスムーズな採用を阻害していることなどから、これまで複数の議員から公立保育所の民間移管が提言されてきました。そもそも民間で提供可能なサービスを行政が実施する必要はなく、私もこれらの理由から公立保育所の民間移管を進めることに賛成の立場です。

 

今回は、さらに別の観点から民間移管の必要性をお示しします。それは公立保育所における労務環境の改善です。≪資料3≫をご確認ください。昨年4月1日時点で、本市の公立保育所における正規職員の保育士は計311名、1保育所あたり9〜20名が配属されています。うち計38名、1保育所あたり1〜3名が育児休業を取得中で、取得者が1割以上にのぼる状況は、市長事務部局の平均約4%と比べて著しく高いことが見て取れます。

 

2018年12月議会において、市は育休中の職員を定数外とする条例改正を提案しましたが、人件費の上昇に対する懸念や、事業全般の効率化が不十分といった異論が相次ぎ、否決されました。この提案は、ただでさえ深刻な硬直化した財政状況をさらに悪化させるものであり、否決という結果は当然のものと考えています。いま市が考えるべきことは、なんとか定数を増やそう、議会に認めてもらおうという発想ではなく、現在の環境下で、どのように業務をまわしていくのか?という課題です。そう考えれば、公立保育所については民間移管を進めるしかないはずです。

 

例えば、3箇所ほどの公立保育所を民間移管すれば、それだけで30〜40名程度の保育士を確保できます。その保育士を他の保育所に配属すれば、育休取得による欠員分はすぐに解消されます。民営化という施策には、そこで働く職員の反対がつきものですが、この手法であれば現在勤務している職員が公務員の身分を失うことは有りませんし、残る公立保育所の人員配置は手厚くなるため、労務環境の改善につながります。冒頭に述べた趣旨からは、できる限り多くの保育所を民間移管すべきと考えていますが、これまでの答弁等から、市がすぐに方向転換することは期待できません。だからこそ、まずは現実に即した形で、数箇所からでも取り組みを進めるべきだと考えます。

 

市は2007年に民間移管計画を策定し、3つの公立保育所を民間移管の対象としました。そこでのスキームは「公立保育所の近くに民間保育所を開設し、当面は両保育所で保育を行い、需要が減ってきた段階で公立保育所を閉鎖する」というものです。これでは民間移管の実現までに、あまりに時間がかかりすぎます。計画策定から14年がたった今ですら、閉鎖が決まったのは今津文協保育所1園だけです。その今津文協保育所ですら、閉鎖予定年度は2027年度であり、計画策定から20年も経っています。こうした状況をふまえれば、現在の手法だけでなく「公立保育所の運営を、ある年度から民間事業者に切り替える」という、一般的な手法に舵を切らなければなりません。こうした民間移管は、近隣の尼崎市をはじめ、既に多くの自治体で実績があります。この手法で最も多く聞かれる懸念は、通所している途中の年度で運営主体や先生方が変わってしまうことに対する、子どもたちへの影響や保護者の不安ですが、先行自治体ではこうした課題へも十分な配慮が行われています。例えば大阪市では31か月ルールを定め、民間移管を公表してから約2年半かけて事業者の募集や保護者への説明を行うこととしています。特に引継には十分な期間を確保しており、1年間かけて民間事業者との共同保育を実施しています。これらは、本市でも十分に実現可能な取り組みと考えます。

 

次に、芦原保育所・むつみ保育所の統合に関する課題を取り上げます。≪資料3≫をご覧ください。両保育所は、老朽化が進み、耐震基準を満たしていなかったことから、統合して新しい保育所を整備する方針が2014年度に示されました。当初、統合保育所の定員は、従前の両保育所分を合計した210名とされていましたが、大規模化を不安視する声が上がったことから、当面は定員を150名として、段階的に引き上げていくこととなりました。2018年度には統合保育所での保育がスタートし、むつみ保育所は廃止されて施設も解体。芦原保育所は簡易な耐震工事を行った上で保育を継続中で、統合保育所の定員拡大にあわせて段階的に受入人数を減らし、数年以内に廃止される予定となっています。

 

こうした経緯があるにせよ、待機児童数が全国ワースト3、利用保留児童である900人以上の子どもが希望通りに保育所を利用できていない本市において、210人を受け入れられる公立保育所が、150人しか受け入れていないという現状は、やはり歪です。210人の受入を実現すれば、「預け先が無くて復職できない」と困窮している保護者の方を、60人も救うことができるのです。決して、保育の質や、保護者の安心感を、軽視しているわけではありません。しかし、市全体の子育て支援施策の中で、民間の保育所や幼稚園、認定こども園等に定員を上回るような受入をお願いしておきながら、市自ら運営する保育所が60名もの空枠を抱え続けることは、説明がつきません。

 

統合保育所の定員を増やしても芦原保育所での受入が同じだけ減少すれば、受入数の総量拡大にはつながらないため、むつみ保育所の跡地には新たな民間保育所を整備すべきです。私は昨年3月議会の一般質問でも、市有地を活用した保育施設の整備を提言しましたが、この土地はこれまで保育所が建っていたわけですから、広さ・接道等の条件はもちろん、周囲の方々からの理解も得やすいものと考えます。

 

統合保育所については、昨年3月に学識経験者の意見等を踏まえた検証結果報告書が提出され、乳児を中心に180人までの定員拡大を進める考えが示されました。本年4月からまずは10人を増加し、160人の受入としたことを一定評価しますが、今後の拡大については時期の前倒しも検討するべきです。また、180人を超える定員拡大は主に幼児の増となり、改めて客観的な評価を受けながら検討していくとされていますが、こちらもスピード感を持って進める必要があります。

 

以上をふまえ、2点質問します。

 

 

@保育士の育休取得率が高いことをふまえ、保育現場の労務環境を改善するために、公立保育所の民間移管を進めるべきと考えますが、市の見解と今後の具体的な取り組み内容をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
西宮市待機児童解消計画(以下、計画)に基づく民間移管対象保育所につきましては、近傍地に民間保育所を先行整備した上で、待機児童数の縮減や弾力化率の低減が可能となる時期に順次閉園することとしております。令和4年度から0歳児の受入を停止し、令和8年度末に閉園する予定の今津文協保育所以外の2園に関しましては、次年度当初の待機児童数を確認し、閉園の時期等について改めて検討したいと考えております。なお、保育士の配置につきましては、配置基準に基づき、必要な人員を配置するよう対応を行ってまいりましたが、一方で育児休業を取得する職員が毎年一定数おり、人員の確保に苦慮している状況です。今後、計画に基づき民間移管対象保育所の整理を進めていくなかで、閉園した保育所の職員を既存の保育所に再配置することなどにより、保育現場の労働環境改善といった課題についても解決を図れるよう取り組んでまいります。また、今後の公立保育所につきましては、保育需要の推移や施設の耐用年数等を踏まえ、私立を含む総量としての適正配置や公立施設として果たすべき役割などの観点から、そのあり方について検討を行っていきたいと考えております。

 

A芦原むつみ保育所の定員拡大を早期に進めるとともに、むつみ保育所の跡地に民間保育所を整備することで、保育所待機児童の解消を図るべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
令和元年度に保育の専門家や保護者等の意見を踏まえた検証を行い、その結果を受け、令和3年度から段階的に定員を増やし、令和5年度に定員を180名とすることといたしました。以降の定員増につきましても、保育の質や安全性の確保を大前提に、第三者評価の活用等も含め、丁寧に進めてまいりたいと考えております。むつみ保育所跡地への民間保育所の整備につきましては、周辺地域の今後の保育需要や近隣に開園する民間保育所整備後の状況、他の公共施設に係る活用等も勘案しながら検討してまいりたいと考えております。

 

 

■再質問

 

民間移管に伴って人員を再配置することが、公立保育所の労働環境改善につながるという認識は、一定共有することができました。しかし、具体的に言及があったのは、既に民間移管対象保育所と定められた3園についてのみであり、その他の公立保育所については「総量としての適正配置や公立施設として果たすべき役割などの観点から、そのあり方について検討を行う」というご答弁にとどまっております。そこで質問します。ご答弁にあった「公立保育所のあり方」とは、具体的にどのようなものなのか。市長のお考えをお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
今お問い合わせいただいたところは大変重要なところですよね、民間でなく公立保育所だから果たす役割、これを今ここで私の考えを詳らかにすることは、コンセンサスがまだ得られていませんので控えたいと思います。ただ公立保育所の役割が何かというのをしっかりとコンセンサスを得た先に、次の、何らかの計画といいますか、方針というものが見えてくると考えています。

 

では、コンセンサスを得ていくための検討の進め方、スケジュール感をお示しください。

 

〇答弁要旨〇
これはこども支援局が主体的にやるというのではなく、市長の私がリーダーシップを持って、まずは庁内でもんでいくというようなことであります。スケジュールに関しては、これもまたコンセンサスがいるものでありますけど、ボールは私のところにあるんだろうなという認識はしております。

 

要は「これから考えていきます」ということだと受け止めました。もちろん、あり方を検討することは大切です。でも、「民間の事業者で経営できるものを市役所が経営する必要はありません」「民にできることは民に委ねる」と2018年6月の所信表明で述べていらっしゃるのは市長ご自身です。今の西宮市が行っている事業を見渡した時に、保育所は既に民間移管の計画が存在し、他市でも実績があるわけですから、民営化の検討対象としては代表的な存在だと考えています。就任直後であれば「これから検討していく」という答弁も一定は理解できますが、今任期の実質最終年度を迎えようとするこの段階になっても、具体的な取り組みが見えてこないことは残念です。就任直後にお示しになった方針と現状の乖離をどのようにとらえているのか、市長の見解をお願いします。

 

〇答弁要旨〇
それに関しましては、さまざま主観的な評価はあろうと思いますが、4年で評価を頂ければと思います。

 

 

■意見・要望

 

私はこうした民営化に関する市長の本気度に疑問を感じています。先日の代表質問で我が会派の菅野幹事長が指摘した通り、今回の施政方針では、民営化や民間委託に関する言及が一切ありませんでした。厳しい財政状況の中、行政改革の一環として避けては通れない課題にもかかわらず、取り組みが進んでない現状については、大きな懸念を抱いております。このことを強く申しあげておきます。
統合保育所については、定員拡大や跡地利用について前向きなご答弁を頂きましたので、ぜひ早急に取り組みを進めていただくよう要望します。

内部公益通報制度の強化

 

【2021年3月定例会 一般質問C】

 

内部公益通報は、市職員が庁内の不正や法令違反等を通報する制度で、本市では2006年に運用が始まりました。≪資料4≫にそのスキームを示しています。実際に職務を行う職員自身が情報提供する制度であり、公正な行政の実現に大きく寄与することが期待されました。しかし、この15年間で通報の実績はわずか1件。県内の政令市・中核市と比較しても、本市の通報実績の少なさは際立っています。

 

通報がないということは、通報されるような問題がないということなのでしょうか。もしそうなら、それは素晴らしいことです。しかし、西宮市役所が、不正や法令違反の全くない組織だと思っている方は、おそらくここに一人もいらっしゃらないでしょう。近年の不祥事の連発は、その象徴的な出来事です。この神聖な議場で口にすることすら憚られる案件もありますが、組織の問題を明らかにするために、過去数年間の不祥事を改めて確認します。

 

2018年、
当時の人事部長が、女性職員へ不適切な行為。
土木局職員が、超過勤務手当・通勤手当を不正受給。
市立中学校教諭が、女子生徒が着替える教室を盗撮したとして逮捕。
市民局職員が、ビルのトイレで盗撮行為をしたとして逮捕。
市立小学校教諭が、学校トイレで女子児童を盗撮したとして逮捕。
健康福祉局職員が、同僚の財布から現金を窃盗したとして逮捕。

 

2019年、
土木局職員が、工事の入札情報を業者に漏洩したとして逮捕。
上下水道局職員が、工事の入札情報を業者に漏洩したとして逮捕。
上下水道局職員が、他人の敷地に不法侵入したとして逮捕。
市立学校事務員が、出勤簿を改ざんし、休暇を不正取得。
市立学校調理員が、同僚の財布から現金を窃盗したとして逮捕。
産業文化局職員が、現金を横領し、還付請求書を偽造したとして逮捕。
市立病院看護師が、食料品店で万引きしたとして逮捕。

 

2020年、
環境局職員が、勤務時間中に職場を抜け出し、ゴミ収集車を私的使用。
環境局職員が、酒気帯び運転を行ったとして逮捕。
監査事務局職員が、持続化給付金を騙し取ったとして逮捕。
市民局職員2名が、マイナンバーカードを不適正な手法で交付。

 

以上、あまりにもひどい現状がここにはあります。これだけの事案が発生していながら、組織に問題が存在しないということは有り得ません。内部公益通報の実績がないのは、問題が存在しないのではなく、制度が十分に機能していないことの証と捉えるべきです。2019年度には、続発する不祥事を受けて、全職員を対象としたアンケートが実施され、組織のあり方に対する厳しい言葉が寄せられました。自由記述欄から、一部を引用します。

 

「人事部長が不祥事を起こして懲戒される時点でお察し。あり得ないでしょう。懲戒権限を持つ人事トップが不祥事を起こして、どの口が不祥事防止と言うのか。」
「非常に恥ずかしく、悲しい出来事。部課長の異動が無いのは非常に問題を軽視している。彼らの言動、行動に問題を感じる。」
「遅刻やさぼりが野放しにされており、管理職が名ばかりの存在の部署が多く統制が取れていない。さぼっても減給や降格がないし厳しく注意もされないので、低い意識のまま仕事をしている人が多い。」
「少々のことなら罰せられないとの認識、あきらめ感が広がっているのではないか。遅刻や過度の離席、勤務中のネット閲覧など実質黙認状態。」

 

このアンケートについては、全職員を対象にした大規模なものであり、これだけ多くの声が寄せられたにもかかわらず、「アンケート結果をふまえて、どう改善するのか」という方針や対策は、実施から1年以上が経過する今でも発表されていません。自分たちのあげた声に対して、的確なレスポンスがなければ、「どうせ声をあげても無駄」とモチベーションの低下を招き、むしろ逆効果になるリスクすら有ります。そして、この回答の中にも、内部公益通報の形骸化を危惧する声が複数ありました。同じく引用します。

 

「内部公益通報制度が、どうしてもその後の自分にデメリット(昇進・異動等)があるのではないかと思い、利用しにくい。例えば職員だけに伝えるメールアドレス等で、本当に匿名でも通報できるようにならないと、今の通報制度だと通報側は損しかないように思う。」
「公益通報は古い時代の不正には対応できないなど不十分であるので、不正を洗い出すための新たな制度を創設すべき。」
「内部告発者を、責任を持ってしっかり守れる組織であること。告発された職員の身辺調査(人間関係や部下への態度など含む)をきっちりと行い、事柄によって厳しく罰せられる組織であること。」
「内部告発するとき、どこに持っていけば良いか明確になれば良い。もみ消される、反対に告発者が損するのではと思えることもある。」

 

それぞれの声は、まさに内部公益通報制度の問題点をついたものです。私は、本制度を有効なものとするには、4つのポイントがあると考えています。それは、通報した職員が必ず守られるという「秘匿性」、通報すれば事態が好転するのではという「期待度」、制度へ容易にアクセスできる「使い勝手」、対象者に制度の存在を知らしめる「周知・広報」の4つです。

 

中でも秘匿性の確保は最重要の課題です。要綱には通報を行った職員に対し「いかなる不利益な取扱いも行ってはならない」との記載があるものの、「告発した職員が左遷された」といった他市の事例は、枚挙にいとまがありません。先に述べた通り、組織に対する職員の信頼が地に落ちている今、通報しようと考えた職員が二の足を踏むのは当然です。本市の場合、通報事実の調査を担う調査委員会には、市役所内部の人間である副市長・総務局長が含まれています。それでは職員が安心して通報することなどできませんし、副市長や総務局長自身が通報の対象者となる可能性もゼロではありません。事実認定や措置決定においても、身内に対してはどうしても甘い判断が行われがちです。すでに多くの自治体が調査委員会を弁護士等の第三者のみで構成して通報者の秘匿や中立性の確保を図っており、そうした自治体では通報実績も多い傾向があります。本市は窓口を人事課長または弁護士としていますが、弁護士を窓口としても結局、調査委員会に内部の人間が含まれていれば、通報者が不利益を被る懸念は拭えません。本市も早急に調査委員会の構成員を弁護士等の第三者のみに変更するべきです。この措置は絶対に必要です。

 

続いて、制度への期待度を高める方策について申し上げます。通報を検討する職員にとって、秘匿性の次に気がかりなのは「通報したところで、本当に改善されるのか?対応してもらえるのか?」という点です。この期待度が低いと、わざわざ手間とリスクを投じてまで、通報しようとは考えないでしょう。ここで鍵となるのが通報内容の公表です。同じく資料6ページをご確認ください。例えば横浜市では「不正防止内部通報制度運営状況」をホームページで公開しています。そこでは、通報・受理・不受理の件数のみならず、通報概要・調査結果・市の対応まで示されています。対応が行われた案件はもちろん、対応を行わないと判断した案件についても、その判断理由を公表していることは高く評価できます。こうした取り組みが行われていれば、職員が制度に期待できる、少なくともきちんと対応してもらえるだろうという想いを抱くことができます。本市では通報実績が1件のみであり、現時点では公表する情報そのものがほぼ存在しませんが、通報が行われた際にはこうした公表を行うとの方針を決めるべきです。後ほど述べる周知・広報においても、通報によって事態が改善した他市事例を紹介する等、制度への期待度を高めることが欠かせません。

 

次に、制度の使い勝手については、制度の一本化と通報可能者の拡大が必要です。本市はハラスメントに関する苦情・相談の受付体制を設けていますが、相談窓口、事実関係の確認・調査ともに、組織内部のみで対応しています。当制度についても、弁護士等の第三者による受付や調査が行われるべきですし、そもそも内部公益通報と類似する部分が多々あります。複数の制度が存在すると、どの制度を使ってよいのか分かりにくいため、内部公益通報制度の秘匿性・中立性を担保したうえで、一本化を図るべきと考えます。また、本市の内部公益通報制度は、通報可能な者を市・委託事業者・指定管理者等の職員としていますが、不正や法令違反を知り得る立場の方は、他にも多く存在します。外郭団体、補助金支出団体の職員・関係者や、それぞれの退職者等、通報可能な対象者をできる限り広げるべきと考えます。

 

続いて、周知・広報について取り上げます。いくら制度の内容を整えても、それが周知されていなければ意味がありません。現在、制度の周知は、年に1回、職員を対象に行われているにすぎません。研修等の場で周知する頻度を高めるべきですし、内容も紋切型では効果が薄く、秘匿性が確保されていることや状況の改善につながることを、職員の心に訴えかけなければなりません。また、市職員以外の対象者、委託事業者や指定管理者の職員等は、そもそも制度の存在自体を知らない可能性が十分にあります。現在、市のホームページに当制度に関する記載は一切ありません。まずは早急にホームページ上で制度の概要を示し、市職員以外の対象者へ通知を行うべきと考えます。

 

以上をふまえ、6点質問します。

 

 

@内部公益通報の調査委員会について、市内部の者を構成員から外し、弁護士等の第三者のみに変更するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
本市の内部公益通報調査委員会は、通報に関する調査、必要な措置を提言するため設置されており、市内部の委員として両副市長、総務局長の3名、外部委員として弁護士1名、あわせて4名で構成されており、一定、中立性は担保されているものと考えております。議員ご質問の調査委員会を外部委員のみとすることについては、通報者保護の観点だけでなく、通報に対して、より中立的な立場から調査できるという有用性があるものと認識しております。一方、委員会は通報窓口である公益通報相談員より、通報事実等の報告を受けた時は、遅滞なく調査を行う必要があり、外部委員だけとした場合、迅速な対応ができるのか、また、市役所内の事情を知った者がいなくなるなど、整理すべき課題があると考えております。そのため、今後、他自治体の事例を調査するとともに、外部の窓口である弁護士に通報した場合には、市側に氏名を含めた個人情報を伝達しないようにするなど、通報のしやすさの改善も含め、制度が効果的に機能するよう取り組んでまいります。

 

A通報者本人が希望しない場合や個人が特定される場合を除き、通報内容・調査結果・市の対応をホームページ上で公開すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
違法または不適正な事実が認められた場合には、各任命権者において、必要な措置を講じることとしております。今後、このような事案が生じた場合には、ホームページ等への公表について、検討してまいります。

 

Bハラスメントの苦情・相談受付について、内部公益通報制度との一本化を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
公益通報制度は、組織の自浄作用を促すとともに、通報した職員等が不利益な取扱いから保護することを目的とした制度ですが、ハラスメント相談窓口は職員の利益の保護等、より個人に着目した相談機関として設置しているものです。それぞれ制度の趣旨が異なり、その対応方法も異なってくることから、制度の一本化は困難と考えております。しかしながら、申立てする職員から見ると、公益通報とハラスメントの通報窓口が別々であることが、わかりにくい面があると考えております。令和3年度中には、ハラスメントの相談窓口について、市内部に加え、外部にも窓口を設置する予定としているため、その検討を行う中で、わかりやすい通報窓口について検討してまいります。

 

C通報可能な「職員等」の定義について、対象を広げるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
現在においても、市で任用する職員だけでなく、委託事業者など市と業務上の関わりのある方も広く対象としております。通報できる者を退職者に広げることにつきましては、整理すべき課題があることから、他市の事例などの調査・研究を進めてまいります。なお、市の外郭団体等に対する公益通報については、それぞれの団体で処理すべきものですが、通報内容が市に関わる事案であれば、対象になると考えております。

 

D制度の周知について、頻度・内容・対象者を大幅に増強するとともに、ホームページへも掲載するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
これまでも、職員への通知、庁内ネットワークへの掲載などを行い、周知を進めてきたところです。さらに昨年度からは、人事評価面談時に使う「不祥事防止にむけたチェックシート」の項目に記載するなど、職員の目に留まりやすい取り組みを進めてまいりました。しかしながら、通報対象者は職員だけでなく、委託業者等も含まれることから、ホームページ等を通じて、広く周知してまいります。

 

E2019年度に実施した職員アンケートについて、寄せられた意見への対応を体系的に示すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
2019年に実施した職員アンケートは不祥事の防止、職員倫理等について職員の意識、考えを把握し、今後の不祥事再発防止策の参考とすることを目的としたものです。このアンケートでは、職員から様々な提案や意見があり、結果については、職員が閲覧できるよう庁内ネットワークに掲載しているところです。職員からの意見、提案の中で、取り組み可能な対策は順次実施しているところですが、議員ご質問の体系的な対応策については、今後、できるだけ早い段階でお示ししたいと考えております。

 

 

■再質問

 

調査委員会の第三者化。これが、私の主張の中核です。同様の趣旨はこれまでにも本会議場で取り上げられたことがあり、その後に改善された様子は見受けられないので、「第三者化の有用性を認めたうえで制度が効果的に機能するよう取り組む」というご答弁は、一歩前進かなと思っています。しかし、整理すべき課題があるとはいえど、この場で「第三者化する」と明言いただけなかったことは残念です。提案してすぐ結論が出る話ではないことが分かっていたからこそ、私は今回の質問に係る当局との打ち合わせを、早い段階、年が明ける前から始めていました。他市事例の調査等、検討に費やせる期間を十分設けたにもかかわらず、今回の質問で明確な回答を頂戴できなかったことは理解に苦しみますし、自分自身の力不足を痛感しているところです。当局が「不祥事撲滅のため、今すぐにでも手を打たなければならない。できることはなんでもやる。」という切迫感を欠いているように思えて仕方ありません。私が提案していることの論旨は、極めて明快です。不祥事が多発しているにもかかわらず、内部からの通報はほぼ無い。その要因は、調査委員会に人事権を有する副市長や総務局長が含まれているためではないか。職員アンケートでも、内部公益通報制度の実効性を疑問視する声が寄せられている。全国には、調査委員会を第三者化して、通報実績を重ねている自治体も有る。ならば、本市でも第三者化を進めるべきではないか。市当局が本気で不祥事撲滅を目指しているのなら、当然に共有できる感覚だと考えています。そこでお聞きします。今回のご答弁は、「整理すべき課題が解消されれば、第三者化を行う」という意味で受け取ってよいのか。ご見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
調査委員会の構成委員のあり方につきましては、今後、外部委員のみで構成している自治体に対して調査を行ったうえ、運用状況や実務上の課題など、様々な角度から検討を進めてまいりたいと考えております。同時に通報しやすい環境の整備、制度周知を改めて行い、より実効性の高い制度となるよう取り組みを進めてまいります。

 

今後の状況をしっかりと注視していきますので、半年後なのか、1年後なのか、然るべき時期に改めて検討状況をお聞きします。スケジュール感を早々にお示しいただくよう要望しておきます。当局のおっしゃる課題とは、「完全に第三者化すると、機動的な対応が難しい」ということだと理解しています。私は、効率的な調査のために、人事課等の当局が内部公益通報制度の事務局機能を担うことまで否定しているのではありません。例えば、監査委員と監査事務局の関係性のように、調査主体はあくまで独立した委員会とし、事務局が実務的なサポートを行う形とすれば、今回示されている課題は解消されるものと考えます。調査や措置決定を行う委員会に、市役所内部の人間が含まれているかどうか。これが、通報者の安心感にどれだけ影響するか、改めて認識していただきたいと思います。皆さんは特別職や管理職の方々ですから、「要綱に不利益な取扱いを行わないと記載しているのだから、十分ではないか」とお感じかもしれません。でも、若手職員や会計年度任用職員から見て、副市長や総務局長といえば、自分が所属し、給料をもらっている組織の頂点に君臨する存在です。そんな方々に組織の問題を提起すれば、自分自身の立場が危うくなるのではないか。そう考えるのは当然のことです。私は2年ほど前まで、組織で働いている一人の若手会社員でした。その頃の感覚を思い起こせば、通報しようかと悩む職員さんの気持ちは、実感として理解できます。当局におかれては、そんな職員さんの気持ちに立って、今回の提案を受け止めてほしいと願っています。この場で第三者化をお約束いただければ、これ以降の質問を行う必要はありませんでしたが、第三者化するとしても、実現までに一定の期間を要することが明らかとなってしまいました。今この瞬間にも、何か不正を把握し、通報すべきどうか迷っている職員さんがいらっしゃるかもしれません。そのことを踏まえれば、この質問だけは行っておかなければなりません。お聞きします。調査委員会のメンバーでもある副市長にお答えをお願いします。内部公益通報を行った職員が不利益を被ることは、絶対にないとこの場で宣言してください。万が一、通報者が不利益を被るような事態を招いた際は、然るべき立場の方が、然るべき責任をとるものと考えますが、ご所見をお伺いします。

 

〇答弁要旨〇
公益通報者保護法において、解雇の無効、降格や減給その他不利益な取扱いが禁止されており、本市要綱においても「いかなる不利益な取扱いも行ってはならない」と規定しています。法の趣旨にのっとり、職員が不利益を受けることの無いよう、責任をもって運用してまいります。

 

 

■意見・要望

 

そのお言葉を信じて、一旦、他の論点に関する意見・要望に移ります。ただし、これらを実行に移したとしても、あくまで最も重要なのは調査委員会の第三者化です。そこで安心感が担保できなければ、いくら制度の細部を改定しても、効果は得らません。そのことは強くご認識ください。

 

通報・対応状況の公表については前向きなご答弁を頂きましたので、是非その通り進めてください。苦情・相談受付体制との一本化については、制度の趣旨が異なるとのご見解でしたが、ハラスメントについても外部に通報窓口を設ける、その中で分かりやすさを追求するということで、一定の評価ができる内容でした。通報可能な職員等の拡大については、十分なご回答を得ることができませんでしたが、不正を知り得る立場の方をできるだけ対象にすることが、制度の実効性を高めると考えておりますので、引き続きご検討をお願いいたします。制度の周知についてはホームページへの掲載も含めて取り組んでいただけるとのことですので、是非その通りに進めてください。

 

職員アンケートについては、体系的な対応策をできるだけ早い段階で示すとのご答弁をいただきました。この取り組みは、非常に重要だと考えています。既に遅きに失した感はありますが、組織への信頼を取り戻すには「自分たちの声が届いている、組織の改善につながっている」という実感が欠かせません。意見を寄せてくれる前向きな職員さんの気持ちを、十分にくみ取っていただくよう、要望しておきます。

 

私が今回、このテーマを議場で取り上げたのは、制度の改善を提起することにくわえて、職員の皆様にメッセージをお伝えすることが目的でした。幸い、先ほど副市長には、通報者が不利益を被ることはないと明言していただきました。皆様の中に、もし不正を把握している方がいらっしゃれば、どうかこの制度を活用して、声を上げていただきたいと願っています。それでもやはり、内部公益通報制度では不安だ、だけど状況をなんとか改善したい、という方がいらっしゃれば、私たかのしんまでご相談いただいても結構です。秘密は、必ず守ります。一緒に、市役所をクリーンな組織にしていきましょう。そのことを申し上げて、私、たかのしんの一般質問を終わります。

行政手続のオンライン化ならびに業務の整理

 

【2020年9月定例会 一般質問@】

 

現在、財政状況の悪化や行政ニーズの多様化を受けて、より効率的な行政運営が求められています。また、行政以外の分野では、あらゆる手続や買物がインターネット上で完結する時代です。こうした状況から、私は市役所が提供するあらゆるサービスも、オンライン化を進めるべきと考えます。本年、私たちの社会を襲った新型コロナウイルス感染症への対応としても、対面手続を避けるためにオンライン化への注目が高まったところです。昨年にはいわゆる「行政手続オンライン化法」が改正され、国においてもオンライン化推進の方向性が示されました。しかし、実際に取組みを進めていく上では、オンライン化を阻む要素が多く存在しています。その中でも代表的な課題は「本人確認」「捺印」「付属書類」「手数料」の4つに集約されると考えています。なお、本件についてはコロナ対応として今年度の補正予算に盛り込まれた内容を一部含みますが、課題を体系的に整理するため、改めて取り組みの全体像を見ていきます。

 

はじめに「本人確認」について確認します。≪資料1-@≫国が進める行政手続のオンライン化は、マイナンバーカードの所持が前提となっています。先般の特別定額給付金でも注目された通り、現在、マイナンバーカードの所有率は全国で10%台にすぎません。そのため、内閣府提供の「マイナポータル」で多数のメニューが用意されているにもかかわらず、各自治体が導入している業務はごく一部です。本市においてもマイナポータルでの手続が可能なのは児童手当関連のみであり、申請件数に占める割合も僅かなのが現状です。マイナンバーカードの普及を進めることも重要ですが、マイナンバーカードに頼らない方法でオンライン化を進めることも必要だと考えます。
本市の行政手続には、既に郵送での申請を認めているものが多く存在しています。例えば、住民票の写し・課税証明書等の交付申請、転出届の提出等を郵送で行う場合には、本人確認書類の写しを同封することで、本人確認としています。コロナ対策として特例的に国民健康保険の加入・脱退等でも郵送申請が認められ、同じく本人確認書類の同封によって対応しています。これらの手続はオンライン申請へ移行しても、本人確認書類の写真を添付すれば問題ないと考えられます。

 

次に「捺印」について確認します。≪資料1-@≫マイナポータルでは電子署名の仕組みが構築されていますが、先に述べた通りごく一部の手続にしか対応していないのが現状です。しかし、手続時に捺印を求めている根拠は「過去から慣例的に捺印欄が存在しているだけ」という場合が多く、法令等に基づいていない事例が確認できています。事実、オンライン化の先進自治体として知られる福岡市では、約4200種類の申請書のうち約2300種類で捺印を不要とした実績がありますし、千葉市でも同様の取り組みが進められています。捺印ありきでオンライン化を検討するのではなく、捺印の必要性を改めて確認したうえで、申請書の様式変更等を行うべきです。

 

3点目の課題は「付属書類」です。≪資料1-A≫申請等を行う際に付属書類を必要とする場合があり、その数や種類の多さがオンライン化のネックとなります。しかし多くの場合は、スキャンデータや画像の送付で対応が可能です。直近ではオンライン申請で行われたコロナ対策の店舗賃料支援において、賃貸借契約書等の付属書類を画像で送付することが認められていました。あわせて、捺印と同様に「そもそも、その付属書類が必要なのか?」という検証も重要です。例えば各種手当等の受給にあたって口座情報を届け出る際、通帳等のコピー添付を求めている手続と、口座番号の記入のみで対応している手続がありますが、こうした庁内で取扱いの異なるものは簡素な方法に統一を図るべきです。また、住民票の添付を求めている手続についても、市民自身が取得して提出するのではなく、職員による住基情報の閲覧や公用申請が活用されていれば、スムーズにオンライン化を進められるはずです。

 

4点目は「手数料」です。≪資料1-A≫窓口で支払っている手数料を、オンライン申請の場合にどのように支払うか?という課題です。郵送申請の場合には「定額小為替を同封する」という手法が採られていますが、オンライン申請では手数料支払いもWEB上で完結することが望ましいと考えます。まずは、既に市税の納付等で認められている口座振替やクレジット払いの対象を拡大すべきです。また、数百円の手数料を支払うには、口座振替・クレジット払いより、電子マネーでの決済を好む方も多いのではないでしょうか。この点についても福岡市では交通系ICカード、LINE Pay、コンビニバーコード決済を一部導入しており、本市でも同様の取組みを検討すべきです。詳細は次のテーマで述べますが、現金取扱に伴う不祥事の抑制にも、全庁的なキャッシュレス決済の体制構築は有用と考えます。

 

これらの課題を解消し、オンライン化を進めていくために、まずは業務フローや申請様式の見直しに取り組むべきです。その中では、法令等の根拠を精査して本人確認・捺印等を最小限にするとともに、通帳コピー等の事例で触れたように、全庁横断的に業務を比較することが欠かせません。また、阻害要因が存在しない、もしくは軽微な手続きは、即座にオンライン化を実施すべきです。資料Aに示したように、「職員採用試験の受験申込」「不在者投票用紙の申請」「防火管理講習の受講申込」等、他市でオンライン化を実施済にもかかわらず本市では未実施の手続が多く存在しています。他の自治体にできて、本市にできない理由はありません。先行事例を調査し、早急にオンライン化を実行すべきです。さらに、国でも提唱されている「スマート窓口」は、全てオンラインで完結することのみを指すのではありません。来庁前に引越手続の予約ができる福岡市、申請情報を事前入力できる鎌倉市などの事例は、来庁時の手間を簡素化できる点で市民・職員双方にメリットがあります。また、来庁時は申請書でなく、タブレット端末に情報を入力すれば、業務自動化ツールの「RPA」とも親和性が高まります。あわせて、「出生」「転入」「お悔み」等のライフイベント別に手続を集約し、窓口の一本化や案内フローの整理を行うことも重要と考えます。

 

以上をふまえ、4点質問します。

 

@行政経営の効率化、市民の利便性向上、感染症対策等の観点から、行政手続のオンライン化を推進すべきと考えますが、市の見解と取組み方針をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
市民の利便性向上の視点と、行政経営の効率化の視点の両面から、行政手続きのオンライン化は有効な手法で、令和2年5月に策定した行政経営改革前期実行計画の取組項目にも位置付け、今年度中に「(仮称)西宮市スマート自治体推進指針」を策定し、全庁的なスマート化、デジタル化の取り組みを推進することとしております。加えて、今回の新型コロナウイルス感染症対策としても、来庁しなくても手続きができる、来庁しても少ない時間で済むといった、非接触型であったり、簡素化型の市民サービスを提供することは非常に重要な取組みと考えております。こうした状況を踏まえ、市民の利便性に繋がり、業務の効率化にも資するような手続きについては、今後、積極的にオンライン化を進めていきたいと考えています。

 

A行政手続のオンライン化も見据え、業務フローや申請書の様式等を全庁横断的に見直すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
行政手続きのオンライン化を具体に進めるには、その前段として、議員ご指摘のとおり、本人確認や押印、添付書類、手数料等の支払いといった課題を、手続きごとに整理する必要があります。また、業務フローや申請書の様式などについて、そもそも不要な作業工程がないのか、添付書類等の簡素化ができないのかといった業務効率化の視点から改めてチェックを行うことも重要と考えております。新型コロナウイルス感染症への対応が求められるなか、デジタル化の推進などに向け、国がとりまとめた「書面規制・押印・対面規制の見直しに関する通知」も踏まえ、平成30年度に行った本市の行政手続きに関する調査をもとに、まず押印について、法令等の変更を伴わず、市の運用の変更で対応できるものから、原則、廃止・省略することを目的として現在調査に着手しており、順次、添付書類の簡素化・省略化や対面規制の見直しにも取り組んでまいります。また、キャッシュレス決済については、これまでの市税納付書によるモバイルレジに加え、ペイ払いを導入し、運動施設の窓口でもバーコード決済を導入することとしており、利用実態の把握などに努めつつ、庁内横展開を検討してまいります。これらの取り組みを通して、庁内横断的な見直しを図り、オンライン化の阻害要因を取り除くことで、業務の効率化にも寄与するものと考えております。

 

Bオンライン化に向けた阻害要因が存在しない、もしくは軽微な手続については、他市事例もふまえて早急にオンライン化を実施すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
平成30年度に実施した本市の行政手続きに関する調査により、オンライン化に向けた阻害要因の有無は、一定把握しております。一方、手続きごとの申請件数や難易度、手続きをされる方の属性やその頻度、業務の特性などを整理したうえで、市民の利便性の向上と、申請方法が多様化することに伴う業務負担や費用対効果を勘案し、所管の意見も聞きながら、オンライン化の要否を判断することが大切であると考えています。その上で、オンライン化が有効であると判断した手続きにつきましては、早急にオンライン化を進めてまいります。

 

C来庁前の事前予約や情報入力、申請書の電子化、ライフイベント別の手続案内等を通じて、効率性や利便性を向上するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
オンライン化以外の方法で、手続きの効率化や利便性向上に取り組んでいる自治体の事例も見られますが、ICT化を目的にするのではなく、課題解決型のアプローチで優先順位をつけながら全体最適となるよう、実際の効果に注視して情報収集を行っているところです。現在、本市としましては、窓口でのタブレットを用いた申請書の電子化や、WEBによるライフイベントごとの手続き案内などの導入を検討しております。最終的にはオンライン化により、市役所に来庁することなく手続きが完結できることを目標にしつつも、マイナンバーカードの普及状況や、その時々のICTの成熟度、またデジタル機器を活用できる人とできない人との格差、いやゆるデジタル・デバイドなども考慮して、手続きをされる方の実情に応じて、スマート自治体を推進するとともに、手続き・窓口ごとに最適な方法を検討し、効率化と利便性の向上を図ってまいります。

 

 

■意見・要望

 

本件については、非常に前向きなご答弁を頂きました。積極的にオンライン化を進めていくという方針にくわえ、その前提となる業務フローや申請様式等の整理にも取り組んでいく姿勢をお示しいただきました。実施に向けて重要なことは、こうして掲げた方向性を、現場へ、実務へと、具体的に落とし込むことだと思っています。全庁的に取り組みへの理解を広げるために、情報部門だけでなく各局も含めまして、どうかオンライン化の機運を高めていただくよう要望します。

現金取扱事務の見直し

 

【2020年9月定例会 一般質問A】

 

市役所には市税の納付や施設使用料の支払い、市民への給付・還付等、入金・出金を伴う業務が多く存在します。これらの中には、口座振替・クレジット払い等を認めているものもありますが、今もなお多くの手続で現金の受け渡しが行われています。私はこうした現状を改めるべきと考えています。

 

昨年、労政課に勤務する職員が、貸館業務において虚偽の還付請求書を作成し、キャンセル料を不正に取得するという不祥事が発生しました。また、過去には若竹生活文化会館で現金紛失事案が発生し、3年後に同じ建物内の若竹公民館で再度、現金が紛失しています。また、こうした経緯があるにもかかわらず、昨年度の包括外部監査では教育委員会所管施設における現金の管理について、不十分な例が指摘されています。現金にまつわる不祥事の根絶に最も効果的なのは、現金の取扱い自体をなくすことです。これが、現金取扱事務を見直すべき1つ目の理由です。

 

2つ目に、市民の利便性向上が挙げられます。現在、例えばホール使用料の支払いが口座振込等に対応しておらず、10万円を超える現金を持参しなければならない場合があります。口座振替・クレジット払いに対応している市税の支払いにおいて、窓口での納付は約30%に過ぎず、特に高額の場合は現金持参以外の方法が一般的です。手数料の支払いが行政手続オンライン化を阻害している現状も有りますし、各種電子マネー等の決済手段が普及している今では、金額の多寡や手続の種別を問わず、多様な支払方法を求める市民ニーズは高いと考えられます。

 

さらに、現金の取り扱いを減らせば職員の負担軽減にもつながります。現在、必要な現金を手配するには「所管課内での決済、会計室による支出命令、市役所1階の銀行窓口での現金受け取り、金種の確認・振分け、金庫での保管」という一連の手間がかかります。業務の効率化が求められる今、こうした部分の改善こそが重要です。

 

この度、議会事務局のご協力のもと、全庁に照会を行ったところ、現金を取り扱う事務は387事務存在していることが判明しました。≪資料2-@≫歳出179事務・歳入203事務・歳出/歳入のどちらにも属さないもの5事務を、さらに性質別に17の区分に分類しています。今回はこの17類型・387事務を対象に、その内容を精査しました。なお、本調査はあくまで市役所内の事務に限定しており、指定管理者や委託先での事務を含めれば、その数はさらに膨れ上がります。

 

この中で、最も容易に、かつ即座に現金の取り扱いを廃止できるのは、@の報償等、各種委員への報酬や講師謝金・旅費等の支払いです。この類型に属する支払いは全庁で483事務にのぼり、そのうち389事務ではすでに口座振込が行われています。389事務で実施できて、残る94事務で実施できないはずはありません。多くの場合、現金での支払いを続ける理由は「過去からずっと現金で支払っているから」です。他市でも口座振込が主流となっており、これを機に全庁的に運用を見直すべきです。

 

次に、件数の多いG〜Jの類型を確認します。具体的には、手続時の使用料・手数料、公共施設の使用料、各種講座等の受講料、書籍などの販売代金がこの分類に該当します。先ほど例に挙げた通り、施設使用料にも高額なものが存在するため、これらのグループにも口座振込等の手法は導入すべきです。一方で数百円の支払いである場合も多く、現時点で現金払いにも需要があることは理解します。そこで私が提案したいのは、先ほどのテーマでも述べた全庁的なキャッシュレス決済の体制構築です。ピタパ・イコカ等の交通系ICカードやPayPay・LINE Pay等の電子マネー、Tポイント・楽天ポイント等のポイント払いが、市のあらゆる手続きで利用できるようになれば、市民の利便性は大きく向上し、現金取扱に伴うリスクも大幅に軽減されます。このような形は決して夢物語ではなく、既に一部の決済方法が福岡市などで導入されていることは、先ほど述べた通りです。特に、気軽な支払方法という点でこの類型とは親和性が高く、検討を進めるべきです。

 

その他、「原則は口座振込だが、例外的に現金の取り扱いを認めているもの」や「個別に対応を検討すべきもの」については、一部、現金の取り扱いが残る可能性はありますが、基本的には口座振込等での対応を目指すべきと考えます。支払い相手方の都合により変更が不可能なものを除き、全ての入出金事務は現金を取り扱わない方式に変更すべきです。

 

以上をふまえ、3点質問します。

 

@市および指定管理者が行う全ての入出金事務は、原則として現金を取り扱わない方式に移行すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
市の出納事務においては、議員ご指摘の通り、近年現金の取り扱いによる不祥事が続き、市政への信頼が損なわれる事態となっております。このため、副市長を会長とする事務処理適正化検討会において、同様の現金取り扱い事務を対象に事務処理のあり方や事務執行体制を点検し改善策を検討しました。これに基づき、現金取扱事務においては、過失による紛失や不適切な処理等のリスクは一定存在することから、組織としてのチェック機能を十分に働かせ未然防止に努めるとともに、現金を極力取り扱わないよう口座振込などの推進のほか、いわゆるキャッシュレスを推進することは非常に有効な方法と考えております。また、支払方法の多様化や、現金の持参が不要となるなどの市民の利便性向上につながるほか、取組みが進むことで現金取扱いに伴う各種事務処理の改善や、手続きのオンライン化が進展するなど、業務の効率化にも寄与するものと考えております。

 

A報償等については、次年度から現金でのお渡しを廃止し、全て口座振込に変更すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
審議会の委員報酬等につきましては、現在多くは口座振込により支払いを行っていますが、一部において現金による支払いも残っております。審議会等は開催日時が前もって予定されているものがほとんどであり、事前の準備ができることから、原則として口座振込による支払とするよう進めてまいります。

 

B申請時の手数料や施設使用料の支払等に対応するため、全庁的なキャッシュレス決済の仕組みを構築すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
キャッシュレス決済としてこれまでも取り組んでまいりました口座振込や口座引落、クレジットカード払いなどに加え、近年取扱いが急増しているスマートホンによるバーコード決済も有効な方策の一つと考えております。一方、システム改修等の導入コストや決済手数料などの費用負担に加え、一旦収納した金銭の還付や導入に伴う市の事務負担の増加、また、利用者のキャッシュレス普及率などの課題もあるため、直ちに全ての現金の取扱いをキャッシュレス化することは困難と考えております。そのため、引き続き、口座振込や口座引落を推奨するとともに、庁内で先行実施しているモバイルレジやバーコード決済などのキャッシュレスの取組状況や他市事例も参考にしつつ、費用対効果や市民への普及状況、利便性なども踏まえ、着手可能なものから現金を取り扱わない方式への転換を図ってまいります。

 

 

■意見・要望

 

本件についても、前向きなご答弁を頂戴しました。現金は極力取り扱わない、という方針をお示しの上で、報償等については口座振込を原則とすると明言してくださいました。手数料等のキャッシュレス化については課題も有るとのことでしたが、キャッシュレス化の流れが社会全体で加速していることを念頭に、積極的に進めていただくことを要望しておきます。

契約業務の適正化

 

【2020年9月定例会 一般質問B】

 

≪資料3-@≫自治体が締結する契約について、地方自治法および同施行令では原則として一般競争入札にて行うことが義務付けられています。その中で、一定の金額を下回るものは随意契約が認められており、本市では「西宮市契約規則」にその基準額が定められています。しかし、基準額を超えていても例外的に随意契約が認められる場合があり、2019年度は契約管理課を介する案件だけで335件にのぼりました。各課での契約においても同様の案件が多数みられ、公営企業会計の病院事業では75件・上下水道事業では172件が該当します。特定の場合に随意契約を認めることには一定の意義が有りますが、契約の競争性・公平性を担保するためには、これらの規程を厳格に運用する必要があると考えます。≪資料3-A≫そこで、過去3年間に行われた随意契約の中から、課題の見られる案件をいくつかピックアップしました。なお、各案件はあくまで発注方法や契約業務に対する問題提起であり、個別の受注事業者や団体を批判する趣旨のものではないことを、お含みおきくださいませ。

 

1つ目は、ある小学校の改築工事にあたり、改築工事の発注先を入札で決定した後、当該事業者に対して渡り廊下の改修工事を随意契約にて別途発注したものです。改築にあたって渡り廊下の改修が必要なことは当初から予見可能であり、入札時に本体と渡り廊下の合計で価格を検証するべきでした。このような案件では、総額での比較を行わなければ「入札時に金額を抑えて落札し、随意契約の部分で売上や利益を確保する」という事業者が現れる可能性を否定できません。庁内でも、例えば書類の印刷業務と封入・封緘業務では、同一事業者に発注する必要があるため総額を比較する見積合わせを行っていますし、各種システムの導入にあたっては保守・運用等のライフサイクルコストもあわせたプロポーザルを実施しています。こうした考えを、他の業務にも適用するべきと考えます。

 

2つ目は、各課契約の案件です。西宮市事務分掌規則は契約管理課の事務を「工事の請負契約、業務委託契約及び修繕業務契約に関すること」と定め、その中でも「学術研究的なもの及び契約業務の内容が特定されるもの」を除くとしています。請負・委託・修繕以外の契約や「学術研究的なもの」「契約業務の内容が特定されるもの」については、各所管課にて取り扱っています。私はこのたび基準額を超える随意契約について過去3年間分を全件調査しましたが、こうした各課契約の中に違和感を覚える案件が複数存在しました。例えば、資料に示した相談業務の案件では「当該事業者しか業務を受注できない」という理由が明確でなく、各課契約の条件である「学術研究的」もしくは「契約業務の内容が特定される」とする根拠が不明です。結果として、同一の事業者がプロポーザル等の過程も経ずに、当該業務を受注し続けています。また、請負・委託・修繕に該当しない人材派遣契約では、人員や業務の増加に一定の正当性があるとはいえ、プロポーザルの実施後に契約金額が大きく増加している例が存在します。各課契約の目的は、業務に精通する所管課が契約事務を行うことで効率性を高め、より実態に即した判断を実現することだと認識しています。決して所管課が契約管理課を介さずに契約を行うための抜け道ではなく、むしろ契約管理課案件以上に競争性・公平性の確保に留意すべきです。また、透明性を確保する観点からは、他の自治体で取り組まれている、随意契約実績・理由のホームページ公開も検討する必要があります。

 

3つ目は障害者・高齢者の就労機会確保を目指した随意契約です。市は市有地の除草・清掃等を、障害者・高齢者を多く雇用する事業者に発注しています。これらの契約については、特定の事業者に発注が偏ったうえ過度の剰余金が生じた反省から、2018年度に制度改正が行われました。その後の推移を確認すると、発注総額は従前の8割程度に抑えられ、少しずつではありますが受託事業者の数も増えつつあるため、制度改正の趣旨は一定程度、達成できていることが窺えます。一方で、一部の業務においては発注額の増加が見られています。例えば、資料に示した公立保育所の除草・外溝清掃は2016年度から2020年度で約3割、価格が上昇しています。主たる要因は業務内容の増加ということですが、このような形で随意契約の発注額が増えていく傾向は看過できません。当該事業者は、他の事業者に比べて各業務の契約金額が上昇傾向にあることも気がかりです。「多数障害者雇用企業等契約審査会」等が存在するとはいえ、その大半については、同じ業務を、同じ事業者が長年受注しています。どの業務をどの事業者に発注するのか、発注金額はいくらが妥当なのか。そうした決定過程について、検証可能な仕組みづくりが必要だと考えます。

 

≪資料3-B≫次に、市との財政的関与が深い外郭団体や補助団体について見ていきます。これらの団体も税金を原資に運営されている以上、契約手続においては市と同様の厳格さが求められます。外郭団体の多くは「市の規則を準用する」もしくは「団体種別ごとのガイドラインに従う」といった形で、競争性・公平性を担保しています。また、補助団体の中でも、西宮商工会議所や西宮コミュニティ協会等では契約・発注に関する一定の取り決めが行われています。しかし、市から年間約3,800万円もの補助金を受けている西宮観光協会ではこうした規定が存在せず、高額の案件でも随意契約を行うことが可能な状態です。本年6月議会で菅野議員が「まちたび事業を中止したにもかかわらず補助金を返還せず、動画配信事業に同規模の金額を投入した」という事実を追及しましたが、この動画配信に係る約900万円の業務委託も随意契約で行われています。市であれば間違いなく入札等を義務付けられる案件であり、あまりに安易な発注方法に私は唖然としました。こうした補助団体についても、契約規則の作成・開示を求める、補助金要綱において入札等を義務付けるなど、契約の競争性・公平性の確保に取り組む必要があると考えます。

 

以上をふまえ、3点質問します。

 

 

@それぞれの事例で見られた懸念事項について、課題の解消に努めるべきと考えますが、市の見解と取り組み内容をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
1つ目の事例について、ご指摘の小学校の本体工事及び渡り廊下工事は、校舎間の児童の動線を確保するため、工期の異なる別工事として発注することとし、いずれも入札による業者選定を行う予定でしたが、本体工事着工後、学校現場からの要望を受け、その対応の影響により工期の延長が必要となりました。その結果、渡り廊下工事の実施に向け、事業者が入れ替わる準備期間が確保できなくなり、やむを得ず、随意契約に切り替えたものでございます。封入・封緘業務を伴う印刷発注や、保守契約を伴う各種システム開発業務と異なり、発注段階で随意契約を予定していたものではなかったため、全体を含めた競争をすることができませんでした。その他の工事においても、着工後の学校現場からの要望、保護者や地域住民からの要望などにより、別途契約が必要となることがあります。市としましては、こうした要望に対し、柔軟に対応することが必要であると考えておりますが、当初の発注段階から意見や要望を反映し、全体で競争する方が望ましいと考えていることから、可能な限り、早期の要望等の把握に取り組んでまいります。また、当初契約ののち、追加で随意契約が必要となることが発注段階から明らかなものがあれば、全体で競争ができるよう取り組んでまいります。2つ目の事例のうち、相談業務については電話でカウンセリングを行うものですが、その特徴として、多くの事業者が対応できる内容ではない点と、カウンセリングの質の確保が重要である点が挙げられます。業務の内容と当該法人の設立目的が合致していることもあり、カウンセリングの質の確保が図られておりますが、同等のカウンセリングができる他の事業者の参入が見込まれるのであれば、プロポーザル等による受注者の選定が可能であると考えております。現在、同様の業務を発注している他の自治体に対して聞き取りなどの調査をしており、その結果を踏まえ、プロポーザル等による受注者決定の導入について検討いたします。2つ目の事例のうち、人材派遣契約について、プロポーザルの実施に当たっては、複数年度にわたりその契約を継続することを想定し、業者からの提案を受け、想定された年度の範囲で単年度の随意契約をしております。ご指摘の次年度以降の契約額の増加は、教育制度の全国的な見直しの中、学校現場からの要望を踏まえ、契約内容を充実させたことにより生じたものです。1つ目の事例と同様、当初の発注段階から学校現場の意見を反映し、全体で競争する方が望ましいと考えていることから、可能な限り早期の要望等の把握に取り組んでまいります。また、今回の事例には当てはまりませんが、事業者からプロポーザル提案時と比較し、明らかに割高な金額提示があった場合は、プロポーザルで選定したことを随意契約の根拠にできないため、当初想定していた年度内であっても、改めてプロポーザルを実施するなどの対応をいたします。3つ目の事例について、ご指摘の契約の発注金額の増加は、芦原むつみ保育所の新設に伴い清掃範囲が増えたこと、保育所現場からの要望に基づき薬剤散布の回数を増やしたこと、労務単価が上昇したことなどによるものです。予定価格の決定に当たっては、面積や回数などに基づき算定をしており、増加した金額についての妥当性を確認しております。また、これらは障害者や高齢者の就労を目的とした契約ですが、福祉的な観点から、障害者等がなるべく同じ環境で従事することにより、円滑に業務が実施できるよう配慮しており、長年、同じ業務を同じ事業者に発注しています。

 

A基準金額を超えて締結する随意契約について、透明性を確保するとともに、契約の競争性・公平性を担保するべきと考えますが、市の見解と取り組み方針をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
随意契約に限らず、契約実績については原則として公開する情報として取扱っております。引き続き、情報の開示と随意契約理由の説明責任を果たすことができる体制づくりを進め、随意契約の透明性の確保が図られるよう取り組んでまいります。随意契約の主なものとしまして、メーカー独自の技術や知識が必要となる設備機器の保守業務などがありますが、最近の事例では、感染症拡大防止に使用する物品を早急に確保する必要がある場合など、随意契約によらなければ、行政目的を達成できない場合もあるため、それぞれの状況を踏まえ、適切に判断する必要があります。一方、競争入札の優れた点として、契約の競争性・公平性を確保できるという点が挙げられます。従前より競争入札による受注者決定を原則としているところですが、その過程においては、市内業者の育成、契約の透明性の確保など、様々な取組みが必要となります。これに伴う事務負担について、事務の効率化による改善を図りつつ、更なる契約業務の適正化を進めてまいります。

 

B西宮観光協会に対し、契約規則の作成・開示を求める、補助要綱において入札等を義務付けるなど、契約の競争性・公平性を担保するための具体的な取組みを行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
西宮観光協会では、会計規程を設けておりますが、その中に契約に関する内容は含まれておりません。しかしながら、運用上、契約の競争性・公平性に配慮した運用を行っており、具体的には、高額な契約については、当初の契約でプロポーザルによる選定を行ったり、複数の事業者から見積を徴収して決定するなどの取扱いを行っております。今後、西宮観光協会では、他の外郭団体の規定等を参考にしながら、契約に関する条項も含めた会計規程の整備に向けて検討を行っていくとしており、市としましても、整備に向けて助言してまいります

 

 

■意見・要望

 

基準額を超える随意契約について、それぞれの事例における課題と取り組み内容をお聞かせいただいたうえで、契約業務全般についての方針をご答弁いただきました。今回、本件の調査を行う過程で、一定の制度やチェック体制が構築されていること、大半の契約は適正に執行されていることが確認できました。一方で、自治体の不適正な契約業務が明らかになった事例は、枚挙にいとまがありません。完璧な制度やチェック体制は存在せず、ブラッシュアップを続けていかなければなりませんが、だからこそ常に大切なのは、透明性の確保だと思っています。他市が行っているホームページでの情報公開についても触れましたが、多くの方の目に触れるという環境こそが、不正の防止に効果的だと考えています。私も市議会議員であり続ける限り、今回のように契約業務の情報を開示いただき、内容を精査するという取り組みを継続してまいります。

 

観光協会については「規程の整備に向けて検討を行っていく」「市としても助言していく」というご答弁を頂きましたのでこれ以上は追及いたしませんが、過去からも職員の兼業問題等について指摘してきた経緯があります。これだけ高額の発注を行う組織であるにもかかわらず、契約に関する規定がこれまで整備されていなかったことは、やはり組織体質の問題と言わざるを得ません。現状の是正に取り組んでいただくよう、強く要望しておきます。今回の指摘は、多額の補助金を受ける団体として、その使い道を決めるルールは当然厳格であるべき、というものであり、決して「観光協会を外郭団体に位置づけるべき」という主張ではありません。むしろ、私は、また我が会派は、市が主体的に観光事業に取り組むこと自体に極めて否定的な立場です。本市においては、まちの魅力発信に多くの民間事業者や団体が取り組んでおり、行政自ら税金を投入する必然性は高くありません。まちづくり評価アンケートでも「都市型観光の推進」への期待度は全50施策中最下位であり、市民ニーズも低いのが現状です。2019年度決算では53億円という多額の財政基金取り崩しを余儀なくされ、新型コロナの影響で財政状況はさらなる悪化が予想されています。観光事業に多額の税金を投入すること自体を、見直すべき時期に来ていると考えます。

育成センターの整備・運用

 

【2020年9月定例会 一般質問C】

 

育成センターは、就労等により昼間、家庭に保護者がいない小学生が放課後や長期休業期間中に過ごす施設です。近年、共働き世帯の増加等により利用児童数が増加し、待機児童の発生が問題となっています。本日は待機児童解消に向けた取り組みや4年生児童の受入れに伴う課題を取り上げます。

 

≪資料4-@≫市は2017年3月に「留守家庭児童育成センターにおける施設整備のあり方について」を発表し、待機児童解消等の方針を示しましたが、本年5月時点で65人の待機児童が発生しています。当計画では、利用児童数の将来推計をもとに施設整備のスケジュールが示されており、本年までに待機児童が解消されていない要因は、大きく分けて「将来推計が甘かった」「予定通りの整備ができなかった」の2つと言えます。

 

まずは将来推計の妥当性を検証します。2020年度の利用希望数について、2017年・計画策定時の予測と本年度の実績を比較しました。予測と実績の乖離は約半数のセンターで10名以内であり一定の精度は確保されています。一方で乖離の大きい3センター、香櫨園・甲陽園・甲東において多くの待機児童が発生していることからも、予測の精度が待機児童問題に直結することは明らかです。また、実績が予測を下回る事例とはいえ、高須西や深津で50名前後の乖離が発生していることも気になります。このように、予測と実績が乖離した原因を、市はどのようにとらえているのでしょうか。その検証をふまえて、将来推計の精度を向上させることが極めて重要です。現在の推計根拠は「保育所に入所している人数」であり、保育所に通う子ども達が小学校への入学後、育成センターを利用するだろう、という考え方に基づいています。その中で精度を向上させるには、幼稚園の預かり保育のような「保育所以外で過ごす就学前児童」も対象に加えることが必要です。また、教育委員会が児童数の予測に用いている「駐車場・空地・社宅など、地区内の開発可能な土地を加味した上限推計」の考え方も有効であると考えます。

 

次に、整備スケジュールの進捗状況を確認します。計画で定員増の方針が示されたのは22箇所ですが、現在までに整備が完了したセンターは9箇所にとどまり、7箇所では計画が具体化していない状況です。また、3箇所では定員を増加したにもかかわらず、待機児童が解消されていません。計画時の整備スケジュールと実際の進捗に差異が発生し、依然として待機児童解消の目途が立たない中、余裕教室の積極的な転用等も含めて、今後の具体的な対応策を示すべきです。
続いて、4年生児童の受入についてお伺いします。従来、育成センターは1〜3年生を対象としていましたが、2016年度から一部のセンターで4年生の受入を開始しています。市は当時「平成30年代半ばには全市的に実施する予定」としていましたが、本年度の実施は41箇所中17箇所・来年度の受入開始予定は3箇所と、全市実施には遠く及ばない状況です。1〜3年生の受入を優先することは理解しますが、空枠があるにも関わらず4年生受入を行っていないセンターが存在することには疑問を感じます。例えば空枠が78と非常に多い北夙川や、空枠があり待機児童の発生も予測されていない広田・北六甲台などでは、4年生受入を開始すべきではないでしょうか。また、現在は3年生までの児童数推計をベースに整備の検討を行っていますが、今後は4年生までの児童数を推計し、整備計画に反映する必要があります。

 

最後に、利用通知時期の見直しについてお伺いします。≪資料4-A≫に利用申込・選考の流れをまとめました。育成センターの申込は、12月末締切の当初申請と、2月上旬締切の追加申請の2回に分けて行われます。その中で、4年生はあくまでも「1〜3年生の利用希望者で定員が埋まらず、空枠があった場合」に受入れるという考え方が採られています。そのため当初申請で申し込んでも、利用可否の通知を受けられるのは追加申請後の2月下旬です。利用不可の場合、4月以降の預け先を探す、就労条件を勤務先と相談する、といった調整に追われますが、わずか1か月でこれらの調整を進めることは、保護者にとって大きな負担です。そんな負担を解消するために、私は、利用通知時期の前倒しに取り組むべきと考えます。そのためには「選考過程の短縮」と「追加申請締切の前倒し」が必要です。

 

選考過程で、市と指定管理者は「申請内容の精査」「指数の算出」といった実務を行います。当初申請では3,677人の選考を12営業日で完了させていますが、追加申請では282人の選考に6営業日を要しています。もちろん、対象人数と必要日数が完全に比例するわけではないものの、追加申請の件数は平均で1センターあたり約6.9件です。締切を待たずとも申請が提出された段階で、内容の確認や指数の算定に取り掛かることは可能です。正確性の求められる業務ではありますが、選考期間の短縮に取り組むべきと考えます。また、全センター一律の通知発送にこだわる必要は無く、待機が発生するセンターや、4年生の受入センターについて、優先的に選考事務を進めることも検討すべきです。

 

追加申請の締切は、遅ければ遅いほど、急きょ保護者の就労が決まった場合等に対応することが可能です。一方で締切を早めれば、通知時期の前倒しを実現できます。そのバランスをとることが重要ですが、比較対象としては、保育所の入所選考が一つの参考になると考えます。昨年、育成センターの追加申請締切は2/7でしたが、保育所の最終申込は1/31でした。保育所選考において、運用に大きな混乱が生まれていないことからも、育成センターの追加申請締め切りも1週間程度の前倒しは可能と考えます。あわせて、待機となってしまった場合でも、不許可通知時に待機順位や今後空きが発生した場合の流れ、「子どもの居場所づくり事業」や「ファミリーサポートセンター事業」の情報をお伝えする等、保護者に寄り添った案内を行うべきです。また、申請の受付時に「希望に沿えない可能性があること」や「4年生は追加申請締切後の選考となること」をより明確に記載すれば、保護者の受け止め方も変わってくるのではないでしょうか。

 

以上をふまえ、4点質問します。

 

 

@本年度の利用児童数について、一部のセンターで予測と実績の乖離が発生した原因は何でしょうか。また、原因の検証をふまえて、予測の精度向上に取り組むべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
留守家庭児童育成センターの利用児童数推計につきましては、以前は小学校の児童数推計に利用率を乗じて算出していましたが、実績との乖離が生じ始めたことから、現在は保育所に入所している児童数をもとに算出しております。推計と実績の乖離が発生している理由としましては「小学校入学を機に就労を始める世帯がある」「小学校入学の時期に合わせて転入・転出が多い」「小学校入学後は習いごとや民間の学童保育を利用している」など状況の変化に伴うことのほか推計においては、「幼稚園利用児童など、保育所に入所している児童以外をカウントできていない」ことが挙げられます。これらの理由のうち、不確定な要素を推計に盛り込むことは難しいと考えますが、幼稚園の利用児童数を反映させることは可能と考えており、推計の精度向上に向けて取り組んでまいります。

 

A施設整備については、2017年3月に一定の対象校・スケジュールが示されていますが、現時点で待機児童を解消できる目途は立っていません。今後の具体的な取組み内容をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
育成センターの施設整備計画は、毎年度更新している育成センター利用児童数推計に基づいて見直しをしています。今後の具体的な整備計画として、令和3年度は深津および高須西育成センター、令和4年度は春風、小松および平木育成センター、令和5年度は安井育成センターの運営開始に向けて取り組んでいるところです。その他の育成センターにつきましても待機児童数や施設老朽化の状況などを総合的に勘案し、優先順位をつけて予算を確保しながら調整していきたいと考えています。なお育成センターの施設整備以外の待機児童対策としまして、今年度から民設の放課後児童クラブ1か所に補助金を支給し運営しています。来年4月には新たに3か所を開設し、合計4か所で運営できるよう準備を進めているところです。

 

B4年生受入れの全校実施に向けて、実施校を早急に拡大するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
本市では「西宮市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例」で、「専用区画の面積は、利用者1人につきおおむね1.65平方メートル以上」、また、「一つの支援の単位を構成する利用者の数は、おおむね40人以下」と定めています。しかしながらすべての育成センターにこの基準を適用すると多数の待機児童が発生することから、条例の付則で「この条例の施行の際現に存する放課後児童健全育成事業所についてはこれらの規定を当分の間適用しない」と定めています。従って条例が施行された平成27年度以降に施設整備計画を進め完成した育成センター以外は、旧来の基準で受入れをしている状況でございます。本市では、原則として4年生を受け入れてもこの条例の基準を当面満たすことができる育成センターから4年生受入れを実施しております。近年の利用児童数の増加を考えますと、実質的には新しく施設整備をした育成センターから4年生を受け入れているのが現状です。引き続き、施設整備と並行して民設放課後児童クラブ、放課後キッズルーム事業など放課後の過ごし方の選択肢を増やすことにより育成センターの利用児童数増加を緩和したいと考えています。また、今後も利用児童数推計を注視したうえで4年生受入れの考え方を整理し、全育成センターで4年生受入れが円滑かつ早期に実施できるよう取り組んでまいります。

 

C新4年生の利用希望者について、利用許可/不許可通知の時期を早めるために選考事務を見直すとともに、保護者に寄り添った案内を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
育成センターの利用許可に関することは指定管理者の業務となっておりますが、選考事務の期間については指定管理者と協議し、可能な範囲で短縮できるよう検討いたします。また、利用申請をした保護者がその後のスケジュールの見通しをつけやすくするため、申請書の表記をより分かりやすくするなど工夫したいと考えております。なお、待機になった場合の保護者への通知は指定管理者が丁寧に行っておりますが、民設放課後児童クラブや放課後キッズルーム事業の情報提供も含めて、よりきめ細かに行ってまいります。

 

 

■再質問

 

4年生受入の全校実施に関して「施設整備と並行して民設放課後児童クラブ、放課後キッズルーム事業など放課後の過ごし方の選択肢を増やす」とのご答弁がありました。そこで、放課後キッズルーム事業について再質問いたします。当該事業については、2019年度に高木北小学校・平木小学校で開始され、今年度には南甲子園・甲陽園・神原の3校が加わり、現在は5校で実施されています。本年3月10日の教育こども常任委員会所管事務報告において、毎年4校から5校程度導入したい、できるだけ全校実施を目指すという考えが示されていますが、その後の検討状況はいかがでしょうか。全校実施に向けた今後の見通しをお聞かせください。

 

〇答弁要旨〇
放課後キッズルーム事業は、子供の居場所づくり事業の新方式として実施しており、緩やかなルールの中で子供の自主性を重んじながら見守りを行う有意義な取組みであると考えております。また、留守家庭児童育成センターの待機児童対策にもつながるよう、運用を従来の方式から、より育成センターに近づけたものとしました。この新方式で、令和元年度に先行的に実施した平木小学校と高木北小学校では、新たな子供の遊びや学びを支える場として評価をいただくとともに、現時点で、両校ともに育成センターの待機児童が発生しておらず、一定の効果があったと考えております。一方、その効果は、育成センターの増設を抑制するまでには至っておらず、このままでは、当初見込んでいたほどの財政効果が得られない可能性があるため、事業の実施方法などさらなる検証の必要性を感じております。また、放課後キッズと育成センターとのより緊密な連携のあり方や、平成27年度から実施してきた市職員であるコーディネーターが学校に常駐して子供を見守る従来の「子供の居場所づくり事業」の取扱いなど、放課後キッズの導入を進めたことで市として整理すべき種々の課題が見えてきました。そこで、教育委員会としては、新方式である放課後キッズについてこのまま、毎年実施校を拡大させていくのではなく、一旦、令和3年度における拡大を控え、集中的に整理・検討を行い、放課後キッズを含む放課後施策全体の今後のあり方について改めて、しっかりと構築し直した上で、令和4年度に、新たなスタートを切ることが望ましいと考えているところであります。

 

 

■意見・要望

 

縷々お答えいただきましたが、結論としましては、令和3年度における拡大を控えて、施策全体を構築しなおすというご答弁でした。つい半年前に全校実施の意向を掲げていたことを思えば、これは大きな方針転換です。その理由については「検証の必要性」「整理すべき課題」ということで、あたかも財源の問題ではないかのようなご答弁でしたが、この表現には強い違和感を覚えます。そもそもたった1年のパイロット実施で効果を検証できるものではありませんし、実際このペーパー「教育こども常任委員会所管事務報告に対する追加報告」で、こう書かれてるんですよね。
「全校実施すると年間約5億円程度が必要となります。そのため、令和元年度の実施計画では毎年4〜5枚ずつ拡充する予定でありましたが、新型コロナウイルスの影響で財政状況の見通しが立たない中、一旦立ち止まり…」。
明らかに、財政上の問題と、当局ご自身が仰ってるわけです。今回のご答弁、論点をずらされてしまったなと受け止めております。

 

財源の問題なのであれば、これは「どの事業に、どれだけお金を使うのか」の決断であり、それは「政治判断」です。ご答弁は教育委員会から頂きましたが、市全体の政策マネジメントの問題です。だからこそ、「こういうところにこそ、お金を使わなくてどうするんですか?」と私は思っています。

 

私は、当該事業の全校実施について、強力に推し進めていただきたいと思っています。先日、南甲子園小学校の放課後キッズを見学させていただきましたが、子ども達が主体的に活動する場、育ちの機会を、コーディネーターやスタッフの方々が自然と見守る、非常に素晴らしい取り組みと感じました。育成センターの待機児童解消もさることながら、子どもたちの放課後の居場所を確保する点からも、非常に有意義な事業です。「文教住宅都市」を掲げ、「子育てするなら西宮」を謳う本市ならば、大幅な予算投入も含めて、子育て・教育分野の政策推進に励んでいただきたい。その点、強く要望しておきます。

 

そもそも国は「放課後クラブ運営指針」において、6年生までの受入を求めており、現在進めている育成センターの4年生受入を全校で実現したとしても、まだまだ遠く及びません。その中で放課後キッズを実施しないという選択肢は有り得ないと思いますし、育成センターにおいても、空枠のあるセンターでは4年生だけでなく5年生・6年生の受入を順次開始するべきです。また、今回の質問で用いた「定員数」はあくまで「最大定員」であり、国が求める「専用区画面積・一人あたり約1.65u以上」を満たさない水準です。コロナ対策として「3密回避」の必要性が高まっていることもふまえれば、一人あたりのスペース確保は急務であり、より多くの施設整備や選択肢の確保が求められます。待機児童がどうしても発生してしまう中では、本当に保育を必要とする方が入所できるよう、保護者の就労状況を厳密に確認するといった観点も欠かせません。以上を指摘しておきます。

安全な道路環境の実現

 

【2020年9月定例会 一般質問D】

 

本件については、3つの観点から質問を行います。

 

1点目は、地域居住者以外からの対策要望についてです。

 

まずは実例を2つお示しいたします。≪資料5-@≫樋ノ口町付近、武庫川パークロードと呼ばれる県道114号線の側道部分です。県道を北から走行してきた車が、その先の信号が赤になったことに気づく。そのまま直進すれば信号で待たなければならないため、@の箇所で右前方の側道へ進む。速いスピードで側道を下ってAを通過、Bへ上って側道側の信号が青のうちに県道に戻る。こうした信号回避のような走行をする車両が存在しています。本年8月、私は複数の曜日・時間帯において現地調査を行い、該当車両を実際に確認しています。道路構造上、Aは住宅街との出入りで速度を落とすことが想定される箇所で、ここを猛スピードで走行することは、極めて危険な行為です。

 

次の事例は場所は苦楽園二番町、苦楽園小学校と西宮北高校にはさまれた、長い坂道を下った箇所です。大通りではありませんが、車通勤や送り迎えによる朝夕の交通量の多さが特徴です。去る8月6日の午前7時〜9時に現地で通行量調査を行ったところ、下りのみで102台の車両通行が確認されました。県道82号線が渋滞しがちであるため、市街地に出るための抜け道的な利用も多い印象があります。坂の上から車で通行すると、資料中の地図に示したAの付近で歩道がなくなり、道幅が狭くなり、Bの急カーブに入ります。スピードを保ったまま当該箇所を通行する車両も多く、対向車や歩行者にとって非常に危険な状態が生まれています。特に雨天・凍結時はブレーキが利かない・スリップする等のリスクが高く、通学路でもあることから対策は急務です。

 

この2点に共通する課題は「お困りの方が必ずしも地域住民とは限らない」という点です。1つ目の事例では「Aを一旦停止もしくは直進不可とする」、2つ目の事例では「通学時間帯の通行禁止」等の対策が考えられますが、こうした規制は公安委員会の管轄であるため窓口は県警です。市民からの要望について、県警は「地域の総意が必要」というスタンスであり、私も県警に相談した際、そうした回答を受けたことがあります。交通規制は地域住民に大きな影響を与えるため、地元の合意形成は当然必要であり、県警のスタンス自体を否定することはできません。自治会長名義での要望書等が無いかぎり、県警に具体的な対応を求めるのは難しいのが現状です。地域の方のみが利用する生活道路や、その地域にお住まいの方がお困りの場合なら、自治会などの中で声を上げていくことができます。しかし、1つ目の事例で危険に晒されるのは、県道を利用する車であり、地域住民でない場合がほとんどです。2つ目の事例も、山手の住宅街でルートが限られているため、他のエリアにお住まいの方も多く利用します。そこで危険を感じ、なんとか解決してほしいと思ったとしても、その地域にお住まいの方でなければ、どのように声を上げれば良いのでしょうか。どんな人からのどんな要望でも、無条件に聞き入れろと言いたいわけではありません。しかし、通過交通や地域外の方についても、市には生命・安全を守る責任があると考えます。

 

市は、こうした方々からの相談を受けても、県警と同じように「地域の総意が必要」と回答しているのが現状のようです。しかし、お困りの方は、その手段がないからこそ、市に相談しているのです。せめて、市から地元自治会へ打診する、同様の声があがっていないのか確認する、といった、相談者に寄り添う対応が必要ではないでしょうか。例えば、地元の自治会では「この場所に柵の取付けを検討していますが、どうでしょうか?」といった相談を、道路補修課から受けることがあります。部署は違っても、同じように市から地元へ主体的なアプローチを行うことは可能なはずです。交通規制を取り扱う県が厳格な姿勢を示すのは当然ですが、市に求められるのは県と同じ対応ではなく、市民の困りごとと県の考え方を調整し、主体的に状況の改善に取り組むことです。

 

続いて、自転車利用環境改善計画についてお伺いします。
自転車は環境にもやさしく、幅広く利用されている交通手段ですが、重大事故の危険性や放置自転車の存在が長年問題視されています。国においてガイドライン等が示される中、このたび市が自転車利用環境改善計画を策定したことは前向きに評価しています。≪資料5-A≫計画の中でも「通行空間の整備」において、自転車ネットワークを形成し、主要な路線で自転車道の新設や歩道内通行部分指定等の対策を進めることに異論は有りません。一方で、生活道路については、より踏み込んだ対策が必要だと考えます。計画では生活道路について「必要と考えられる場所では、路面表示や注意喚起看板等を設置」としていますが、その設置場所については「過去3年以内に人身事故が発生した場所」に限定するかのような記載がなされています。市民の生命・安全を守るには、事故が発生してからの設置では遅すぎます。危険な箇所を最もよく把握しているのは、その地域にお住いの皆さんです。市は「事故があったら」「要望があったら」という受け身の姿勢ではなく、自治会・青愛協等にヒアリングを行うなど、本当に対策が必要な箇所を積極的に洗い出すべきです。また、看板・路面標示についても、計画で示されたデザインは「事故注意」「事故多し」の2つにとどまりますが、他市では「とまれ」や自転車の走行位置・方向を示す矢羽根等の表示も用いられています。注意喚起は、それぞれの箇所の実情に応じた内容で行うことが重要です。生活道路は子ども達やお年寄りの方も多い空間であり、こうした場所にこそきめ細やかな対応が求められると考えます。

 

最後に、通学路の安全対策についてお伺いします。
日本不審者情報センターの調べによると、2019年度、西宮市内では239件の不審者事案が報告されています。市と関係機関で構成する西宮市通学路安全推進会議では「西宮市通学路交通安全プログラム」を策定し、合同点検の実施等に取り組まれていますが、不審者事案については、道路環境の整備・改良だけで対応できるものではありません。

 

≪資料5-B≫に示した箇所は、地元では「里道」と呼ばれる苦楽園小学校の通学路で、角石町から苦楽園二番町を結ぶ約450メートルの階段道です。山林の中の一本道で、両側にはフェンスが設置されています。大人の足でも端から端まで歩くには5分以上かかり、見通しも良くないため、私が小学校に通っていた頃から不審者の情報をよく耳にしていました。近年、防犯カメラの設置や警備員の配置等、一定の対策は取られてきましたが、子ども達が防犯ブザーを鳴らしても、聞こえる範囲に住宅は有りません。防犯カメラや注意喚起看板は抑止力にはなっても、実際に起きてしまった犯罪をやめさせることはできないのです。通称・里道については、さらに踏み込んだ対策が必要と考えます。

 

例えば、通報ボタンや防犯カメラを備え付けたスーパー防犯灯では、緊急時にはインターホンで警察と直接通話できるうえ、赤色回転灯とサイレンで周囲に緊急事態の発生を伝えることができます。また、近年ではIoT等に関する技術の発展が目覚ましく、児童が持ち歩く端末から位置情報を測定し、緊急時に警察や地域の協力者が駆けつけるといったサービスも展開されています。いずれも誤報のリスクや導入コスト等の課題は有るものの、里道のような特に危険な箇所では、積極的に導入の検討を進めるべきと考えます。市内では、各所で多くの保護者や地域の方々が見守り活動に取り組んでくださっていますが、共働き世帯の増加や地域活動を担う方々の高齢化等も有り、少しずつ活動の継続が困難になっているという状況もお聞きしています。既に各校で活用されている「ミマモルメ」との連動なども含めて、通学路の安全対策については、新たな手法を取り入れるべき時期にきているのではないでしょうか。

 

以上をふまえ、3点質問します。

 

@交通安全対策について、当該地域に居住する方以外からの要望であっても、市は積極的かつ具体的な対応を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

〇答弁要旨〇
交通安全対策に関して、市民の皆様から寄せられる要望への対応としては、道路管理者だけで対応可能なものと、交通規制の変更など、公安委員会としての対応が必要な場合がございます。交通規制の変更を行う場合、「一方通行」など、地域住民への影響が大きいものについては、通常は地元自治会等からの要望書を添えて、市から所轄警察署を通じて、公安委員会に要望することとしておりますが、地域の交通利便性に大きな影響を与えない「一旦停止」などについては、必ずしも地元要望がなくても所轄警察署と協議を行っております。ご指摘の「地域以外の道路の利用者からの要望」のうち、交通規制の変更が伴わないものについては、今後も、市が現地の道路及び交通状況等を確認した上で、有効な安全対策を講じることが可能な場合には、所轄の警察署と連携して実施してまいります。また、交通規制の変更を伴う、地域住民への影響が大きい交通安全対策については、地元自治会等に理解を求めるなどの働きかけを行いながら、所轄の警察署と連携して実施してまいります。

 

A自転車利用環境改善計画の実施にあたっては、地域住民の声を積極的にお聞きし、過去に事故が発生した箇所や事例で示された注意喚起に限定せず、各地域で本当に必要とされる対策を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

〇答弁要旨〇
市では、本年7月に安全・安心で快適な自転車利用の環境の実現に向け、自転車道の整備などのハード対策や自転車運転マナー向上などのソフト対策について、今後の取り組み方針を取りまとめた「自転車利用環境改善計画」を策定いたしました。この計画では、生活道路の安全対策として、事故の多い交差点などで、新たなデザインの注意喚起の設置や自転車ストップマークの路面標示などの交通安全対策を行うこととしております。今後、これらの対策を実施するにあたっては、教育委員会、国・県・市の道路管理者、所轄警察署が、小学校区ごとに実施している「通学路合同点検」などの機会をとらえ、地域の皆さまに、日頃危険と感じている場所や注意喚起サインを設置する際の表示内容等について、広くご意見をお聞きしながら、地域の実情に即した安全対策を進めてまいります。

 

B苦楽園小学校の通学路である通称・里道について、さらなる安全対策の実施が必要と考えますが、教育委員会の見解をお聞かせください。

〇答弁要旨〇
昭和49年、大社中学校のマンモス校化を解消するために、苦楽園中学校が開校されました。当時は、県道82号線の歩道を利用し、通学していましたが、交通量が多いことなど安全の確保が必要なことから、昭和51年に、角石町内の国有林や民有地等を利用し、苦楽園中学校への専用通路を設置しました。その後、この通路を苦楽園小学校が、ご指摘の通学路に指定して現在に至っています。不審者対応のための防犯対策としましては、当該通学路に照明灯を設置し、下校時間や育成センターの閉所時間には警備員を配置しました。また、平成29年度には、防犯カメラを当該通学路の北側に、令和元年度には南側に、それぞれ1台ずつ設置しました。このほか従来からの対策として、学校から児童生徒に、1人で下校することを避けるよう指導するなど、継続した対策を実施していますが、教育委員会といたしましても安全面の確保にはまだ課題があると認識しています。IoTを含めた取り組みは、子供たちの危機をいち早く把握できるしくみとして、護者の安心感につながるとともに、子供の安全確保に有効な対策の一つであり、犯罪の抑止力としての効果を発揮することも考えられます。しかしながら、議員ご指摘の誤報のリスクや、導入コストなどの課題のほか、人通りが比較的多い地域や、本市と比べ面積的に小規模で起伏の少ない地域では、一定の効果が期待できるものの、当該通学路における有効性については十分な検証が必要と考えています。児童にとって、より安全で安心な通学路の確保は、重要な課題と認識しています。これまでの取り組み以外にも、IoTを活用した子供の見守りなど、地域の実情にもよりますが、様々な手法の研究・検討は必要であると考えています。苦楽園の当該通学路につきましても、今後も学校や地域との協議を重ね、安全性の向上に努めて参ります。

 

 

■意見・要望

 

住民からの対策要望については、地域居住者以外の方であっても市として取り組む姿勢をお示しいただきました。是非、今回取り上げた樋ノ口町・苦楽園二番町の案件についても、積極的に課題の解消に努めていただくよう要望します。

 

自転車の安全対策については、地域の意見を聞きながら、地域の実情に即した対策を進めるとのことでした。生活道路における対策はとりわけ重要と思っておりますので、ご答弁の通り進めてください。

 

里道の安全対策については、学校・地域との協議を重ね、安全性の向上に努めていただけるとのことでした。質問中で取り上げたような新たな技術については、もちろん課題の検証が必要ですし、導入すること自体が目的ではありませんが、近年は様々な機器やサービスが日々展開されています。そうした情報収集には意識的に取り組んでいただき、有効性の確認できる取り組みについては、里道以外の危険箇所も含めて、是非前向きな検討をお願いしたいと思っています。

 

道路環境に関する課題は、費用や優先順位、地元の合意等、様々な要素から、すぐに対応できるものばかりでないことは理解しています。一方で、地域の方々にとっては非常に身近で、関心の強い課題であることも事実であり、私たち議員のもとにも様々なご相談が寄せられます。そうした中から本日は3つの観点で質疑を行いましたが、今後も安全な道路環境の実現については、状況を注視するとともに、必要な提言を続けてまいります。