西宮市議会議員 ≪無所属・35才≫

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【2025年3月定例会 代表質問】

■冒頭

私たち会派・ぜんしんは、現在の市政運営について、重大な懸念を抱いています。少子高齢化や公共施設の老朽化等の影響で、財政状況が厳しくなることは誰の目にも明らかでしたが、本市は高すぎる水準の人件費をはじめ、経常経費の抑制に、十分には取り組んできませんでした。本格的な改革を先送りし続けた結果、この度の深刻な財政危機を迎えているわけですが、令和7年度施政方針や当初予算案の内容は、総じて危機感を欠き、具体的な成果を期待できないものでした。本日の代表質問では、そうした市長ならびに市当局の取り組み姿勢、特に重要な課題、確認しておくべき事項について、9分野・20項目を取り上げます。

■「はじめに」について

(質問1)

令和4年度決算で多額の実質単年度赤字を計上し、基金の取り崩しが常態化していく状況をふまえ、本市は財政構造改善の取り組みを開始しました。その内容については、議会全体からあらゆる指摘・意見が寄せられているところですが、まずは代表質問の冒頭、財政構造改善に対する市長の認識を質したいと思います。

我が会派は、本市の財政状況が極めて厳しいという認識に立ち、かねてより財政改善に向けた具体的な施策を提言し続けてきました。しかしながら、市がそれらの課題に正面から向き合わず、この度の事態を招いたことを、極めて遺憾に思います。市長が就任された平成30年度から、実質的な赤字は継続しています。令和2年から開始された行政経営改革においても、財源捻出を目指すべきでは、と議会から再三指摘されたにもかかわらず、あくまでも行政運営の体質改善が目的であるとして、具体的な数値目標の設定を避けました。結果として本市は年間約40億円の収支不足に陥り、当局は行政経営改革を「十分な効果を上げるまでには至っていない」として、その失敗を認めています。

財政構造改善の取り組みには、市民サービスの低下に直結する事務事業の見直し等が多数挙げられており、多くの市民が不満を抱いています。市職員に対しても、市長が突如「職員を200名削減し、人件費を年間20億円以上抑制する」という方針を表明したり、大幅な事務事業の見直し・歳出カットを求めたりと、大きな混乱を生じさせました。そこで質問します。市長就任以来、赤字体質にある財政状況の改善を果たせず、市民や職員に多大な負担を強いていることに対する認識と、市長の責任についてご見解をお聞かせください。

(質問2)

続いて、市長は令和7年度施政方針において「文教住宅都市としての価値を保ち、選ばれ、住み続けていただく、そしてこのまちに住むことで誇りと憩いを感じていただけるまちであり続けることを目指す」と宣言されました。しかし、実際には、財政構造改善の取り組みもあって、市民サービスの水準はむしろ低下の一途です。基本的な考えとして、他市より高い水準のサービスを見直すとしていますが、それなら同時に、他市より水準の低いサービスは、同等まで引き上げる必要があるのではないでしょうか。サービスをカットするだけで、「文教住宅都市としての価値」を保てるはずがありません。市長任期の実質最終年度を迎えるこのタイミングにおいても、100項目を掲げた公約のうち、達成を見込めない項目が複数存在しています。「誇りと憩いを感じていただけるまち」の実現は、現実的には厳しいと言わざるを得ません。この施政方針と現実との大きな乖離に対する市長の評価をお聞かせください。

(答弁1)

「はじめに」についてのご質問のうち、まず、「財政状況に対する私の認識と責任」についてお答えいたします。
本市の財政状況については、令和元年度普通会計決算において、実質単年度収支が大幅な赤字となり、強い危機感を持つことになりましたが、当時はコロナ禍というこれまでに経験したことのない未曽有の危機が起こっており、市はその対応に注力せざるを得ない状況が続いておりました。
また、コロナ禍の影響もあり、地方交付税が手厚く配分されるなどして、本市の財政が赤字基調になっていることが分かりにくい状況になっていました。
そのような中、令和4年度決算では再び赤字に転じることとなり、このままの財政運営を続けると、いずれは立ち行かなくなることが明らかとなったことから、一時的な財政対策ではなく、財政構造そのものを強力に変えていく必要があると認識したものです。
これまでの財政運営を振り返ると、新規・拡充事業の要求に対して、それに見合った事業見直しが十分にできておらず、歳出削減の観点からの仕組みが十分ではなかったと考えております。
このような状況から脱却するため、収支均衡を目標に、まずは内部経費である人件費の抑制や内部事務経費の適正化を、さらには既存事業の見直しなどの取組を進め、先般、その具体の計画である「財政構造改善実施計画」を策定いたしました。
この実施計画の中には、市民のみなさまに痛みを伴うような見直しも含まれており、また職員に対しては給与制度の見直しなど、負担を強いることになりますが、将来の西宮をつくっていくためには必要な取組であり、不退転の決意で取り組む考えでございます。
また、計画の素案に対し、パブリックコメントなどで市民等のみなさまから寄せられたご意見については、真摯に受け止め、持続可能な行財政運営の実現、さらには本市の魅力と価値を向上させていくことが、私の課せられた大きな責務であると考えております。

(答弁2)

本市では、市民のみなさんに住んでいて誇りと憩いを感じていただけるよう、各種施策に取り組んでおり、その結果、各種調査においても「住みたいまち」としての高い評価をいただいております。「誇りと憩いを感じていただけるまち」の実現に向けては、まだまだやるべきことも多く、十分とは言えない部分もありますが、引き続き実現を目指して取組を進めてまいります。

(意見1・2)

財政構造改善が必要な状況を招いたことに対する認識と、責任について伺ったんですけど、ご自身の責任だとはおっしゃらないんですね。政治家として、人として、大先輩である石井市長にこのようなことを申し上げるのは僭越ですけれども、リーダーに求められるのは、全ての結果に対して責任を負う姿勢だと思いますよ。なぜ一言、「このような事態を招いたのは私の責任だ、申し訳ない」と言えないんでしょうか。何よりもその点を残念に思います。
赤字体質の要因を作ったのは、市長ご就任前の行政運営かもしれません。新型コロナへの対応に手を取られたことも理解しています。でも、就任当初から、本格的に財政改革に取り組んでいれば、ここまで危機的な状況を招くことはありませんでした。そのための具体策も提案し続けていた会派として、市長の認識の甘さ、危機感の低さが、市民や職員に多大な負担を強いることとなった最大の要因であると、改めて、申し上げておきます。

2点目の質問に対する答弁では、「各種施策に取り組んでおり、その結果、住みたいまちとしての高い評価をいただいており」という表現がありました。あんまり揚げ足を取るようなことは言いたくないんですけど、私はこの部分に、大きな違和感を覚えます。本市が住みたい街として評価されているのは、大阪や神戸に近い立地条件や、山と海に囲まれた自然環境といった所与の条件に、鉄道事業者をはじめとする民間企業がまちづくりを進めてきた賜物で、市役所が「各種施策に取り組んだ結果」ではないと私は思っています。もちろん行政による成果がゼロだとは言いませんけど、こういうところに、自己評価の甘さ、あるいは自らを批判的に検証する姿勢の欠如を感じています。
理想のまちを実現するための取り組みは、予算案では新規・拡充事業として示されるわけですが、その取捨選択にも疑問があります。今って、財政構造改善の中で、障害のある方の水道料金の減免制度を見直すといった取り組みを進めようとしているわけじゃないですか。公園のリニューアルだって、お金が無いから遅れているわけじゃないですか。その中で、新規施策として盛り込まれた、養育費の確保のための強制執行申し立てにかかる費用補助を、どうしても今回導入しないといけませんかね。この事業の意味がないって言っているわけじゃないですよ、優先順位としていかがなものか、ということです。これって、市長の公約だからじゃないんですか?市長が令和4年の市長選挙時に掲げた「西宮の未来政策集」の9番に「養育費の確保のため総合的な支援を行います」って書いてあるんです。この項目の達成状況を○にしたい、という思いが見え隠れするんですね。もちろん、民意で選ばれた市長の公約は、重みのあるものだと理解しています。しかしながら、それは政策の取捨選択において最上位の判断基準ではありません。意思決定にあたっては、客観的かつ合理的な説明ができることを何より重視していただきたいと思います。

市長公約以外でも、防災アプリの開発に4,800万円とか、観光協会がホームページをリニューアルするのに、3年間で500万円も投じるとか。観光協会の件は、予算関連書類に記載がないので、初耳の方も多いと思いますが。全体のバランスの中で、ちぐはぐさを感じる部分が非常に多いんですね。予算編成方針で「新規事業や既存事業の拡充は、原則認めない」と明記したこととの整合性にも疑問があります。事の軽重を間違うことがないよう強く指摘し、行政改革に関する他のテーマは「Ⅵ 政策推進」の章に譲るとして、一旦は個別の論点に移ります。

■「Ⅰ 住環境・自然環境」について

(質問3)

中央図書館は阪神西宮駅北側地区への移転整備が計画されています。現在の中央図書館が存在する教育文化センターは、本庁舎周辺公共施設再整備構想において、郷土資料館の拡充と一部貸付を検討とされています。施設総量を削減する公共施設マネジメントの観点からは、移転に伴って従前の施設を縮減するのが当然ですが、示された構想では、逆に延床面積が増大するのではと懸念しています。有利な条件で売却・賃貸するには、土地・建物全体での活用が望ましいものの、郷土資料館等を現地で存続させるのなら、それは困難です。そこでお伺いします。中央図書館跡の土地・建物については、できる限り経済的なメリットを生む形で活用するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

(質問4)

続いて、改良住宅の建て替え・再整備についてお伺いします。阪急西宮北口駅・JR西宮駅周辺には1,718戸の改良住宅が存在し、同地区のコミュニティ住宅207戸、店舗205戸とあわせ、本市の市営住宅のうち大きな割合を占めています。市全体で管理戸数を縮減するには、これらの集約・廃止が大きなポイントとなります。改良住宅は家賃体系などが普通市営住宅と異なるため、再整備にあたっては制度設計の見直しも必要です。また、当該エリアは交通利便性などに優れた本市の都市核であり、民間企業による開発も含めたまちづくりの観点が欠かせません。改良住宅の建て替え・再整備は間違いなく、今後の市政運営における最重要課題の一つと言えます。
我が会派は、平成29年の代表質問でこの課題を取り上げ、当時の都市局長が「旧耐震住棟から新耐震住棟への移転を促す住み替え制度の確立に取り組む」と答弁しましたが、住宅部に入居・家賃制度設計担当が設けられたのは6年経った令和5年4月のことでした。その人員体制がわずか4人で、執務スペースも極めて狭いことは、我が会派の草加議員が、本会議や建設常任委員会、予算・決算特別委員会などの場で繰り返し指摘し、対応を求めてきました。その中で、組織体制については令和7年度を目標に強化するとの答弁があり、具体的な内容を示すべき時期にきています。執務スペースについては一定確保されましたが、本格的な事業実施に向けては、まだまだ十分とは言えません。そこでお伺いします。改良住宅の建て替え・再整備を推進するための体制構築について、令和7年度からの具体的な内容と、長期的なビジョンをお聞かせください。また、体制の拡充にあたっては、都市局の中だけで人員を融通するのではなく、全庁的な取り組みが必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。

(答弁3)

中央図書館が阪神西宮駅北地区へ移転した後の土地・建物についてお答えします。本庁舎周辺公共施設再整備構想(素案)は、2050年を目標年次として、市役所本庁舎周辺における公共施設の再編・集約とあわせて、多様化する行政ニーズに応えた中長期的まちづくりの方向をお示しするために、2019年に公表したものです。この再整備構想では、2019年時点で約79,000㎡あった本庁舎を中心とした庁舎系施設の総床面積を、2050年までに74,000㎡へと、約5,000㎡縮減する手順を段階的に示しており、中央図書館移転後の教育文化センターについては、第6次総合計画期間後期以降に建設する新本庁舎内に移転し、それまでの間は郷土資料館の拡充と一部貸付けを検討することとしています。 
 この間、市の保有する施設の総床面積は一時的に増えることになりますが、2050年には教育文化センター機能は新本庁舎内に移転し、現地に市が保有する施設はなくなります。市の保有する資産は市民の財産であり、市民にとって最も有効に活用されるべきであることは論を俟ちません。加えて、現在進めている財政構造改善の観点からも、できる限り経済的なメリットをもたらす活用方法を検討することは重要であると考えています。中央図書館移転後の土地・建物につきましては、最終的に新本庁舎が完成し、教育文化センター機能が集約された後での土地建物一体としての利活用だけではなく、新本庁舎が建設されるまでの間の暫定的な利活用についても、民間への貸付けなど、経済的メリットが得られるよう、様々な観点から検討を進めてまいります。

 

(答弁4)

今年度より、昭和56年以前の耐震基準によって建設された「旧耐震基準」の住宅にお住いの方々の不安を解消するという観点から、旧耐震基準の住宅から新耐震基準の住宅への住替え事業を始めております。令和7年度には、引き続きこの事業を続けながら、今後の再整備に向けて、改良住宅の入居条件や家賃などに関する現行制度の課題を整理したうえで、新たな制度を構築していきたいと考えております。そのために、改良住宅事業を所掌する新たな部長級職員を配置するとともに、現状、担当課長一人が所掌する、住み替え事業に関する業務と、入居・家賃制度を含めた改良住宅の在り方の制度設計に関する業務を分離して、住替事業担当と入居・家賃制度設計担当の2課体制に拡充する予定で庁内の調整を進めています。一方、建て替え・再整備については、改良住宅群のうち、中須佐町7号棟を含めた5棟が旧耐震基準の住宅であり、それらの住棟は建て替え・再整備を進める方針としております。今後の予定としましては、これらの旧耐震基準の住宅が一般的な住宅施設の耐用年数を迎える時期を見越した第6次総合計画期間内の早い段階で、JR西宮駅北側区域全体のまちづくりの展望や、今後の人口動向、市の財政状況なども踏まえた長期的な再整備の青写真を作成したいと考えております。そのため、再整備の青写真をお示しできる時期までには、令和7年度に拡充する予定である組織に、地区再整備担当の課を加えて、建て替えや再整備の中心的な業務を担う組織体制を構築したいと考えており、今後も事業や取組の進捗に応じて、継続的に体制の強化・拡充を図る考えでございます。

改良住宅の建て替え・再整備については、市の重要施策の一つとして、今後とも継続的に組織体制の強化が必要であると認識しております。その組織体制の強化を進める際には、庁内全体の人員配置の計画と整合を図りつつ、他の重要施策とのバランスにも配慮しながら、都市局内だけでなく全庁的な取組として、事業の進捗にあわせた組織の強化・拡充を図っていく考えでございます。

(意見3)

中央図書館移転後の土地・建物について「できる限り経済的なメリットをもたらす活用方法を検討することは重要」と明言していただきました。是非、その考えに基づいて、活用方法の検討を進めてください。段階的な移転に伴い建物の一部のみを利活用する時期があるため、土地・建物をまとめて売却したり貸し付けたりする場合に比べ、条件の整理は難しいものと思われます。また、市全体の公共施設の再配置にあたっては、様々な観点での意見が寄せられると考えられます。それでも、4,000㎡を超え、利便性や周辺環境にも優れたこの土地は非常に資産性が高く、経済的なメリットを最も重視するべきです。今後の進展を注意深く見守っていくことといたします。

(意見4)

改良住宅の建て替え・再整備については、令和7年度の体制と、今後の強化・拡充について答弁がありました。事業の重要度や緊急性、難度に相応しい組織の構築を強く求めるとともに、詳細については予算特別委員会等の場で引き続き問題提起してまいります。

■「Ⅱ 子供・教育」について

(質問5)

市は令和5年3月に「西宮市幼児教育・保育のあり方」を策定し、公立保育所・幼稚園については、認定こども園への集約を図りながら、規模を縮小していく方針が示されました。私立園との共存や、就学前児童の大幅な減少をふまえれば、方向性は妥当なものと考えており、引き続き、関係者や地域と丁寧な協議を重ねつつ、取組を進めていただきたいと思います。

あり方の中では「公立園の再編によって生み出された経営資源は、今後必要となる子ども・教育施策へ優先的に活用する。」との考えが示されました。この方針があるからこそ、関係者の方々からも、一連の取り組みについて一定の理解を得られたのではないでしょうか。公立園の土地を売却した利益や、運営費の削減額は大きく、財政構造改善の効果額にも含められていますが、そもそもこの取り組みは財政構造改善が始まるより前に、別の議論として進められてきたものです。生み出された経営資源をどのような施策へ優先的に活用するのか、具体的な内容をお聞かせください。

(質問6)

続いて、保育所待機児童対策については、長年、市政における最重要課題の一つであり続けてきました。4月1日時点の待機児童数は、令和2年が345人、令和3年は全国ワーストの182人、令和4年・5年は50人台でしたが、令和6年には再び増加に転じ121人となりました。就学前児童数は減少しているものの、保育需要率は依然として伸び続けており、今後も待機児童の発生が懸念されます。本市の待機児童の状況は、1歳児・2歳児に集中していること、地域による差が大きいことが特徴として挙げられます。0~2歳児を対象とした地域型保育事業所の整備はもちろん、特に受入枠が不足する地域では認可保育所も必要と考えられます。そこでお伺いします。令和7年4月の保育所待機児童の発生見込みについてお聞かせください。需給予測を見極めながらも、年齢・地域を限定した形での保育施設整備は引き続き必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。

(質問7)

続いて、公立保育所の民間移管について。ここまで述べた通り、本市は現在、公立保育所の受入枠を縮小しつつ、待機児童対策を進めているわけですが、待機児童対策を理由に公立保育所を存続させようという論調があることに、強い懸念を抱いています。なぜなら、公立保育所の民間移管は、平成19年に示された民間移管計画以降、約20年間にわたって議論や折衝を重ねた取組であり、目先の状況だけで、簡単に方針を転換してよいものではないからです。特に、本市は民間移管にあたり、公立園の近くに民間の保育所を先行整備し、待機児童の減少にあわせて公立園を閉園する、という形式を取っています。対象の3園についてはようやく閉園時期が示されたもので、これ以上の延長は、先行して整備した私立保育所との関係性にも影響しますし、これらの公立園は閉園を前提としていたわけですから、そのまま使用し続けるには、大規模修繕などが必要となります。我が会派は長年にわたり、補助額の4分の3を国・県が支出する民間保育所に比べて、市立保育所の運営は市の費用負担が重すぎること、民間保育所の方が延長保育などのサービスが充実している傾向にあること、公立保育所の現場で人員不足の課題が生じていることなどを理由に、公立保育所の民間移管を主張し続けてきました。保育所民間移管計画で定められた公立保育所3園の閉園は、予定通り進めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

(質問8)

次に、不登校児童生徒の居場所や教育課程として注目を集める学びの多様化学校について、施政方針では設置に向けた検討を進めるとのことでした。設置により期待される効果と、必要な財源・人員、整備場所の候補についてお聞かせください。

(答弁5)

西宮市幼児教育・保育のあり方に基づく、アクションプランパート3では、今後の幼児教育・保育施策として、幼児教育・保育センターの設置、誰一人取り残さないための取組、全市がつながる取組などを掲げております。公立園の再編によって生み出した人材・財源を活用する取組の一つとして、令和7年度は、幼児教育・保育センターの設置、特別支援教育・保育の拡充に取り組みます。まず、幼児教育・保育センターにつきましては、公立、私立、幼稚園、保育所を問わず、本市全体の幼児教育・保育の質を向上させるための中核的な拠点として、設置します。幼児教育・保育センターでは、こども支援局、教育委員会の複数の課にわたる、研修・研究事業、小学校との連携事業、特別支援教育・保育などの業務を集約するほか、各園に幼児教育・保育分野における専門家を派遣するなど、新規事業にも取り組んでまいります。また、特別支援教育・保育の拡充として、支援が必要な子供を受け入れる私立幼稚園に対し、新たに加配職員を配置するための人件費補助を行います。小学校就学前の5歳児の多くが私立幼稚園に通われている中、私立幼稚園との連携を強化することで、市全体の教育・保育の質向上につなげてまいります。

(答弁6)

令和7年4月入所の1次申込者数は3,206名で、令和6年4月の1次申込者数から128名減少となりました。また、1次申込いただいた方のうち利用が決まらなかった利用保留者数は1,185名で、令和6年4月の利用保留者数から187名減少となりましたが、1,000名を超える方について入所が決まらなかったという状況となっています。その後の2次申込の利用調整結果や申込取り下げ等の状況により、令和7年4月の待機児童数が確定するため、現時点ではっきりとした見込みを申し上げることはできませんが、議員ご指摘のとおり、保育需要の高い地域や年齢層等を見極めながら、効果的な対策を講じてまいりたいと考えております。

(答弁7)

保育所民間移管計画(案)でお示しした民間移管対象3園につきましては、既に令和8年度末での閉園を決定していた今津文協保育所に加え、令和5年3月に策定した西宮市幼児教育・保育のあり方において、残りの2園についても令和12年度末をもって閉園を完了することを公表しています。令和5年5月には、鳴尾北保育所を令和11年度末、朝日愛児館を令和12年度末で閉園することとし、在園の保護者に対する説明会や入所申込者への周知も行っており、閉園に向けて予定通り進めてまいります。

(答弁8)

学びの多様化学校の設置の目的は、不登校児童生徒の個々の状況に応じた、誰一人取り残されない多様な学びを保障することです。学びの多様化学校で得られた成果は、他の学校に還元していくことも期待でき、すべての学校にとっても意味のある設置になると考えております。現在、教育委員会では、不登校対策全体の課題を検討する中で、その設置も含めて研究を進めているところです。学校形態としましては、主に廃校など学校設備をそのまま活用する「学校型」、一般の小・中学校を母体とする本校を持ち、一部の学級のみを学びの多様化学校に指定する「分教室型」、その他「分校型」などがあります。設置する上での必要な予算については、学校の形態、学校規模、大きな改修が必要な場合や既存施設をほぼそのまま使用できる場合などにより、様々です。先行事例を見ますと、「分教室型」や「分校型」では数百万円から数千万円程度の例があり、「学校型」では、数千万円から億単位の費用を要する例があるなど、条件によって大きく異なります。本市としましては、予算面を十分に考慮し、学校の形態、人員、整備場所の候補についての検討も、先行事例の研究や視察等も行いながら、スピード感を持って進めてまいります。

(意見5)

ご答弁ありがとうございました。幼保再編に関する一連の取り組みにおいて、私は担当部署の実行力を高く評価しています。様々な立場や想い、利害が絡み合う難しい課題にもかかわらず、労使交渉も含む厳しい協議を重ねた結果、短期間でアクションプランの策定や公立認定こども園の開園まで実現させました。その成果として生み出された人員や財源を、一定、同じ子育て分野で活用するのは、当然の考え方ではないでしょうか。一般論としても、行政改革の中で、各部署が積極的に人員や財源を捻出するためには、その部署や職員に対して何らかのインセンティブを与えることが効果的です。答弁では活用先として、幼児教育・保育センターの設置、特別支援教育・保育の拡充が述べられましたが、その一方で、私立幼稚園に対する教育振興補助金の廃止が予定されるなど、逆行する動きがあることには懸念を抱いています。本市の子どもたちが健やかに育つための環境づくりに、十分な予算が配分されることを要望します。

(意見6)

待機児童については、「保育需要の高い地域や年齢層等を見極めながら、効果的な対策を講じる」とのことでした。就学前児童の人数が減っても、保育需要率が伸びてきたため、本市の利用申込者数はこれまで増え続けてきました。この度、1次申込者数が減少に転じたとのことですが、人数の動向については注意深く見守る必要があります。全国的に、保育所の需要がピークアウトしていく傾向とはいえ、本市では定員を上回る人数を受け入れる弾力運用が多く行われていますし、年度途中に発生する待機児童も多いのが実情です。こども誰でも通園制度など、従来とは異なるニーズも見られることをふまえると、本市では当面の間、「子どもの数が減って、保育所が大幅に余る」という事態は生じにくいと考えています。地域・年齢をある程度限定した形にはなるものの、保育施設の整備には引き続き取り組むことを要望しておきます。また、私たちはこれまで、保育施設の整備以外にも様々な施策を提案してきました。認可保育所の年齢別定員の見直しや、送迎保育事業の拡充、保育士確保に対する支援策など、多角的な取り組みを求めておきます。

(意見7)

私たちは、こうした待機児童対策の充実を前提に、公立保育所の民間移管を進めるべきという立場です。既に対象とされている3園については、予定通り閉園するとの答弁で安心しました。あわせて、他の公立保育所についても、民間移管を検討するよう要望します。今後の児童数の減少を見据え、公立保育所が需給調整機能を担うという考えも一定理解はしておりますが、長期間にわたって高コスト体質の公立園を運営し続ける必要性は薄く、今後の課題として指摘しておきます。

(意見8)

学びの多様化学校については、設置も含めて研究しているという状況で、「学校型」か「分教室型」といった種別もまだ決まっていない段階と分かりました。不登校児童・生徒の支援は重要な課題と認識しておりますし、そこに一定の人員・予算を投入することにも異論はありません。一方で、先進事例では億単位の経費を要したところもあるということで、当然、財源の捻出はどうするんだという課題があります。整備手法も決まっていない中で、人員や場所についての具体的な回答はありませんでした。藤岡教育長は不登校児童・生徒の支援を重点的な施策の一つに掲げられていたと記憶していますが、教育長の任期はあと1年です。その間で、具体的な成果や進捗が見られるのか、懸念を抱いております。本件のみならず、教育長が目指すものについては、我が会派の菅野議員が一般質問で取り上げる予定としておりますので、そちらでの議論に委ねたいと思います。

■「Ⅲ 福祉・健康・共生」について

(質問・意見9)

ご年配の方や障害のある方をはじめ、すべての市民が安心して暮らせるまちづくりは、行政の果たすべき極めて重要な責務です。高齢化が進行する中、福祉分野の歳出は今後も大きく伸びることが確実視されています。我が会派が厳しく行政改革を提言し続けているのは、こうした絶対に必要な施策に投じる財源や人員を、確保するためにほかなりません。

私たちがこれまで力を入れて提言してきた施策の一つが、介護予防や高齢者の外出支援です。高齢者の社会参加を促し、健康寿命を延伸する取り組みは、お一人おひとりの人生を充実させるだけでなく、医療費や介護給付費の伸びを抑制することにもつながります。本市では令和3年10月から健康ポイント事業が開始されましたが、財政構造改善による事業見直しの一環として令和6年9月をもって中断、事実上の終了となりました。今後の事業実施についてお伺いする予定でしたが、昨日の啓誠会・坂本議員の代表質問で同趣旨の質問がございましたので、そちらをふまえて、意見・要望のみ申し上げます。

昨日の答弁では専門家を交えた事業評価委員会を立ち上げて分析し、本年秋ごろには新たな事業について示すということで、現在の進捗状況については理解をしました。健康づくりの重要性は言うまでもありませんが、私は必ずしも健康ポイント事業やそれに類似する施策が、最善の手法だとは考えていません。財政構造改善の取り組みの中で中断したとだけあって、事業規模は小さくなるのかもしれませんが、先行事例の研究も含めて、取組の有効性をできるだけ数値的な根拠をふまえて検証し、新たな事業へとつなげることを要望します。

■「Ⅳ 都市の魅力・産業」について①

(質問10)

アミティ・ベイコムホール(以下、アミティホール)は、本市の基幹的な市立ホールで、各種式典や学校行事、コンサート、発表会、コンクールなどに利用されています。建設されたのは昭和42年で、既に築57年目を迎えています。令和元年の本庁舎周辺再整備構想では阪神西宮駅北地区への移転が掲げられましたが、令和4年11月の見直しにより、現在の場所で本庁舎とあわせて建て替える方針へと転換しました。その時期は6次総後期以降ということですから、早くて9年後、実際にはさらに先の時期の整備となることが予想されます。

そのアミティホールで、昨年末以降、重大な不具合が生じています。舞台上の音響反射板のうち1枚が使えない状態となり、入れ替えが手配できる今年4月頃までの間、天井の反響板がない状態での利用を余儀なくされているのです。反響板は、音楽の公演では必須ともいうべき音響設備ですし、天井の一部が欠けている状況は、見栄えもよくありません。利用者からは「音楽と出会う街というスローガンを掲げているのに…」「建て替えができないなら、せめて今の施設を普通に使わせてほしい」といった声が寄せられています。

反響板は合計5枚で、今回の入れ替えだけで約1,000万円を要しますが、残る4枚についても、近いうちに同じような不具合が生じる可能性は十分あります。本来、こうした設備は、不具合が出てから場当たり的に対応するのではなく、計画的に改修するべきものです。しかし、音響設備の改修は令和7年度にようやく設計業務が発注され、実際の施工は令和8年度以降となります。必要な改修箇所の洗い出しと施工へ早期に着手していれば、今回の事態は防げた可能性があります。また、改修が必要なのは設備だけではなく、市民会館・ホール全般に及ぶため、多額の事業費と、1年以上の長期休館が必要と予想されます。令和4年に現在のアミティホールを一定期間利用すると意思決定する際、これらの改修の必要性や金額について、どのような精度の検証が行われていたのでしょうか。今回の事態を招いた要因と責任の所在、今後の対応についてお聞かせください。

(答弁10)

西宮市民会館は、西宮市市民ホール条例に基づき、市民の福祉の増進を図り、文化の向上に寄与するため、昭和42年に設置された施設です。西宮市民会館には、1,180席を有するアミティ・ベイコムホールがあり、音楽・ダンスの発表会・講演会・各種式典など多用途にご利用いただいています。議員ご指摘の不具合を生じました音響反射板は、ホールの舞台設備のうち、舞台上の出演者を反射板で囲うことにより、音の響きをより豊かなものとするため、ホールの付属設備として設置されており、使用時には舞台上部(天井部)から舞台上へ降下させて使用しています。舞台設備については、予算的制約のあるなか、優先度の高い設備から順次、改修してまいりましたが、舞台設備関係の改修設計は実施できていない状況でした。そのような状況の中、昨年、令和6年12月末に舞台吊物機構設置業者による2ヶ月に1度の定期吊物点検を行った際、反響板の巻き上げ機付近から異音が発生していることが判明し、安全のため、反響板が降下しないように固定する措置を実施したところです。この反響板の固定措置を実施したことにより、反響板の一部が利用できない状況が生じ、ホールのご利用者やご来場者にご迷惑をおかけすることになりましたことにつきまして、お詫びを申し上げます。反響板をご利用予定であった利用者には、状況をていねいにご説明するとともに、4月中の復旧に向けて、舞台吊物機構設置業者と調整しているところでございます。西宮市民会館は、開館より57年が経過し、老朽化が進んでいることから、今般生じましたような設備等の不具合により、利用者にご迷惑をおかけすることがないよう、引き続き、各種設備の定期点検を実施するとともに、修繕や改修工事を適宜実施してまいります。あわせて、将来の大規模な改修に備え、舞台設備改修設計を含め、必要な実施設計を行い、市民会館の機能維持に向けて検討してまいります。

(再質問10)

「優先度の高い設備から順次、改修してきたが、舞台設備関係の改修設計は実施できていない状況だった」ということです。音楽の公演に用いるホールである以上、構造躯体だけでなく、舞台設備も問題なく使用できる状態でなければ、その機能を維持できているとは言えません。その認識が、甘かったように思えて仕方ありません。改修設計が後手に回った結果、今回の状況を招いたこと、そのツケが中高生たちを含むホールの利用者に及んでいることを、当局は深く反省するべきです。
アミティホールに限らず、全ての公共施設について、建替・移転の是非やその時期を検討する上では、建物の維持管理に必要な要素を全て洗い出して、条件を比較するべきです。特に「この建物をあと何年使うのか」が明確にならなければ、改修内容も決定できません。アミティの場合、この判断が遅くなったこと・現時点においても「2034年度以降」と曖昧な状態であることが、今回の事態を招いた背景にあるとも言えます。そこでお伺いします。全ての公共施設について、必要な改修内容を精緻に検証した上で、具体的な使用年限を含めた今後の方針を、早期に明確化すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

(再答弁10)

各施設の予防保全として、共通して必要な屋上防水、外壁改修などの修繕項目は、公共施設の中長期修繕計画において計画的に実施し、維持保全を進めておりますが、各施設に特有な設備などについては施設所管課が、施設機能を維持する観点から事業計画に基づき修繕を行っております。
施設の使用年限については、建築系公共施設個別施設計画において、標準的な目標耐用年数を65年と設定したうえで、長期の使用が合理的かつ可能と判断した施設については、長寿命化における目標耐用年数を80年とすることを定めており、対象施設の竣工年次に応じて順次、躯体の試験等に基づく改修判断を進めているところです。
議員のご指摘のとおり、施設整備等の事業を進める際には、検討に必要な要素を洗い出したうえで比較すべきものと考えますので、本庁舎周辺再整備構想をはじめとする個別の方針や計画に基づく事業のほか、各施設の長寿命化の検討を進めていく際などには、施設所管課の事業計画なども踏まえた上で効率的な整備となるよう対応してまいります。

(意見10)

公共施設の耐用年数や維持保全について、原則的な考え方をお示しいただきましたが、本庁舎周辺の再整備に含まれる施設や、後ほど取り上げる集会施設のように集約・再編が想定されている施設においては、なかなか使用年限が定まらないのも実情かと思います。存続する施設と、廃止する施設をはっきりと決める。そして、存続する施設にはしっかりと、必要なお金をかけていくよう要望します。埼玉県八潮市で発生した下水管の破損に伴う道路陥没事故は全国に大きな衝撃を与えました。インフラ関係も含めた公共施設全般について、こうした観点で対策を進めていただきますよう、重ねて要望いたします。

■「Ⅳ 都市の魅力・産業」について②

(質問11)

大学交流センターと市民交流センターの統合について、令和7年4月から立ち上げ検討委員会を設立し、令和8年1月から新センターを開設するスケジュールが示されました。施政方針で述べられた「多様な主体を有機的につなぐ役割」を、検討委員会でどのように具体化していくのか、議論の進め方をお聞かせください。また、本件は財政構造改善の一環として掲げられた取り組みであり、統合に伴う財政的なメリットを生み出す必要があります。市民交流センターの土地・建物については、早期に売却もしくは有償貸付を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

(質問12)

続いて、支所機能については、昨年の施政方針ならびに我が会派の代表質問に対する答弁で、「令和6年度に支所など行政機能の再配置についてのビジョンを示す」、「窓口での行政サービスの提供から地域振興活動の拠点へと役割転換を検討することとし、瓦木支所管内をそのモデルとする」との考えが示されました。これらの議論・検討の進捗状況をお聞かせください。

(答弁11)

大学交流センターと市民交流センターの再編と新センターの立上げに向けましては、令和7年4月から、学識経験者、地域活動関係者、大学関係者、企業・法人関係者からなる立上げ検討会において、市でこれまで考えてきた機能について、多様な主体をつなぐ仕組みの具体化及び実効性を高めるものにするため、協議を始める予定です。検討会のメンバーは、各団体等で実務や活動を担っておられる立場の方を想定しております。議論の進め方につきましては、メンバーが決まりましたら話し合いにより具体的に決定していくこととなりますが、市としましては、NPOをはじめとする市民活動団体、大学、地域それぞれの分野の活動における実情や課題を踏まえ、効果的な活動拠点のあり方、地域課題やボランティア等と活動を希望する団体とのマッチングなど、新センターにおける必要な役割の明確化、目指す機能や仕組みづくりなど、立上げに向けたご意見を伺うほか、立上げ後の運営や協議の体制などに関してもご意見をいただきたいと考えております。R8年4月以降の現市民交流センターのあり方については、自治会等を中心とした地域団体の活動場所として、当面の間、利用することとしており、今後、地域の皆様と施設の管理方法などの協議を始める予定としています。一方、市民交流センターと大学交流センターの事業再編は、事業の見直しと再構築の観点から、財政構造改善の一環として、掲げられた取り組みでありますが、地域利用している間の施設の位置づけと併せて、土地・建物について売却・貸付・他の行政目的への転用も含め、庁内で検討しているところであり、地域利用にも影響を及ぼすことから、慎重かつスピード感を持って、財政構造改善計画の取組期間中の早い段階に一定の結論を出したいと考えております。

(答弁12)

支所では、多岐にわたる事務を取り扱っており、取り扱う事務の中には複雑化・多様化しているものもあります。しかしながら、近年、マイナンバーカードの普及率の向上によりコンビニ交付の利用が増加するなど各種証明書発行業務を中心に取扱い件数が減少傾向にあります。この流れは、行政手続きのオンライン化など、DXの推進によりさらに進んでいくことが予想されることから窓口体制も含め見直しが必要と認識をしております。このため、2つの市民サービスセンター、4つの分室のほか、特に、瓦木支所管内にある瓦木支所、アクタ西宮ステーション、上甲子園市民サービスセンターの3か所の窓口体制につきましては見直しが必要であると考えており、関係各所との調整に取組む予定としております。一方、支所は地域と行政とのパイプ役としての機能も有しており、地域コミュニティの維持が課題となる中、支所は窓口機能を中心とした役割から地域コミュニティやその活動の拠点としての役割へと転換していく必要があると認識しており、窓口業務の再編整理により人員を生み出し、適正配置に努める必要があると考えております。このため、昨年4月、コミュニティ推進部と市民総括室を統合し、本庁のコミュニティ施策所管課と各支所との間で情報共有・連携を強化しているほか、支所職員が地域で行われている会議などに出席するなど、関係の構築を図るほか、地域課題の把握に努めているところであり、特に、瓦木支所管轄では地域振興活動の拠点のモデルとしていることから、情報把握に努めるほか、再編後の施設の活用も含め検討しているところです。令和6年度に作成するとしていた「支所など行政機能の再配置についてのビジョン」につきましては、地域をはじめ関係各所との調整が極めて重要であることから、現時点では再配置についての具体的なビジョンをお示しするには至っておりませんが、さきほどご答弁した考え方のもと、今後の取組みを進めてまいります。

(意見11)

立ち上げ検討委員会については、期間も限られている中で、どれだけ協議内容の実効性を高められるか、がポイントだと思っています。理想とする姿を掲げて終わりとならないよう、これまでの両センターで何ができて、何ができなかったのかの効果検証を、しっかりと行ってください。特に、大学交流の機能については、新センターが市民局の所管となることもあり、十分に役割を果たせるのか、疑問もあります。せっかくこの街で学び、地域に関わろうとしている学生たちと、それを支える大人が実際にいらっしゃるわけですから、現場の実情・ニーズに即したあり方を実現していただくよう要望します。

市民交流センターの土地・建物について、「慎重に、スピード感を持って」結論を出すって、苦しいご答弁だと思います。スピード感というなら、もうすでに遅いですよ。取組期間中の早い段階に一定の結論を出す、という曖昧な答弁には納得できません。今後、施設が大規模修繕を必要とすることもふまえれば、事実上、建物を存続させることは困難だと考えます。決断を先送りせず、早期に売却・有償貸付へ進むよう求めておきます。

(再質問12)

支所機能については、令和6年度に作成するとしていたビジョンは、現段階においても具体的なビジョンを示すまでに至っていない、瓦木支所についても、管内の体制見直しについて関係各所との調整に取り組む、地域振興活動の拠点として情報把握に努める、という答弁で、明確な進捗は無いことが明らかとなりました。昨年の代表質問で厳しく指摘したにもかかわらず、取り組みが全くと言ってもいいほどに進んでいない現状、極めて大きな問題だととらえています。1年間、調整と情報把握しか行ってこなかったなど、本気度を欠いていると言わざるを得ません。

市が地域活動を支えるという視点は、私自身、地元の活動に取り組んでいる立場としても、非常に素晴らしいことだと思うんですね。でも、それって、本格的にやろうと思うと、市の組織体制も、地域団体のあり方も、抜本的に見直す必要があるはずなんです。それは、小学校区ごとに地域担当職員を配置している尼崎市や、既存の地域団体の垣根を超えた「地域づくり協議会」を設けた岡山県総社市の例などを見れば明らかです。本市の取り組みに、残念ながらそうした大きな変革を目指す姿勢は感じ取れません。実際、香櫨園市民センターでは市職員が地域支援のために配置されたものの、求められる機能・役割を果たせていないと聞いています。小手先の人員配置ではなく、それぞれの地域に深く携わっていくだけの体制が必要ですし、それができないのであれば、地域振興活動の拠点などという大きなビジョンを掲げるべきではありません。

瓦木支所管内の支所・サービスセンター等については、再編後の施設の活用も含め検討するとの答弁でしたが、瓦木支所は瓦木公民館と、上甲子園市民サービスセンターは上甲子園公民館・共同利用施設の上甲子園センターと一体となった建物です。仮に、支所・サービスセンターが移転しても、そのまま土地や建物を利活用できるわけではありません。集会施設については、公民館・市民館・共同利用施設の管理運営を一体化することや、施設の種別を超えて全市的に適正配置・集約を進めるよう昨年3月定例会の一般質問でも主張したところです。「公民館、市民館、共同利用施設などの再編及び効率的な運営」は、財政構造改善の取組項目にも盛り込まれていますが、こちらの進捗をお聞かせください。

(再答弁12)

「公民館、市民館、共同利用施設などの再編及び効率的な運営」については、公共施設の床面積縮減を意識したハード面及び利用される方の利便性や効率的な管理運営を意識したソフト面の両面から検討を進めて行く必要があると考えております。ハード面においてですが、公共施設の新増築などを行う際には、今年度より公共施設マネジメント推進部会における事前協議を義務化し「既存の床面積以下であるか」「他の公共施設で複合化できる施設はないか」など、様々な観点から施設総量縮減の可能性をシミュレーションし、検討しております。
また、平成29年に策定した「地域における施設の総合的有効活用方針」に基づき、大箇市民館を建て替える際には、平屋とするなど施設面積を削減し、建築費及び維持管理費の縮減を図りました。
現在検討中の甲陽園市民館の建替えについてもこの方針に基づき施設面積の削減を図る予定です。ソフト面においては、利用方法などを出来るだけ統一する必要があると考えており、今年度においてまずは、公民館における運用改善に着手いたしました。具体的には、利用要件の緩和や中央公民館において自動抽選システムを導入し、先行予約手続きの改善などを図りました。また、管理運営の効率化に向け、令和8年度よりまずは3施設において指定管理者制度の導入を予定しております。共同利用施設においては現在無料で利用できる施設ですが、一元化に向けて使用料を徴収することになった場合の管理運営手法やコスト面等についての検討を行いました。例えば民間事業者による指定管理者制度を導入すれば大幅なコスト増につながるなど課題があり、市民館についても同様であることから引き続き検討が必要と考えております。
再編後の運営形態等については地域コミュニティのあり方と密接な関係があることから現時点では具体案を示すことは困難ですが、市民にとって利用しやすく地域課題の解決につながる施設にすることを目指し、財政構造改善実施計画の取組項目であることも踏まえて検討を進めてまいります。

(意見12)

再編後の運営形態等について、現時点では具体案を示すことは困難、とのことでした。いつまで検討ばかり続けているんでしょうか。公民館・市民館・共同利用施設のあり方については、平成27年に公共施設適正配置審議会が答申を行っており、もう10年が経過しています。方針を定めた、計画に盛り込んだ、というだけで、結局は何も進んでないんですよ。運営形態を1つにするのか、するのであれば、直営なのか指定管理なのか他の手法なのか。それぞれの案に対するコストは。考えられるメリット・デメリット。どの施設を集約するのか。そうした論点を整理した上で、どの手法を採用するのか決定し、どの年度に何をやるのかの、期限を明記したロードマップを策定しなければ、具体的に進捗するはずがありません。答弁にあった「指定管理者制度を導入すれば大幅にコストが増えること」も「地域コミュニティのあり方と密接な関係があること」も、分かり切っていることですよ。それでも、見直しを決めた以上、やらなきゃいけないんです。1年前の一般質問でも、これまで検討が進んでこなかったことを強く指摘したのに、この1年間も公民館の運用改善を行っただけで、全体像の提示はありませんでした。
この責任、市長はもちろんですけど、今そちらに座っていらっしゃる、特別職・理事者の皆さんが、課長や部長時代に、取り組んでこなかった結果だということも強く認識していただきたいんです。決断を先送りにした挙句、問題が顕在化してから慌てて対応する。さっきのアミティの件も、リゾ鳴尾浜の閉館も、そういう構図だったじゃないですか。その事態に対応しないといけないのは、皆さんの後輩職員であり、一番困るのは市民なんですよ。その点に対して、十分な自覚を求めまして、次のテーマに移ります。

■「Ⅴ 環境・都市基盤、安全・安心」について

(質問13)

環境学習拠点のあり方について、甲子園浜に立地する自然環境センターを活用していくとのことですが、検討の方向性や今後のスケジュールをお聞かせください。

(答弁13)

甲子園浜に立地する自然環境センターは、地域の自然環境を学び、体験するための重要な施設であると考えております。このセンターの機能を充実させることで、環境学習の中核拠点として位置づけるとともに、環境学習拠点の再編も視野に入れながら、市内の関連施設とのネットワークの強化や、より多くの市民が利用しやすい環境の整備をすることで、子どもから大人まで全ての世代が、環境保護の重要性や持続可能な社会の実現を学べる新たな学びの場の原点にしたいと考えております。なお現時点、構想を検討していく段階であり、来年度から国、関係団体などと情報共有やそのあり方などについて議論を深めることとしており、施設の規模や具体的な手法を検討するなかで、スケジュールについてもお示しできるものと考えております。

(意見13)

市内に点在する環境学習拠点を、甲子園浜の自然環境センターに集約していくといった考え方なのかな、と受け止めました。ハード整備に要する費用や運営体制など、課題は多いものと思われますが、大きな方向性に現時点で異論はありません。今後の議論の中では、例えば貝類館など、他に集約できる施設や機能がないか、全庁的な視点で検討するよう要望しておきます。
ただ、すこし内容とは外れるんですけど、この項目を今回の施政方針に盛り込んだことには疑問を持っています。ご答弁にあった通り、あくまでもこれは構想を検討していく段階ですよね。先ほど取り上げた「学びの多様化学校」もそうだったんですけど、まだ実施の方向性が決まったわけでもないものを、市政の重要事項を示す施政方針に盛り込むのは、いかがなものでしょうか。公約の実現については冒頭の項目でも触れましたが、あらゆる施策は「検討を開始した」だけでは達成と言えませんよね。「実現した」、少なくとも「実現に向けた具体的な道筋をつけた」といったレベル感でなければ、成果と呼ぶべきではありません。新たな取り組みを検討するには、担当する職員の時間・労力や、場合によっては調査費用が必要となります。近年では、市による児童相談所の単独設置の検討が施政方針で謳われ、検討の結果、結局は費用・人員の観点から断念したこともありました。その結論を導くためのコストも十分に意識した上で、施政方針に盛り込むことの重みを認識していただきたいと思います。

■「Ⅵ 政策推進」について

(質問14)

本市が財政危機に陥った最大の要因は、人件費の高さです。当局も「人件費の抑制は、財政構造改善の最も重要な取組の一つ」としていますが、人事院勧告に基づく給与改定も進めようとしており、人件費の抑制は容易なことではありません。昨年12月定例会では、我が会派の澁谷議員が「本市の平均給与が一貫して増え続け、ここ3年は連続して全国1位となっている」現状を指摘しました。令和7年度における人件費抑制の効果について、この「全国No.1という水準を解消できるのか」という観点を含めてお答えください。

(質問15)

次に、期末・勤勉手当について。本市の財政状況は、端的に申し上げれば大赤字です。民間企業であれば、赤字の際にはボーナスが減るのが当たり前です。しかし本市においては、財政構造改善の開始以降も、これまで通り期末・勤勉手当の支給が続いています。この度示された見直しは算定方法についての制度変更であり、支給月数の切り下げではありません。基本給のカットや昇給の停止は、給与制度全般に大きな影響を与えますし、給料表の見直しには一定のハードルがあることを理解しています。しかし、期末・勤勉手当、いわゆるボーナスの切り下げは、収支均衡を達成するまでの一時的な措置として、十分に実施可能な手段だと考えます。期末・勤勉手当の支給月数の見直しを具体的に検討し、職員団体との交渉などで折衝したのか、今後実施する考えはあるのか、見解をお伺いします。

(質問16)

とはいえ、私たちは、給与の一律カットが望ましい手段だとは考えていません。このことを主張しなければならない現状、以前から人事・給与制度について提言を重ねてきたにもかかわらず、これまで市が本格的に取り組んでこなかったことを強く問題視しています。本来は、メリハリのある給与制度とし、頑張った職員、成果を上げた職員の給与がきちんと上がり、そうではない職員については厳しい対応をとることが望ましいと考えます。令和8年度から、一般職についても人事評価の結果が処遇に反映されるようになると聞いており、遅きに失した感は否めませんが、この取り組みの実効性を高めることが極めて重要です。職位に応じた職責の明確化、評価基準の明示、職員への制度の周知、評価者への研修、部下からも上司を評価する360度評価の実施、相対評価の考え方を導入すること等が求められると考えますが、市の見解をお聞かせください。

(質問17)

次に、内部経費適正化の取り組みについて。令和5年度、当局は成果連動型民間委託方式で「コスト削減支援業務」をボストン・コンサルティング・グループへ発注しました。期待していたような画期的な提案が見受けられず、単なるサービス提供頻度の削減などにとどまった点については、複数の議員から意見や指摘が相次ぎました。一方で、提案を受け、それに伴う成果報酬を支払っている以上は、その内容が着実に実行されなければなりません。当該業務で示された11種類の業務について、令和7年度予算案では、提案通りの削減が全て反映されているのかどうか、お答えください。

(質問18)

次に、市と密接な関わりを有する外郭団体の見直しは、行政改革において最も主要な取り組みの一つですが、財政構造改善実施計画で見直しが明記されたのは13団体のうち3団体に過ぎません。また、記載された団体も、都市整備公社以外は効果額が未定とされています。外郭団体の見直しは、全ての団体を対象に検討し、期限を設けて結論を出すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

(質問19)

次に、歳入増の取り組みについて。繰り返し述べております通り、私たちは、市民に負担を求める前に、行政ができることを全てやるべきと考えています。歳入増の施策として、注目されているふるさと納税の強化をはじめ、公共施設におけるネーミングライツの推進や市有地の賃料負担を県に求めることなど、これまで複数の取り組みを提案してきました。他にも、クラウドファンディングの積極活用など、市にできる施策はまだまだあるものと思われます。財政構造改善実施計画で示された取り組み以外に、歳入増に向けた施策はありませんか。歳入増に向けたあらゆる施策を本格的に進めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

(答弁14)

給与制度については、これまで取り組んできました給料表や住居手当の見直しに加え、令和7年度から地域手当、期末勤勉手当及び退職手当の見直しを実施する予定であり、令和7年度における人件費抑制の効果としては、給料表の見直し効果等で約5,000万円、特別職の給料減額及び局長級の給料削減で約2,000万円、住居手当で約1億7千万円、地域手当で約2億3千万円、期末勤勉手当で約8,700万円、退職手当で約1,400万円を見込んでおります。平均給与月額については、前述の給与制度の見直し効果で下振れをすることが見込まれる一方で、平均年齢について今後も上昇が続くことが見込まれていることや、令和6年の人事院勧告に基づく給与改定の実施により、平均給与月額は上振れをするものと見込んでおり、議員ご質問の順位変動の見込みについては、他都市の平均給与月額の変動にも左右されるため、予測が困難であります。財政構造改善をすすめる中で、人件費の抑制は取り組んでいかないといけない課題であると強く認識しておりますので、給与制度の見直しについて引き続き検討してまいります。

(答弁15)

令和6年人事院勧告に基づく給与改定については、官民格差を埋めるために、給料表の増額改定とあわせて期末勤勉手当の支給月数の引き上げが示されており、均衡の原則を踏まえると、給料表の改定とともに期末勤勉手当の支給月数の引き上げについても実施すべきと考えております。期末勤勉手当の時限的な減額については、本市の財政状況が厳しいことを踏まえ、当局内部でも給与削減に関する様々な議論をし、団体交渉においても、期末勤勉手当等を含めた給与削減の可能性について言及いたしましたが、本市の置かれた状況等総合的に検証した結果、現時点で実施する予定はありません。しかしながら、今後財政構造改善計画に基づく各種取組を進める中で、改善の成果が不十分であったり、効果がすぐに現れないことなどにより、依然として厳しい財政状況が続くようであれば、その改善策として、期末勤勉手当の時限的な削減も含めた対応策を検討する必要があると考えております。

(答弁16)

人事評価の処遇への反映につきましては、これまで下位評価者に対して実施するとともに、上位評価者に対しては課長級以上の管理職に対して実施してまいりましたが、令和8年度より、係長級以下の職員に対しても、人事評価の結果を反映してまいります。処遇への反映には、人事評価の信頼性・公平性が必要となることから、今後、職種に応じた人事評価項目の選定や評価の方法などについて精査していく予定です。ご質問にありました「職位に応じた職責の明確化」、「評価基準の明示」、「制度改正の周知」、「評価者への研修」につきましては、人事評価を行うに際し、必要な取組内容であると認識しており、既に着手しているものもございますが、さらにその取組を進めてまいります。「360度評価の実施」につきましては、これまでの上司からの評価のみならず多面的な評価を行おうとするものであり、有効な評価方法のひとつであると認識しております。他市の事例も参考とし、具体的な検討を行ってまいります。相対評価につきましては、評価対象となるグループ内での比較により評価を行おうとするもので、評価者や被評価者にも優劣が分かりやすい制度であると認識していますが、一方で、評価対象となるグループが組織全体など大きくなった場合には、評価の比較が難しくなるといった課題がございます。本市の人事評価については、人材育成をその主眼として位置付けているため、現在、個人の目標到達度や能力にフォーカスした絶対評価を採用しているものですが、どちらの制度にもメリット・デメリットもあることから、評価方法については、他市の事例も参考として、研究してまいります。

(答弁17)

令和5年度に実施した内部経費適正化によるコスト削減支援業務において経費を削減した11種類の業務につきましては、令和7年度当初予算を編成するにあたり、昨今の人件費上昇などの影響を受け、令和6年度当初予算より増額となっている業務がございますが、全ての業務において提案通りの削減を反映しております。但し、河川除草につきましては、最も影響が少ないと思われる非出水期の冬場において作業回数の削減に取り組むこととし、年3回の除草業務を年2回に見直しておりますが、作業回数を削減したことにより、今後、景観面や環境面、落葉などによる流水機能などに一定の影響が生じる可能性があるため、削減による影響の有無について、引き続き状況を注視していく必要があると考えております。

(答弁18)

財政構造改善実施計画で、外郭団体の見直しについては、「各団体の役割や個々の業務が時代に見合ったものであるか、市の人的・財政的関与が適切であるかなどの視点から、統廃合や事業縮小を含めた検討を行う」こととしており、まず、都市整備公社、土地開発公社、さくらFMの3団体についての方針をお示ししております。これに加えて、計画では、外郭団体全体の課題についても整理して対応を検討することとしており、関係部局からヒアリングを行っているところです。このような取組を経て、外郭団体のあり方や共通の課題について、令和7年度中に何らかの方針をお示ししたいと考えております。併せて、各団体についての今後の方向性も、できるだけ早期に、順次お示ししたいと考えております。

(答弁19)

財政構造改善実施計画では、歳入増の取組として23項目を挙げており、市有地や市有財産の活用、施設使用料や手数料など受益者負担の適正化、近年拡大しているふるさと納税の取組強化などを挙げております。ふるさと納税については、寄附者や返礼品事業者、自治体等との中間に入り、返礼品の開拓などふるさと納税業務全般を支援する中間事業者を導入し、寄附収入の増額を目指してまいります。また、基金を積極的に債券運用するとともに、利率のよい定期預金に預け入れることで運用益の増額を図ります。議員ご質問のあった土地の有償化など、計画に掲げていない取組についても、更なる歳入増に向け、他自治体の取組事例などを参考しながら検討してまいります。

(意見14)

「順位変動の見込みについては、他都市の平均給与月額の変動にも左右されるため、予測が困難」ということでした。ご答弁にあった取り組みの効果額を合計すると、地域手当を除いて、約3億4千万円ですね。ここに人事院勧告による給与増が10億円、地域手当の減・約2億3千万円を差し引くと、人勧による増額幅は約7億7千万円ですから、効果額と人勧をあわせると、前年度と比べて約4億4千万円の増となります。これで果たしてNo.1から脱却できるのか、予断を許さない状況です。私たちがこの点にこだわっているのは、収支不足が常態化している、市民に負担を求めようとしている本市の状況に対し、あまりにも人件費の高さが目立つからです。給料表や各種手当等については、さらなる見直しが必要であることを指摘しておきます。

(意見15)

ボーナスの削減については「総合的に検証した結果、現時点で実施する予定はない」とのことでした。社会全体が賃上げ基調にある中、基本給はアップせざるを得ないとしても、それならせめてボーナスは、赤字が解消するまで少し我慢しよう、というのは、民間企業に勤務していた私としては当たり前の発想なのですが、市役所の感覚は異なるようです。既存サービスの削減や新規事業の抑制で、市民に迷惑をかける前に、まずは市職員が自らの待遇を見直すべき、というのが、我が会派の一貫した主張です。

(意見16)

人事評価については、実効性を高めるための施策をお答えいただきました。強い関心をもって今後の展開を見ていきますので、制度を作って終わりではなく、それを有効に機能させることを目指して、取り組みを進めてください。

ここまで、人事・給与制度に関する3つの質問について、意見・要望を述べてまいりました。改めて、私たちは財政構造改善、そして本市の行財政運営全般において、人件費に対する取り組みが最も重大な課題だと考えています。本日は総論的な内容にとどめ、詳しくは人事院勧告に伴う諸議案が審議される総務常任委員会や、予算特別委員会の場にて厳しく指摘・追及を行う予定です。以上申し上げ、次のテーマに移ります。

(意見17)

コスト削減支援業務の提案については、全て削減を反映しているとのことでした。反映していなければ、何のために提案を受けたのか、成果報酬を支払ったのか、ということになりますから、令和7年度については了解しました。ただし、この件については、複数年にわたって効果額が継続するからこそ、賛成したという面があることを忘れないでください。今後、削減した内容を見直す場合には必ず議会に報告するよう要望しておきます。

(意見18)

外郭団体については、令和7年度に方針を示すと述べられたのは「あり方や共通の課題」で、各団体の方向性については、時期の明言を避けるご答弁でした。私は、共通の課題を示すだけでは不十分で、各団体の課題と対応こそ、令和7年度中には示すべきと思っています。

例えば、社会福祉事業団は、多くの施設で市の土地・建物を無償で借り受けており、同種の施設を運営する他の事業者との公平性を欠いています。国際交流協会は、収支構造を抜本的に見直す必要があることを、包括外部監査で指摘されています。観光協会については、先ほど申し上げたホームページ改修の件だけでなく、最近ではコーヒーショップのスタンプラリーにおいて、チラシには「詳しくはホームページで」と書かれているのに、ホームページに案内のページが存在しない、という状況も確認しています。観光協会を巡る様々な課題については、会派として過去から複数回取り上げていますし、啓誠会の川村議員も鋭く追及されてきた経緯がありまして、組織のガバナンスに大きな問題があります。外郭団体の見直しは、重要課題として政策局等が一定の権限をもって進めること、進捗状況を開示することが極めて重要です。所管部署任せとせず、市として確実に推し進めるよう要望しておきます。

(意見19)

歳入増の取り組みについては、計画に掲げていない取組についても検討していくとのことでしたので、我々も引き続き提案を重ねていきたいと思います。

■「予算」について

(質問20)

令和7年度予算は扶助費や投資的経費の伸びにより、歳出が大幅に増加した一方で、予算編成時点での財政・減債基金の取崩し額は約46億円と、ここ数年間では比較的抑えられた水準となりました。その大きな要因は、歳入において、市税が昨年度から約43億円、地方交付税が約10億円伸びたことです。定額減税の縮小や臨時財政対策債の減による影響を差し引いても、これらの歳入増が収支状況を好転させたことは間違いありません。新年度予算の歳入増は市の財政構造改善による効果ではなく、あくまでも外的かつ不確実性の高い要因によるものです。令和2年度・3年度の決算では実質単年度収支が黒字となりましたが、その要因は土地の売買に伴う臨時的収入や、新型コロナ対策にあたっての交付金増といった一時的なもので、赤字体質の改善を果たすことはできませんでした。今回の取り組みが目指すのは「財政の、構造を、改善する」ことであり、一時的な歳入増ではありません。財政構造改善実施計画は令和11年度での収支均衡を目標としていますが、その後も扶助費や公共施設の維持・更新に要する費用等は、さらに膨れ上がることが懸念されます。令和7年度の歳入増は市の取り組みによる成果ではなく、依然として本市の財政状況は構造的な課題を抱えていると考えますが、市長の見解はいかがでしょうか。令和11年度の収支均衡だけでなく、その後の持続可能な財政運営を見据え、財政構造改善の取り組みを緩めずに進めるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

(答弁20)

令和7年度一般会計当初予算では、扶助費や投資的経費の増により、歳出は大幅な増となったが、歳入では市税や地方交付税、国県支出金の増が見込まれており、加えて財政構造改善の取組を進めることで、財政・減債基金の取崩しは近年の当初予算から見ると比較的抑えることができたと考えております。財政構造改善の取組については、令和7年度は土地の売却など一時的な収入が約半分を占めている状況であり、現時点ではまだ道半ばです。令和11年度での収支均衡に向け、まずは計画の取組を着実に進めることが第一であると考えており、あわせて内発的に見直しができるよう市の体質も改革しながら、計画期間後も「健全で持続可能な財政運営」が行えるように取組を進めてまいります。

(意見20)

令和7年度予算案における歳入増は市税や地方交付税の影響が大きく、財政構造改善の効果についても、一時的な収入の占める割合が大きいことをお認めになりました。今回の予算編成を持ちこたえたからと言って、決して楽観視するべきではない、ということをここで強く申し上げておきます。市税収入が伸びた背景には個人所得の増加があり、その傾向をふまえれば、市が発注する業務においても人件費等が増えると予想されます。また、直近の市場動向からは、市債の金利上昇も懸念されます。令和元年度決算で多額の基金取り崩しが発生した際は、財政当局を中心に相当大きな衝撃が走ったものの、その後2年間、見かけ上の収支が好転したことで、危機感が弛んでしまった印象を受けています。その失敗を、繰り返すわけにはいきません。病院統合に伴う費用の支出などで特に厳しい予算編成が予想される令和8年度や、財政構造改善の取組期間が終わる令和11年度を超えても、歳出の伸びはさらに深刻化し、財政状況は厳しくなると予想されます。そうした認識に立った持続可能な行政運営を強く求めておきます。

■まとめ

今回の代表質問を通して明らかとなったのは、財政状況の改善に向けた認識や取り組みの甘さです。特に、方針を掲げているにもかかわらず、具体的には全く進展していない施策が多く見られ、市長のリーダーシップに大きな疑問を抱きました。今後、個別の内容については、会派所属議員の一般質問や、常任委員会・予算特別委員会の場で指摘・追及を重ねてまいりますが、その結果によっては、これまでの経緯をふまえ、会派として、強い覚悟を持って行動していくことを申し上げ、会派・ぜんしんの代表質問を終わります。