西宮市議会議員 ≪無所属・35才≫

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令和7年度一般会計予算への反対討論

会派・ぜんしんは、議案第305号 令和7年度西宮市一般会計予算 に反対します。以下、反対理由を申し述べます。

市長が財政の危機的状況と自らの責任を率直に認めた上で、それを前提に市政運営に取り組むべきである——昨年3月定例会で、令和6年度一般会計予算に対し、我が会派が行った賛成討論の一節です。それから1年、残念ながら、市長の取り組み姿勢が変わることはありませんでした。今定例会で明らかとなったのは、相変わらず、自らの責任に正面から向き合おうとしない、組織のトップに相応しくない姿でした。

現在、本市は収支不足が常態化し、毎年多額の基金取り崩しを余儀なくされています。我が会派は、かねてより財政状況が極めて厳しいという認識に立ち、行政運営の合理化、効率化、財源捻出に向けた取り組みを具体的に提案し続けてきました。にもかかわらず、数年以内に予算を組めなくなるかもしれない、という状態に至るまで、問題を先送りし、放置してきた、市長ならびに市当局の責任は重大です。

本年度から、財政構造改善の取組が始まりましたが、実施計画には、依然として効果額や取り組み時期を明示していない項目が多く存在します。これまで、支所機能の見直しや公共施設の再編など、方針等として掲げられながらも、具体的に進捗していない施策が多いことは、代表質問で指摘した通りです。そして何より、市役所の改革を進める前に、市民に負担を求めていくという姿勢に、我々は強く反対します。

中でも、本市が取り組むべき最大の課題は、人件費の圧縮です。人事院勧告に伴う職員の給与改定は、既に国を上回る給与を受け取っている層に対し、賃上げを行わないよう修正案を提出し、先ほど可決されたところですが、人件費については他にも多くの取り組みが必要です。給料表のさらなる見直し、各種手当の廃止・整理、人事評価制度や組織のあり方、職務・職責の明確化といった施策は、長年にわたり我々が指摘してきたものばかりです。こうした問題への取り組みが不十分であったことを深く反省し、可及的かつ速やかに進めることを求めます。

 

令和7年度予算案では、大小さまざまな新規施策が見られました。財源や人員が限られている中、新規事業を始めるなら、既存事業の見直しが欠かせませんが、今も多くの施策や業務が過去から漫然と続けられています。それらの廃止や抜本的見直しを決断できないのであれば、安易に新規の取り組みを始めるべきではありません。各所管部署がそれぞれの事業の必要性を主張することは一定理解しますが、どの施策にどれだけの予算を投じるのかは、全体のバランスをふまえた経営的な判断が必要です。今回の予算案でも、そうした観点が大きく欠落しており、縦割りの弊害を露呈しました。財政危機の中、福祉的な施策でさえも切り下げようとしている本市において、今どうしてもこの施策をやらなければならないのか。そんな優先順位を度外視した施策が複数含まれていることに、重大な疑義を抱きます。常任委員会及び予算特別委員会での議論をもとに、具体的な事例を3つ挙げます。

まずは、約4,800万円を投じる防災アプリの開発です。市の防災ポータルサイトに加え、防災情報を発信するサービスやアプリは、行政以外にも多くの主体が作成・公開しており、市がこれだけの予算をかけて新しく開発する必要性が見当たりません。アプリが広く普及するという予測は楽観的で、本市では実際に子育てアプリ「みやハグ」を廃止し、LINEに移行したという事例もあります。開発には国費が一定充当されるとしても、その後のランニングコストや、開発・運用に携わる職員の労力・人件費の負担が発生することも見逃せません。

次に、収入の多くを市からの補助金に頼っている西宮観光協会において、ホームページの更新に3年間で500万円を投じることです。うち300万円は多言語対応の費用ですが、海外の方に向けた情報発信は、観光協会が行わなくても、顧客を誘引したい施設や店舗が、自ら行うこともできます。最近では翻訳アプリ等も発達し、ページの作成主体が自前で複数言語での発信を行う必要性は必ずしも高くありません。民生分科会では、ページビューの目標数値さえ具体的に設定していないことが明らかとなりました。観光協会については過去から複数の課題を指摘してきましたが、組織としての体質が一向に改善されていません。

次に、都市計画道路・今津西線の整備です。都市計画道路の整備については、実現までの期間があまりに長いことや多額の事業費を要することから、以前から抜本的な見直しを求めてきました。しかし今回、今津西線を上ヶ原地域で約500m延伸する計画について、用地買収費用など5億円以上が計上されました。完成までに要する期間・費用は7年間・42億円を見込んでいるとのことですが、買収が必要な土地は79筆、建物は44件に上ります。過去の道路整備の事例をふまえれば、期間・費用がさらに膨れ上がる可能性も十分にあります。何より、この財政危機の中、実現可能性自体が不安視される大規模事業へ投資を行う必然性に、重大な疑念を抱きます。投資的事業全般に反対しているわけではなく、同じように都市計画税を充当する事業であれば、既存道路の改善、下水管の老朽化対策、公園のリニューアルといった取り組みを優先的に進めるべきと考えます。

ここまで、3つの施策について意見を申し述べましたが、他の会派が分科会の中で指摘した内容についても、「(仮称)宮っ子つながり支える条例」に位置づけようとしている機関設置の課題や、観光協会が行うまちたび事業のあり方など、我が会派も同じく問題視している施策が含まれていることを、あわせて申し上げておきます。

これまで、私たちは、市の政策に納得いかない部分があっても、厳しく指摘・追及を行ったうえで、当初予算案には賛成をしてきました。予算が仮に通らなかった場合、市民生活に甚大な影響を及ぼすことは重々認識しているからです。しかしながら、これまで述べてまいりました、行政改革に取り組む姿勢の甘さ、予算編成上の重大な課題を鑑みれば、市民からの信託に応えるため、これ以上、賛成を続けることはできないと判断しました。この重みを、市長ならびに当局におかれては、深く、深く、受け止めていただきたい。以上、申し上げ、会派・ぜんしんの反対討論とします。

令和7年度一般会計予算(修正後)に対する賛成討論

会派・ぜんしんは、議案第356号 令和7年度西宮市一般会計予算 に賛成します。以下、理由を申し述べます。

3月定例会において、私たちは一般会計予算に反対しました。その最大の理由は、市長をはじめとする市当局の、行政改革に対する取り組み姿勢の甘さでした。議会から指摘される問題点に正面から向き合ってこなかった、その結果として、市政史上初めての当初予算否決という事態を招いたことを、重く受け止めていただきたいと思います。

修正された予算案は、8つの事業について計上を見送る、もしくは予算額を減額するものです。優先順位やタイミングの観点から、私たちが問題視していた複数の事業も対象となっており、修正内容については一定、評価いたします。ただし、私たちが最も求めているのは、あくまでも行政改革の具体的な成果です。人件費の圧縮や外郭団体をめぐる諸課題の改善、事務事業の抜本的な見直し等、本来、令和7年度予算に反映されているべき事項は他にも多くございますが、予算が成立しなければ市民生活に多大な影響を及ぼしかねないこと、臨時会までの期間が短く現実的に修正可能な範囲が限られることを考慮し、本議案には賛成することとします。その前提として、先ほどの総務常任委員会で答弁された通り「これらの課題に対し、強い意識をもって取り組み、進捗状況等を順次お示しできるよう、しっかり取り組んでいく」ことを、改めて強く求めておきます。

予算は「通るのが当たり前」ではありません。市の取組は全て、議会が予算を承認して初めて実施が確定します。長年、予算が可決され続ける中で、そんな二元代表制の原則を、忘れてしまっているのではないでしょうか。3月定例会で私たちは給与条例改正に対する修正案を提案しましたが、最優先されるべきなのは労使交渉の結果ではなく、市民の代表である市議会の議決です。西宮市議会は、市役所の単なる追認機関ではないと、改めて申し上げます。そして、市民や議会をないがしろにする状況が続くようであれば、今後、市長ならびに市当局には、より厳しい姿勢で対峙していくことになると、この場で宣言します。

だからこそ必要なのは、予算編成過程の透明化であり、議会、ひいては市民との対話を充実させることです。重要な方針が当局や限られた関係者の中で決められ、市民は決定事項を突然知らされる本市の現状は、市長の掲げる「OPEN!西宮」とは程遠いと言わざるを得ません。西宮市を良い街にしたい、その共通した目標に向けて、当局と建設的な議論を重ね、健全な協力体制が築けることを願いまして、会派・ぜんしんの賛成討論とします。