西宮市議会議員 ≪無所属・36才≫

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上下水道局における収支改善策の実施

【2026年6月定例会 一般質問①】

本市の各水道事業は、配水量の減少に伴う収益の低下、物価や人件費の上昇に伴う経費の増加、施設・設備の老朽化による維持・更新費用の増大などにより、極めて厳しい経営環境に置かれています。水道料金については2029年度に、下水道料金については2027年度に値上げが予定されており、その後もさらなる改定が必要になると想定されています。経営基盤の強化に向けて、民間委託範囲の拡大を含めた組織・人員体制の見直し、施設・設備の集約や廃止、未利用地の活用といった、大きな課題に取り組む必要があることは言うまでもなく、これまでにも提言を重ねてまいりました。一方で、工夫やアイディアで実現できる収支改善策も複数存在しており、本日はそうした施策について取り上げます。

資料1をご覧ください。まず提案したいのが、検針および料金収納業務の効率化です。現在、本市では2か月ごとに検針員が水道メーターを検針し、水道ご使用量等のお知らせ(検針票)を印字してポストへ投函しています。この検針票で水道料金を支払うことはできないため、使用者は後日届く納入通知書のハガキを、金融機関・コンビニなどに持参して支払います。通知書の送付対象者は口座振替の対象者を除く約7万件で、作成・印刷・発送に要する費用は年間約4,900万円です。検針票と納入通知書を一体化すれば、この費用を削減することができ、納入通知書に関する業務負担も無くなります。既にさいたま市などがこの手法を採用しており、本市でも導入を検討するべきです。また、検針や料金収納については、ICTを活用した手法も普及しつつあり、業務の大幅な効率化が期待できます。

次の提案は、ネーミングライツの導入です。本市は財政構造改善実施計画に「所有施設に積極的にネーミングライツを導入し、財源の確保を図る」と明記していますが、水道施設において具体的な検討は行われていません。市民が日常的に来場する施設でないとはいえ、看板に企業名が記されるだけでも、一定の訴求力は期待できます。また、事業者にとってネーミングライツは地域貢献やCSRの意味合いが強く、宣伝効果だけを求められているわけではありません。水道関連の大型施設を有する都心部のみならず、和歌山県橋本市など、浄水場や配水池といった一般的な水道施設にネーミングライツを導入している自治体は既に存在しています。市長事務部局か公営企業かという区別なく、掲げた方針は全庁的に取り組むべきであり、本件も具体的な検討を求めます。

次に、マンホール蓋の活用です。近年、大阪府内の中核市などにおいて、駅前などのマンホールの蓋を対象に、広告を掲出する例が増加しています。募集方法等が市によって異なるため、1ヶ所あたりの広告費にはばらつきがありますが、最も多い高槻市では年間で計・約160万円の収入となっています。鉄道駅の多い本市では、より多くのマンホールが対象となり得るのではないでしょうか。現在、屋外広告物条例で路面への広告掲出が禁止されているため、その改正や、歩行者が滑らないようにする安全対策は必要ですが、ぜひ実施していただきたい取り組みです。また、広告だけでなく、ご当地ならではのデザイン蓋を設置しているケースもあります。特に、アニメなどとの親和性が高く、作者のゆかりの地や作品の舞台となった町では、(昨日の田中議員のご質問にもあった通り、)いわゆる聖地巡礼による来訪者の増加や、回遊性や滞在時間の向上が期待でき、複数の作品に関わりの深い本市でも、一定の効果が期待できると考えます。

最後に、これまでの提案と重なる部分もありますが、広告収入の確保です。過去に実施していた実績もある検針票の一部スペースや「にしのみやの水道」などのパンフレット、公用車の車体など、上下水道局が発行する書類や所有する設備等の中で、広告枠を設けられる媒体は複数存在しています。こちらも、市長事務部局や、他市の水道事業では実績のある取り組みですので、具体的な検討を進めるべきです。

以上、大きく4つの取り組みを提案しましたが、重要なのは、前例にとらわれず、新たな手法を積極的に取り入れる柔軟性です。中には1件あたりの金額が高くない施策もありますが、市民に値上げという負担を求める以上、その前に上下水道局が「できることは全てやる」という姿勢を示すことが極めて重要です。以上を踏まえ、質問します。

上下水道局において、検針および料金収納業務の効率化、ネーミングライツの導入、マンホール蓋の活用、広告収入の確保等、収支改善策に取り組むべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

議員からご紹介のありました、さいたま市等で導入されている検針票と納入通知書の一体化については、一定の費用対効果を見込めますが、導入にあたっては相応の費用を要することや将来的にスマートメーターを導入すれば、検針データを受信できるようになるため、検針票の現地投函がなくなります。そのため、本市は、東京都等が活用している使用水量や水道料金等を、いつでも、どこでも見ることができ、水道料金の電子請求が可能なアプリの導入により、納入通知書の郵送料等の削減を検討してまいります。

市有施設等に事業者が団体名や企業名を愛称として付けるネーミングライツは、本市のみならず、他の水道事業体においても既に取組みがなされているところです。本市としても導入を検討してまいりますが、多くの上下水道施設が市民の入場を想定していないことや、そもそも人目に付きにくい立地にあり、ランドマーク的な要素も少ないことから、工夫が必要であると考えております。そのため、事業者にとって訴求力や露出効果を見出すことができる施設群を整理したうえで関係部局と協議しながら検討してまいります。

本市では、老朽化したマンホール蓋については近年、安全性や耐久性を重視し、滑りにくい耐スリップ型や耐久性のある高性能型の鉄蓋に順次、取り替えております。議員ご提案のマンホール蓋広告ですが、取り組んでいる事業体に確認したところ、概ねシールを鉄蓋に張り付ける手法を採用しておりましたが、シールタイプは経年劣化により滑る恐れがあるため、適切な管理が必要となります。また、本市では屋外広告物条例により原則、道路の路面に広告は掲示できないことから、現時点で困難な状況となっています。マンホール蓋の活用に関してはこのような課題もありますが、収入を得られる媒体でもあることから、関係部局と協議しつつ、費用対効果や安全性も勘案しながら、実施可能かどうかを検討してまいります。

検針票の裏面広告については、平成14年度から一般競争入札により広告主を募集しており、開始当初は年間約220万円の広告収入がございました。その後、最低入札価格の見直しを行いましたが、応募が見込めない状況となったため、平成23年度をもって募集を停止し、現在は局の広報スペースとして活用しております。議員ご指摘のとおり、広告収入の確保は、経営改善に向けた有効な施策となり得るため、裏面広告の募集再開や、新たな広告媒体となるパンフレットおよび公用車の車体の活用について、掲示できる広告の内容を関係部局と丁寧に協議しながら進めてまいります。

この度、ご提案頂いている経営改善の取り組みについては、それぞれの項目ごとに状況は異なりますが、実施が可能なものについて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

■意見・要望

実施可能な経営改善策ついて、積極的に取り組んでいきたいとのこと、前向きなご答弁と受け止めました。提案した内容には、それぞれ課題もあることと思いますが、一つでも多く、早期に実現していただければ幸いです。今回取り上げた施策のうち、最も効果額が大きいのは検針票と納入通知書の一体化でしたが、こちらはスマートメーター化などの推進により、むしろ検針業務や書面の発行自体を縮小していく方向性と受け止めました。もちろん、その考え方には賛同いたしますが、それらの取り組みが順調に進展しない場合には、今回の提案も選択肢に加えていただくよう要望します。

公立園再編と待機児童対策の推進

【2026年6月定例会 一般質問②】

資料2をご覧ください。本市は2023年に「幼児教育・保育のあり方」を示し、アクションプランに基づいて公立幼稚園・保育所の再編を進めています。就学前児童数の減少と保育需要率の増加という局面の中、私立園の経営環境にも配慮しつつ、公立園での受入枠を緩やかに減少させながら、認定こども園化により1号園児の割合を下げ、2号・3号園児の割合を高めるという方向性は、妥当なものと受け止めています。多くの関係者と協議を重ね、取り組みを進めてきた市当局ならびに担当者のご尽力には、深く敬意を抱いております。

また、本プランは長年、先送りになってきた公立保育所の民間移管計画を、ついに実現させるものでもあります。以前から申し上げている通り、私は、公立園の運営経費が私立園に比べて高止まりしがちであること、私立園に対する補助は国・県が4分の3を負担するため市の支出が大幅に抑えられること、私立園は休日・延長保育などのサービスが充実している傾向にあること、公立園の人員不足を解消すること、等を理由に、公立保育所の民間移管を主張してきました。本市が初めて「保育所民間移管計画」を示したのは2007年、今から約20年前のことですが、その後、待機児童の増加等を理由に、計画の進捗は大きく遅れました。本市がとる民間移管の手法は、「公立園の近くに私立園を開設し、当面は両園で保育を行い、需要が減ってきた段階で公立園を閉鎖する」というものですが、その閉園時期がずっと示されてきませんでした。アクションプランpart2において、民間移管対象園の鳴尾北保育所を2029年度に、朝日愛児館を2030年度に閉園すると明示したことは、画期的な出来事でした。

しかしながら、依然として待機児童が解消しないことを理由に、アクションプランに掲げた方針の見直し、閉園時期の後ろ倒しを主張する声があるようです。私は、その考え方に対し、明確に反対します。保育所待機児童対策と、公立園の再編や民間移管は切り離して考えるべきであり、ようやくたどり着いた取り組みの進捗を、遅らせてはなりません。先ほど述べた通り、公立園と私立園では市の実質的な支出額が数千万円単位で異なります。単純化して申し上げれば、公立園を閉鎖して、その後で同規模の私立園を整備すれば、受入枠を維持したまま市の支出を抑えることができ、そこで生み出された財源を保育士確保施策の強化など、他の待機児童対策に充当することができます。公立園を維持することが、待機児童対策にとって有用という考え方は、あまりに表面的と言わざるを得ません。

もちろん、私は決して、待機児童の現状を軽く受け止めているわけではありません。むしろ、この問題を極めて深刻に捉え、本会議や委員会の場において複数の施策を主張してきました。現在、市は保育需要がピークアウトする局面も見据え、特例的なケースを除いて認可保育所の新設を行っておらず、待機児童が発生している1~2歳児を対象とした小規模保育施設の整備と、幼稚園の認定こども園化が施策の中心となっています。しかし、そうした方向に舵を切ってからの数年間、いまだに70人以上の待機児童が発生しています。この現状を踏まえれば、既存の施策では不十分と言わざるを得ず、待機児童の多い地域では認可保育所の新設を視野に入れる必要があります。

新設の可否を含め、待機児童対策を検討する上では、目標設定が重要となります。毎年公表される待機児童数は、厚生労働省の定義に基づく4月1日時点の人数ですが、それがゼロになればいいのでしょうか。毎年1,000人を超える利用保留児童には、育休の延長を前提とした申込も相当数あるようですが、中には保育の必要性が高い方もいらっしゃいますし、年度の途中にも待機児童は増加します。また、多くの園が定員を超えた受け入れを行っており、その弾力運用の解消まで目指すのなら、受入枠の縮小はさらに先のこととなるでしょう。2023年9月定例会において、啓誠会の松本議員が「市がどこまでを待機児童として捉えているか」という趣旨のご質問をされている通り、まさに本市の待機児童対策に欠かせないのは、どのような状態をゴールとするのか、という議論です。以上を踏まえ、2点質問します。

①待機児童の状況にかかわらず、西宮市幼児教育・保育のあり方 アクションプラン で示した施策は年限を厳守して確実に進めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

②保育所待機児童対策の目指すべき姿を明らかにしたうえで、特に待機児童が多く発生している地域では認可保育所を新設するなど、抜本的な施策の強化・拡大が必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

議員ご指摘のとおり、令和5年3月に策定いたしました「西宮市幼児教育・保育のあり方」は、本市の幼児教育・保育の質の向上を目指すうえで、極めて重要な指針であると認識しております。そして、これらを具体化するものが、アクションプラン part1からpart3に至る一連の計画でございます。そして、ここで示された公立園の再編は、単なる総量縮小を目的とするものではありません。西宮市幼児教育・保育ビジョンに謳う「子ども中心の幼児教育・保育を実現」し、公私幼保を含め本市の幼児教育・保育の質の向上に必要な役割を果たすための、未来に向けた選択でございます。多くの関係者との丁寧な協議を重ね、ようやくお示しできた具体的な取り組みであり、その着実な推進が、本市の幼児教育・保育の持続可能性を確保するうえで不可欠であると考えております。

また、平成19年に「西宮市立保育所民間移管計画(案)」を公表して以降、待機児童対策を優先する中で長く具体化が見送られてきた朝日愛児館・今津文協保育所・鳴尾北保育所の民間移管につきましても、アクションプランにおいて、今津文協保育所を令和8年度末、残る2園を含め、令和12年度末をもって閉園を完了する旨、お示ししたところでございます。これは、今後の本市の幼児教育・保育施策を整合性のあるものとして推進していくうえで必要であるという判断から、ここに盛り込んだものとなります。

一方で、本市におきましては、依然として多くの待機児童が発生しております。子どもの育ちは「待ったなし」であり、西宮市幼児教育・保育ビジョンにいう「子ども中心の幼児教育・保育の実現」の考え方からしても、保育を必要とするご家庭が現に存在する以上、こうした状況を放置することはできません。そのため、保育需要が高い地域につきましては、それぞれの実情を丁寧に見極めながら、必要な受入枠の確保に向けた対策を適時適切に講じる必要があると考えております。

公立園の再編と待機児童対策は、いずれも本市の子どもたちのために欠かすことのできない取り組みでございます。従いまして、アクションプランで示した施策につきましては、その重要性を十分に踏まえ、着実に進めることを基本としつつ、地域の保育需要の動向など、その時々の状況にも丁寧に目を配りながら、引き続き、本市の幼児教育・保育の充実に取り組んでまいります。

市としても、4月1日時点で待機児童がゼロになればよいということではなく、一年を通して保育を必要とするご家庭が必要な時期に保育所等に入所できるなど、より安心して保育サービスを利用できる環境を整備することが重要であると認識しております。このため、これまで保育需要の高い地域や年齢層等を見極めながら、比較的短期間で受入枠の確保が可能な小規模保育事業所の整備や、私立幼稚園の認定こども園への移行支援に取り組んでまいりました。一方で、保育需要は今後も増加していくと見込んでいることから、引き続き受入枠の拡大に努めてまいりますが、議員ご提案の0歳児から5歳児までが入所可能な認可保育所の整備につきましては、用地確保や運営事業者の募集を含め実際に開園に至るまでに相応の期間を要することが想定されます。これまでの取組に加え、公立保育施設における定員の見直しなど、より早期の対応が可能であり、かつ、実効性の高い対策について改めて検討する必要があると考えております。

■意見・要望

民間移管を含め、「幼児教育・保育のあり方」の着実な推進が不可欠と明言していただき、基本的な認識は共有することができました。一方で「それぞれの実情を丁寧に見極めながら、受入枠の確保に向けた対策を適時適切に講じる」というご答弁は、公立保育所の閉園延期を、選択肢に含んでいるものと受け止めました。どうしても、閉園予定の公立園を待機児童対策に活用するのであれば、例えば、当該保育所の閉園を後ろ倒す代わりに、待機児童が少ない地域で別の保育所を閉園する。もしくは、閉園に向けて毎年、募集する年齢を絞っていくという通常の手法ではなく、待機児童の多い1~2歳の募集を閉園まで停止せず、閉園時に在籍している児童の受入れ先を別途確保する。あるいは、当該保育所をそのまま民間事業者に移管する、といった手法をとるべきです。そうした工夫もなく、単に閉園時期を延長することは、従来積み重ねてきた努力を蔑ろにする判断です。時計の針を戻すことが無いよう、強く要望しておきます。

だからこそ、私は閉園する公立保育所にかわる受入枠という観点からも、私立の認可保育所を必要なエリアに限定して、整備するべきと主張しています。小規模保育施設の整備や幼稚園の認定こども化で対応してきた結果、待機児童を解消することはできなかった。じゃあ、もう手法を抜本的に見直すしかないじゃないですか。数年前に、認可保育所の整備をストップしていなかったら。もう少し、受入れ枠を設けていれば。今、本市の待機児童は解消されていたかもしれない。もちろん、これは結果論で、「たられば」を申し上げても仕方ありません。その方針に異議を唱えなかった私たち議員にも、責任の一端があると思っています。しかし、いま認可保育所の整備に踏み切れば、数年後の待機児童解消は実現できるかもしれません。開設まで3~4年の期間を要しても、先に述べた公立保育所の閉園時期には間に合います。保育需要が将来的に減少しても、弾力運用や年度途中に発生する待機児童を解消するには一定の期間を要しますし、その際には公立園が需給調整の機能を担っていくわけですから、認可保育所の新設をためらいすぎる必要はないはずです。

ご答弁は小規模保育施設の整備と認定こども園化という既存の取り組みを中心に据えたものでしたが、そうおっしゃるのなら、この2つの施策を今まで以上に強く推進してください。小規模保育施設では、賃貸物件で事業を実施する場合、1年間の家賃相当額を現金等で保有していることが求められ、新規参入の障壁となっています。認定こども園への移行を検討する私立幼稚園からは、面積等の基準に関するご苦労や、人材確保の難しさをお聞きしております。これらの課題に正面から向き合うことを、重ねて要望します。

甲山自然環境センターの今後

【2026年6月定例会 一般質問③】

 

資料3をご覧ください。甲山自然環境センターは、甲山自然の家、甲山自然学習館、甲山キャンプ場、社家郷山キャンプ場の4施設で構成され、NPO法人こども環境活動支援協会、通称LEAFが指定管理者に選定されています。市民に自然体験や環境学習の機会を提供し、青少年の健全育成に資する重要な施設ですが、施設の維持管理や運営上の課題を多く抱えており、私自身、利用者から複数のお声を頂戴しています。

まず、最も多くご意見をお寄せいただくのが、食事に関する問題です。自然の家には厨房と食堂が設けられていますが、現在、厨房は稼働しておらず、持参したもの等を食堂で飲食することのみが可能な状況です。食堂で利用できるのは備え付けの冷蔵庫、電子レンジ、ポットのみで、電気容量を理由に他の調理器具の使用は認められていません。厨房内にある洗い場が使用できないため、使い捨ての容器等を使わざるを得ず、環境学習施設であるにもかかわらず多くのごみが発生しています。インスタント麺などの自販機は設置されていますが、こども達の団体利用も多い中で、健康的な食事の提供が望まれることは言うまでもありません。外部の宅配サービスを利用することも推奨されていますが、日曜日・祝日はアクセスする道路が通行禁止となるため、事実上、食事の宅配は不可能です。そもそも、指定管理者の「管理運営業務概要」には「食事が必要な宿泊者に対して、食事を斡旋するものとする。その場合、指定管理者は食事を斡旋する業者と契約し、厨房を利用して食事を提供し、食品衛生法を遵守し利用者に事故がないよう努めること。」と明記されており、指定管理者の選定時に求められた役割を、果たせていない状況にあります。

また、広報や集客についても大きな問題があります。施設の特性上、合宿などの団体利用が一定の割合を占めるため、稼働率を高めるには、団体以外の一般利用者や、平日の利用者を増加させる必要があります。LEAFは前回の指定候補者選定委員会において、平日を中心とした利用者増加策について30点中24点の評価を得ていますが、具体的な成果をあげられていないのが実情です。広報についても積極的な取り組みは見られず、長年リニューアルされていないホームページは、残念ながら洗練されたデザインとは言い難く、魅力を訴求できていませんし、リンク切れも散見されます。SNSの利用や、キャンプ場ポータルサイトへの掲載など、他自治体の施設で実績のある取り組みも行われていません。

予約や支払いについても、利用者の利便性を高める取り組みが不足しています。自然の家・キャンプ場の利用予約は電話でしか受け付けておらず、WEBでの予約はできません。予約後も宿泊者名簿・使用者名簿を利用日より前に提出するよう求められており、提出方法は郵送・FAXのみです。先ほど述べた通り、日曜日・祝日の利用には道路の通行許可を申請する必要がありますが、警察での手続に一定の手間を要することは、より丁寧に説明するべきです。支払い方法も現金のみで、近年、利用が広がっているキャッシュレス決済には、対応していません。WEB予約やキャッシュレス決済についても、他自治体の施設では多く導入されており、本市は後れを取っている状態です。

これだけ多岐にわたる問題点が顕在化していることをふまえ、まずはセンターの現状を精査し、課題を洗い出さなければなりません。その上で具体的な運営改善策を策定し、期限を定めて実行するべきです。

私は、こうした状況を招いた大きな要因の一つが、運営事業者の競争原理が機能していないことだと考えています。LEAFは指定管理者制度の導入前からセンターの管理業務を受託しており、制度の開始後は一貫して指定管理者に選定され続けています。もちろん、公募で選定されている以上、手続上の瑕疵はありませんが、資料3に示した通り、指定管理者の選定時に1者しか応募が無かったこともありました。指定管理者制度は、他の事業者と比較されることを前提に、民間事業者の創意工夫やサービス向上を促すものですが、十分に競争原理が働いていない中では、そうした効果が期待できません。私に寄せられたご意見の中には、スタッフの言動など接遇面の課題を指摘するものも複数あり、そうした風土・体質は、長年、独占的に運営を受託し、競争にさらされていないことと無縁ではないように思います。

そのため、2028年度からの次期指定管理期間に向けて、より多くの事業者に応募していただけるよう、募集要項・業務仕様書等を見直す必要があります。センターは単なる宿泊施設ではなく、環境学習との連動に重点を置いていることは理解しますが、学校の自然学習に対する無償協力が義務付けられていること等、応募する事業者にとっては、これらの取り組みがハードルとなっている可能性があります。選定時の採点基準でも「自然体験活動、環境学習活動など、事業実施の計画」「自然体験、環境学習活動及び青少年育成についての考え方」「環境学習都市にしのみやについての考え方」等が高い割合を占めており、本市で長年、環境学習事業に取り組むLEAF以外にとって、具体的な提案をまとめることは容易ではありません。例えば、宿泊施設等の管理運営と、環境学習事業を切り分けて募集することで、現在、応募していない事業者の参入を促せる可能性があります。また、一般的に指定管理者へインセンティブを付与する手法としては、利用料を指定管理者の収入とする利用料金制の導入があります。募集要項等のうち、どの項目を見直せば新たな事業者の応募につながるのか、事業者や他自治体へのヒアリング等、調査を急ぐべきです。

その中で、参考となり得る事例が、川西市の知明湖(ちみょうこ)キャンプ場です。2023年に、指定管理者が従来の一般財団法人一庫ダム湖周辺環境整備センターから、商業施設でのあそび場の運営などを担う、株式会社トリムパークに変更されました。このキャンプ場のホームページを確認すると、民間企業が運営しているだけあって、見やすく、分かりやすい、魅力の伝わりやすいデザインや構成となっており、先ほど述べたWEB予約やキャッシュレス決済も既に導入されています。

一方で、施設の老朽化や駐車スペースの少なさといったハード面の課題を解消し、新たなサービスやコンテンツを導入するには、抜本的な再整備が必要です。近年、施設の大幅なリニューアルを行い、多くの利用者を集めているのが神戸市立自然の家「そうぞうのすみか」です。キャンプ場の拡充やカフェの新設が行われ、カヌーやアスレチックなど多様なアクティビティが導入されました。リニューアルの提案も含めた指定管理者の公募により、自然体験施設の整備・運営実績の豊富な事業者が選定され、そのノウハウが大いに活用されています。また、最近では尼崎市も、「青少年いこいの家」の再整備に取り組む方針を示しています。大規模なリニューアルには、当然、市も億単位の投資を行う必要がありますので、現在の財政状況の中ですぐに開始することは難しいかもしれませんが、活用可能性についての調査等、今後の方針を決めるための検討には、早期に着手するべきです。

以上を踏まえ、3点質問します。

①甲山自然環境センターにおける運営上の課題を洗い出し、具体的な運営改善策を策定し、期限を定めて実行するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

②次期指定管理者選定に向けて、施設管理と環境学習の機能を分けることや、利用料金制の導入等、募集要項等の見直しを行い、多様な事業者の参入を促すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

③甲山自然環境センターの将来的なリニューアル・再整備のあり方について、民間事業者へのヒアリングや調査を進めるなど、検討を開始するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

まず、「運営改善策の策定・実行」についてですが、議員のご指摘の甲山自然の家における食事については、食堂運営の収益性が低く、食事を提供できる事業者を見つけることが難しいことから、現指定管理者からは、応募の際、ケータリング業者の斡旋や軽食の販売などによる食事斡旋としたいとの提案があり、市としても承認しているところでございます。しかしながら、ご指摘のように、食事に関する改善要望は多く寄せられており、市としましても代替策として、炊飯器の貸出について、環境整備も含めて指定管理者と協議し進めているところです。今後も、調理器具の貸出やそれに伴って必要な施設の電気容量の改善などを図ってまいります。申し込み方法と広報につきましては、現在、施設予約が電話に限るなど利便性に問題があると認識しております。昨年度はWi-Fiを導入し、また、Web予約システムを今年度導入予定で準備を進めており、今後、利用者の利便性向上に向けIT化を進めていきます。広報については、ホームページにおける情報発信の頻度や内容の分かりやすさなどについて、デザインの一新やビジュアル情報の強化などの指導を行っております。引き続き、利用者アンケートなどを参考に課題を抽出し、現有施設で対応可能な範囲で、利用者の利便性向上に向けた改善策を検討するとともに、今後、食事の提供・広報の充実・利用者の増加に向けた取り組み内容を、事業者とも協議しながら出来るだけ早期に取りまとめて参ります。

次に、指定管理者選定の見直しについて、お答えします。当該施設については、令和10年度中に次期指定管理候補者の選定を行う予定です。それに先立ち令和9年度に、野外活動関連の事業者や他市町の青少年育成施設の指定管理者等へサウンディング調査を行い、より多くの事業者が参入しやすい条件を事前に把握し、公募時の条件設定を検討します。甲山自然環境センターの位置する甲山周辺は、「生物多様性にしのみや戦略」において「甲山グリーンエリア」と位置づけられており、「都市型里山」として活用され、環境学習拠点となっています。甲山自然環境センターはその中心施設としての役割を担っております。これら環境学習等のソフト事業と各施設の管理運営事業とを一括して「甲山自然環境センター管理運営業務」として委託しておりますが、環境学習施設の運営ノウハウが求められるという点で受託可能な事業者がある程度限られてくるため、サウンディング調査においては、ご提案のように各機能を分化しての発注が可能かどうかについて、次期指定管理者選定までに検討します。また、現在は単独の事業者による受託となっていますが、それに限定することなく、参加する事業者が得意な分野でのノウハウを発揮できる共同企業体での応募の推奨など、事業者の参入意欲を引き出す条件についても検討していきます。利用料金制の導入につきましては、これまでの事業者へのヒアリングから、駐車場のキャパシティの問題や冬季・平日の稼働率が低いことなど、課題は多くあると聞いておりますが、引き続き研究を行い導入の可能性を探ります。

次に、将来的なリニューアル・再整備の検討について、お答えします。甲山自然環境センターにおいて、甲山キャンプ場は昭和40年開設、甲山自然の家は昭和42年開設と共に古い施設であり、老朽化の問題がございます。将来的な施設のあり方については、最も重要な課題と考えており、今後、民間活力導入の有無や既存施設の活用、機能の見直し、存廃をも含めた検討を行う予定でございます。

■意見・要望

当面の運営改善、次期指定管理者の指定に向けた選定手法の見直し、将来的なリニューアルの検討というそれぞれの段階について、前向きな姿勢をお示しいただきましたので、是非ご答弁の通り進めてください。

今回は甲山自然環境センターに絞って議論しましたが、私はもっと広い範囲で、仁川上流から甲山、鷲林寺、ひいては船坂地域に至るまで、この一帯をどのように自然体験・環境学習の場として活かしていくのか、という全体的な構想が必要と考えています。今年4月15日の教育こども常任委員会で、山東自然の家のあり方検討について所管事務報告があった際にも申し上げたんですが、このエリアは自然環境センターの4施設だけでなく、今年度限りで閉校する西宮甲山高校、すでに閉鎖された六甲保養荘・かぶとやま荘、耐震上の課題を抱える船坂里山学校など、公共施設の土地や建物の活用が課題となっている一方で、都市部からのアクセスが良好で、民間のキャンプ場が人気を集めるなど、身近に自然を楽しめるエリアとして、大きなポテンシャルを有しています。自然学校についても、往復3時間以上かかる山東まで行かなくても、これだけの自然環境があるのですから、この一帯を再整備することで、市内での実施も可能になるのではと考えています。複数の施設をすべて個別に更新・修繕するのではなく、集約・複合化した上で、その施設には十分な投資を行うというメリハリが求められます。

また、甲山自然学習館を含む市内の環境学習拠点ついては、2025年の施政方針であり方を検討する考えが示され、私が代表質問で質したところ、拠点の再編も視野に入れていることが明らかとなりました。そうした動きともあわせて、最適な施設のあり方を見出していただきたいと思います。

現在の指定管理者であるLEAFについては、2021年12月定例会で我が会派の澁谷議員が一般質問を行い、多くの業務を随意契約で受注していることや、独自事業の実施に関する課題について指摘しました。その後、改善が図られた事項もありますが、引き続き進捗状況を注視するとともに、EWC・地球ウォッチングクラブにしのみやをはじめ、本市の環境学習施策全般について、今後のあり方の検討が必要であることを指摘しておきます。

西宮市医師会への業務委託等

【2026年6月定例会 一般質問④】

本市は一般社団法人西宮市医師会に対し、予防接種や検診の実施、応急診療所の運営、学校医の派遣など、様々な業務を依頼しています。これらはいずれも、地域の医療環境や公衆衛生の向上に欠かせない取り組みであり、ご尽力いただいている皆様に心から敬意を表します。一方で、市からの業務委託等のあり方については課題があると考えており、今回の質問では大きく2点を取り上げます。

一つ目の論点は、本市が医師会に対して支払う事務手数料等についてです。資料4をご覧ください。私が本件に問題意識を抱いたのは、昨年の健康福祉常任委員会で報告された「認知症無償診断の実施」がきっかけでした。認知症無償診断の実施に係る医師会への委託料は、年間の想定件数5,000件に対し4,060万円で、そのうち事務手数料が約500万円を占めています。事務手数料のうち最も金額の高い項目が人件費で、約395万円が計上されています。その算出根拠を質したところ、なんと、1時間当たりの人件費を3,500円に設定していたことが判明しました。無償診断における医師会の主な事務は、各医療機関からの実績報告の処理と請求・支払い業務であり、一定、定型的な作業です。その作業に、最低賃金の3倍以上の時給を要するという説明は、納得できるものではありません。

そこで私はこの度、業務委託・指定管理・補助金等、本市から医師会に対して支出が発生している全ての業務を調査しました。そのうち、医師や医療機関が受け取るお金ではなく、医師会が事務手数料等として得ている収入の一覧を、資料4に記載しました。事務手数料等が明確に示されている業務だけでも、その総額は年間5,000万円以上にのぼります。これらの業務は全て随意契約もしくは非公募による指定管理であり、競争原理が働きません。もちろん、いずれも医師会以外が担うことは事実上不可能な業務ですから、随意契約等であること自体を問題視するつもりはありませんが、事務手数料等の適正さについては、厳格なチェックが必要です。

予防接種や検診の場合、各医療機関が医師会に実施件数を報告し、医師会はそれらを集約して市への請求を行います。市は公費負担される金額を医師会へ支払い、医師会が各医療機関へ振り分けて送金します。こうした各医療機関の取りまとめや入出金の業務が、医師会の役割となります。もう一つの代表的な業務に、医師の手配や派遣があります。応急診療所で勤務する医師のシフトや、第1次救急・第2次救急の当番を調整することに加え、集団健診や学校医の手配も行っており、これらの業務に対して市が一定の事務手数料等を支払っています。

しかしながら、その算出根拠が不明瞭であることを、私は強く懸念しています。予防接種や各種検診の取りまとめについては、1件あたりの単価が150円・200円等と定められています。医師の派遣・シフト調整といった業務では、1手配あたり2,400円・5,000円等の単価が設定されています。業務によって金額が異なるため、算出の根拠を各部署にお伺いしたところ、明確な回答は得られず、「過去からそうだったので…」といったお声が大半でした。事実、多くの業務において、単価の見直しは長年行われていません。

単価の是非を問う以前の問題として、実際に検診等を担当した医師が受け取る金額と、医師会の収入となる金額の内訳が、不明な業務も多く存在します。高い透明性が求められる自治体の契約において、金額の積算根拠が明示されていない現状は問題です。金額が分からないため、今回の資料には掲載しようがありませんでしたが、特に件数の多い特定健康診査や長寿健診などで、医師会が一定割合の金額を事務費の意味合いで受領しているなら、実質的な事務手数料の合計は、資料に記載した金額よりもさらに大きくなります。

他にも、「北口保健福祉センター検診施設と応急診療所は、同じ指定管理の方式であるにもかかわらず、医師の手配に係る事務手数料の取り扱いが異なる」「学校関連のうち心臓検診だけは“単価×件数”ではなく“事務一式”で計上されている」「学校関連のうち腎臓検診だけは“医師1人あたり”ではなく“児童生徒1人あたり”で計上されている」等、考え方に一貫性がありません。冒頭で述べた認知症無償診断では、1件200円の手数料に加えて人件費が別に計上されており、人件費を加えた1件当たりの単価は900円を超えます。他の業務と比較して、極めて異質な取り扱いであることを改めて指摘しておきます。

このように、業務によって状況が大きく異なる中で、適正な事務手数料等の水準を議論することはできません。医師会からは、物価や人件費の高騰もふまえて、増額を求める声も寄せられています。私が申し上げているのは、医師会へ支払う金額を減らすべき、という結論ありきではなく、発生している事務量を正確に算定し、一定の基準に基づいて手数料を支払い、その状況をオープンにしなければならない、ということです。

例えば、近隣市では、個別の業務ごとに事務手数料を支払うのではなく、様々な事務を集約した協力負担金として、医師会への支払いを行っている例があります。その算定にあたっては、必要な人工数を積算した上で、そこに労働者の平均給与単価をかけるという、明確な計算式が示されています。本市でもこうした事例を参考に、医師会への事務手数料等について現状を精査し、統一的な考え方に基づく支払いとなるよう、今後のあり方を医師会と具体的に協議するべきと考えます。

もう一つの論点は、医師会に加入していない医療機関における予防接種・検診等のあり方です。これまで確認してきたように、本市は定期接種(公費によって実施される予防接種)や各種の検診を、医師会に委託しています。一方で、医師会への加入は任意であり、非加入の場合はこれらの予防接種や検診を公費で実施することができないため、患者や医療機関に大きな不利益が生じています。

産婦人科を例にこの問題を考えてみると、まずは子宮頸がん予防のための、HPVワクチンの接種が挙げられます。HPVワクチンの定期接種は小学校6年生から高校1年生相当年齢までの女子を対象とし、子宮頸がんの予防に高い効果を有しますが、かつて健康被害が注目された経緯もあり、接種にあたっては丁寧な説明と本人や保護者の納得が重要です。日頃から婦人科を受診している該当年齢の女子もいますが、その医療機関が医師会に加入していない場合、公費で接種を受けるには、医師会に加入している別の医療機関を受診しなければなりません。デリケートな内容だからこそ、日頃から関係性を築いている、信頼できるかかりつけの医療機関で相談したい、接種を受けたいという想いは当然のことですが、非加入の医療機関ではそれが実現できず、診療の連続性という観点からも問題があります。

今年から定期接種の対象となったRSワクチンでも、深刻な状況が発生します。RSワクチンは、出生(しゅっしょう)後の乳幼児の肺炎等を予防するもので、妊娠28週0日から36週6日までの方を対象としています。妊婦健診を受けている医療機関で接種するのが自然な流れですが、この場合も同様に、医師会非加入の医療機関では、公費接種を受けられません。妊娠中の方にとって、ワクチンを接種するために普段と異なる医療機関へ足を運ぶことは、心理的・身体的に大きな負担となります。分娩の機能を有していない産婦人科で健診等を受診している場合、出産の時期が近づくと分娩可能な医療機関へ転院するため、RSワクチンを接種するタイミングで転院することも選択肢となり得ますが、転院先の受入れ枠には上限があるため、時期が早まることで転院先の負担を増大させるリスクもあります。

また、産婦人科を受診する方が多い機会として、子宮頸がんの検診があります。本市では20歳以上で偶数年齢の方を対象とし、20歳のタイミングでは無料クーポンも発送されますが、医師会非加入の医療機関では当該制度に基づく検診を実施できません。がんの早期発見や治療には、検診で異常が発見された際の精密検査なども含め、一貫したフォローアップが重要であるにもかかわらず、その体制が阻害されることは問題です。

他にも、妊娠を希望される方やその同居人等を対象とした、風しん抗体検査費用にも助成が行われています。ただ検査を行えば良いというものではなく、妊娠前の感染予防、ワクチン接種の適否判断、妊娠時のリスク評価といった、産婦人科の専門的な知見が必要とされます。当然、妊娠前から妊娠中まで同一の医療機関が一貫して関与するべきであり、検査だけを別の医療機関で受けることは望ましくありません。

市が公費で実施する事業において、医師会に加入している・加入していないという線引きで、対象の医療機関を決めることは、公平性の観点から大きな問題があります。任意であるはずの医師会への加入が、市の制度によって強く促されている、と言うこともできます。資料4に示した通り、公費接種の契約を医師会に限定しているのは近畿地方の中核市14市のうち、本市を含めて5市のみであり、多くの自治体が医師会非加入の医療機関との個別契約に対応しています。妊婦健診では医師会加入の有無にかかわらず、市が発行した受診券の使用が可能であり、予防接種等も同じ取り扱いとするべきです。今回は産婦人科を例に取り上げましたが、この構図は他の診療科にも共通します。非加入の医療機関が高度な専門性を有している場合には、貴重な医療資源が活用されず、地域の医療環境において大きな損失にもなります。何より、患者に負担や不安を生じさせる現在の仕組みは、早急に改めるべきです。

予防接種については、国でデジタル化の取り組みが進められており、2028年度からは取りまとめや請求に係る事務が、医師会から国民健康保険団体連合会に移ります。しかし、その際に、医師会非加入の医療機関を公費接種の対象とするのかどうかは、自治体の判断に委ねられています。また、検診や検査については当面の間、現在の枠組みで進められることが想定され、課題の抜本的な解消は見込めていません。

以上を踏まえ、2点質問します。

①医師会に対する事務手数料等のあり方について、現状を精査した上で、明文化された基準に基づいて支払うよう、医師会との協議を具体的に進めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

②公費による予防接種、各種検診・検査等について、医師会に加入していない医療機関でも実施できるよう制度を変更するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

議員ご指摘のとおり、現在、医師会に支払う事務手数料につきましては、その算定根拠が必ずしも明確ではない状況にあり、市といたしましても課題であると認識しております。また、透明性の高い適切な公金支出を行う観点からも、客観的で明文化された基準を設けることは重要であると考えております。つきましては、事務手数料のあり方を見直すにあたり、近隣市における算定根拠や設定方法なども参考に、本市が委託している事務量や業務内容を精査し、明文化された基準に基づく適切な支払いが実現できるよう、医師会と具体的に協議を進めてまいります。

西宮市医師会は、市内の多くの医療機関が加入する組織として、日頃より医療機関の連携調整に加え、個々の医療機関単独では維持が困難な休日・夜間の応急医療体制の運営、さらには災害時や感染症発生時における地域医療体制の構築など、地域医療を支える「要」としての役割を担っていただいているところです。現在、公費による予防接種、がん検診及び風しん抗体検査につきましては、医師会と委託契約を締結し、医師会加入医療機関を通じて実施しております。この枠組みは、地域医療を担う市内の開業医や病院勤務医の臨床上の知見や経験が、医師会において長年にわたり蓄積されている組織的な強みに加え、地域の医療機関との組織的な結びつきを有する医師会に窓口を一本化することで、多岐にわたる専門分野の医療機関のとりまとめや、きめ細かなサポートが可能になるなど、安全かつ安定的な制度運営を実現するための基盤となっております。また、先に申し上げましたように、医師会は日常的な診療にとどまらず、休日・夜間の応急医療や、災害時や感染症流行時といった緊急事態において、地域全体で支え合い、市民の健康を守り抜く仕組みの要としての役割を担っていただいており、これらを安定的に維持していくためには、医師会との強固な協力関係が不可欠です。一方、議員ご質問の、医師会に加入していない医療機関も予防接種等を安全かつ適正に実施できる体制が整った医療機関であることは承知しており、そのような非加入医療機関において公費による予防接種等を実施できない現状につきましては、市民の利便性および公平性の観点から、市としても課題であると認識しております。本市が令和10年4月の移行に向けて検討を進めている「予防接種事務のデジタル化」では、予防接種事務の実施形態が大きく変わります。そのため、議員ご質問の、公費による予防接種の非加入医療機関における実施につきましては、これを一つの契機に、今後のデジタル化移行と並行して、地域包括医療体制への影響を十分に考慮しながら、医師会と丁寧な協議を行ってまいります。次に、各種検診及び検査につきましては、議員ご指摘のとおり、当面の間、現在の枠組みで進められることが想定され、さらに、これらの実施にあたっては、検体検査等を医師会が担っているほか、精度管理については市と医師会が連携して取り組むなど、予防接種と比較して、非加入医療機関での実施にあたり検討や調整が必要な事項が多岐にわたります。そのため、各種検診及び検査の非加入医療機関における実施につきましては、国の動向を注視しつつ、それぞれの事業の実施体制への影響を十分に考慮しながら、医師会と丁寧かつ慎重に協議を重ねてまいります。

■再質問

事務手数料等のあり方については、見直しを進める考えが示されましたので、是非、早期に具体的な取り組みを進めていただきたいと思います。

非加入の医療機関での予防接種等の実施については、非常に不十分な答弁でした。課題であると認識していると言いながら、結論はいずれも「医師会と協議します」ということです。私はね、医師会さんの見解をお聞きしているわけじゃないんですよ。長年、この役割を担ってこられた医師会さんには、当然、地域医療を支えてきたのは私たちだという矜持がある。非加入の医療機関に門戸を広げれば、医師会への加入者が減るという懸念もあるのでしょう。そうではなくて、私は市の見解を聞いてるんですよ。

非加入の医療機関でも実施できるようにするべきなのか、するべきではないのか。この点について市はどう考えるのか、明確な回答をお願いします。

○答弁要旨○

本市は医師会との連携により地域における包括的な医療体制を、長い年月をかけて構築してまいりました。予防接種等もその一環を成すものと捉えており、医師会と委託契約を締結して医師会加入医療機関で実施するという現在の枠組みは予防接取等の安全かつ安定的な実施に大きく寄与してきたものと考えております。一方で、非加入医療機関で実施できていないことは、市民の利便性の観点から、課題であるということも当然認識しております。ですので、今後の検討にあたっては近隣市の動向を確認するともに地域包括医療体制への影響を慎重に見極め、市としての考え方を整理した上で、医師会と丁寧に協議してまいりたという風に考えております。

■再質問

市としての考え方を整理した上で、って、その整理された考え方をお聞きしたかったんですが。医師会へ配慮した答弁でした。繰り返しになりますが、私は医師会さんが果たしてくださっている役割や、その意義については、十分に理解もし、敬意も抱いてるんです。でも、一方で、自分がいつも通っているクリニックで、公費の予防接種を受けられない。いつも診察している患者さんに、そのまま検診を行ってあげられない。そんな困りごとを抱えた患者さんや医療機関が実際にいらっしゃるんですよ。医師会への配慮が強すぎるあまりに、目の前で困っている方のことを、蔑ろにしていませんか。私はこの点に強い憤りを覚えています。

局長でも、副市長・市長でも、どなたでも結構なんですが、1点お聞かせください。

もしご自身の身近な方が、自分のかかりつけのお医者さんで、予防接種は受けられないんだって。無償で受けたければ他の病院に行ってくれと言われた。なんでいつものところで受けられへんの?と聞かれたら、どうご説明されますか。

○答弁要旨○

先ほどから答弁してますように、非加入医療機関での実施ができないことというのは、あ、当然市民の利便性の観点から、課題であるということは認識をしておりますが、長年、地域における包括的な医療体制を医師会と共に築いてきたという経過もございますので、市としての考え方を改めて整理した上でと丁寧に協議してまいりたいと考えております。

■再質問

今の説明で、市民が、納得されますかね。どっちを向いて仕事をしているのか。今のご答弁って行政や医師会の都合であって、困っている市民や医療機関の側に立った答弁ではないんですよ。

これまでにも同じ趣旨を申し上げたことがありますが、私は、政策判断や意思決定において重要なポイントは、「市民にきちんと説明できるかどうか」だと思っています。合理的に説明できない、説明している側が違和感を拭いきれない判断・決定というのは、やはりどこかに無理を生じさせてるんです。非加入の医療機関でも公費による予防接種・検診等を受けられるようにする。その、即時の英断を求めます。他市でもやってることですからね。

医師会との協議、いつまでに結論を出しますか。具体的な期限をお答えください。

○答弁要旨○

予防接種に関しては、デジタル化の移行が令和10年4 月ということで定められております。その集合契約の締結は、令和9年9月までにということでスケジュールが示されておりますので、え、令和 9年9月を1つの目処として、予防接種の実施体制のあり方について、医師会と協議してまいりたという風に考えております。

■意見・要望

予防接種についてですら、1年以上かかる。検診や検査については時期を明言しない。最後までスピード感を欠く、非常に残念な答弁が最後まで続きました。速やかな実施を求めて、今後も強く指摘を行っていくことを申し上げ、私たかのしんの一般質問を終わります。