西宮市議会議員 ≪無所属・34才≫

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路上喫煙対策の強化

【2023 年9月定例会 一般質問①】

路上喫煙は、周囲を通行する人が受動喫煙の被害を受けるほか、ポイ捨て等を引き起こすマナーの観点からも問題があります。中でも、通勤・通学客が行き交う駅前スペースでの喫煙は、受動喫煙の影響が特に懸念される妊婦や子どもを含め、多くの人に悪影響をもたらします。私自身、朝の駅前で市政報告のチラシをお配りしている際に、こうした光景を目にしたり、市民の方からご意見をいただいたりすることが、これまで何度もございました。議場の皆様にも、同様の経験がおありの方は多いのではないでしょうか。

2020年4月、改正健康増進法および兵庫県の受動喫煙の防止等に関する条例が全面施行されました。施設管理者に「受動喫煙の防止等に関する措置」が義務付けられたことにより、多くの店舗で入口付近の灰皿が撤去されました。駅前においても、かつては小売店等の前に灰皿が設置されていましたが、今では多くの場所で既に撤去されています。しかし、以前に灰皿が設置されていた場所では、そこで喫煙することが習慣となっている人も多いようで、撤去された今でも同じ場所で喫煙する人が後を絶ちません。≪資料1≫には、その代表的な例として、甲陽園駅・西宮北口駅・甲子園口駅周辺の写真を掲載しております。駅前の路上喫煙対策はこれまでにも市議会で取り上げられており、その主な論点は「灰皿の撤去」でした。しかし、いま必要なのは、「灰皿を撤去してもなお無くならない路上喫煙をどう抑制するか」という視点であり、本市の路上喫煙対策は次の段階を迎えていると考えます。ただし、一部の駅前では依然として灰皿が撤去されておらず、対策が必要であることは申し添えておきます。

本市では、「快適な市民生活の確保に関する条例」によって、路上喫煙禁止区域が定められています。違反者には5万円以下の過料が設けられており、実際の金額は同施行規則によって1,000円とされています。しかしながら、禁止区域に指定されているのは市役所周辺のみであり、受動喫煙の被害が深刻な駅前は指定されていません。市は、各駅前で指導員・啓発員による指導・啓発を定期的に行っていますが、強制的に路上喫煙をやめさせる権限は与えられておらず、実効性に乏しいのが現状です。近隣市では、芦屋市が全ての鉄道駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定しており、先進的な事例と言えます。尼崎市・宝塚市においても、主要駅の周辺を含む複数の箇所を路上喫煙禁止区域に指定しており、本市との差は歴然としています。本市においても、路上喫煙が常態化している駅前を早急に路上喫煙禁止区域に指定するべきです。

また、既に禁止区域に指定されている市役所周辺においても、現在、過料の徴収が停止されています。その背景には、新型コロナ対策として喫煙所が閉鎖されたこと、県条例においても過料が設定されたことがあります。県条例の全面施行後、市条例との間で対象範囲等を整理する必要がありましたが、3年が経過した今でもそうした検討が加えられないまま、過料を徴収しない状況が続いています。県条例との整合性を問われるのは他の自治体も同様ですが、それを理由に過料の徴収を停止しているのは本市のみです。路上喫煙禁止の実効性を高めるために、今すぐ過料の徴収を再開するべきです。

さらに、委託業務のあり方にも課題があります。同じく≪資料1≫をご覧ください。現在、駅前の路上喫煙に対する注意は会計年度任用職員の指導員と、委託先であるシルバー人材センターの啓発員が担っていますが、本資料はシルバー人材センターによる委託業務について、2022年度の実績をまとめたものです。前述の通り、路上喫煙禁止区域に指定されていないため、注意の対象は路上喫煙の中でも歩きたばこに限られますが、それでも総件数は899件にのぼります。このうち、注意に応じなかった件数が177件、注意できなかった件数が364件を占めることは大きな問題で、委託業務として十分な成果を上げているとは言えない現状です。実際、私も朝の駅前で、啓発員の方が歩きたばこしている人に声をかけようとすらしていない状況を、何度か目にしています。本業務は、高齢者の就労機会確保の観点から随意契約にて発注されていますが、委託業務の質を向上させるためには、競争性を高めることが重要であり、入札による事業者選定も検討するべきです。また、歩きたばこ以外の路上喫煙についても、声がけの対象に加えるべきと考えます。

以上をふまえ、3点質問します。

①本市の鉄道駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○
これまで市内主要駅におきましては、石井市長自ら駅前で受動喫煙防止を訴え、駅やバス停にも看板を設置するなど、取組を進めてまいりました。しかしながら、喫煙に対する苦情や意見は継続的に寄せられており、本市としましても、喫煙マナー向上のための一層の対策は重要な課題と認識しております。このことから、議員ご提案の、各駅周辺での禁止区域設定もその対策の一環として有意なものと考えるところですが、本市12の駅で、1日の乗客数が1万人を超えており、仮に乗客数が多い駅を対象として喫煙禁止区域を増やした場合、これにあわせて喫煙場所を設ける必要も生じ、喫煙所1か所について設置費用が1千万円、年間の維持管理費用が140万円程度必要と考えており、財政負担の観点からも、他市と比べると喫煙率の低い本市での受動喫煙防止への取組については、慎重に見極める必要があると考えております。なお、駅前等喫煙禁止区域の拡大およびこれに付随する喫煙所の設置を決定するには、鉄道事業者、警察等、各関係機関との調整が必要となりますので、今後庁内において議論を深めるとともに、駅周辺の路上喫煙禁止区域の指定を含め、各関係機関と効果的な方策について総合的に協議を進めてまいりたいと考えております。

②路上喫煙禁止区域における過料徴収を早急に再開すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○
本市では、「快適な市民生活の確保に関する条例」に基づき、喫煙者を排除せず、非喫煙者と「共存できるまちづくり」をめざし、喫煙禁止区域内に喫煙場所を設けておりますが、それでも違反者がいる場合には過料徴収してまいりました。新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類となったことから喫煙所閉鎖の理由はなくなったものの、現状の喫煙所のまま再開すれば受動喫煙を招くこととなり、対応に苦慮しているところですが、県条例との整合性を含め、過料徴収再開について具体的に検討を進めてまいります。

③駅前でのマナー指導啓発業務について、委託業務の質と実効性を高めるための具体的な方策をお聞かせください。

○答弁要旨○
マナー指導に係る委託業務の質の向上と実効性につきましても、これに合わせ、巡回頻度と業務運用体制の見直しを図るのみならず、その実効性を担保すべく適切に対応してまいります。

■意見・要望

駅周辺の路上喫煙禁止区域の指定を含め、各関係機関と効果的な方策について総合的な協議を進めていく、とのことでした。ぜひ早急に協議を進めていただき、具体的な方策をお示しいただきますよう要望します。
ご答弁では、禁止区域を指定する場合、喫煙所の設置が前提になっているように受け止めました。確かに、本市においても、近隣自治体においても、禁止区域を指定する場合には、喫煙可能場所を別途設けているのが現状です。しかしながら、私は禁止区域を指定する場合でも、喫煙所を設置する必要はないと考えています。喫煙者が煙草を吸える環境にも配慮することは必要ですが、公費で喫煙所の設置費用や維持管理費用を賄うことは、この厳しい財政状況の中で到底理解を得られませんし、喫煙所周辺において受動喫煙が発生するリスクも否定できません。禁止区域の指定は、喫煙所の設置を前提にせず進めてください。

2番目の過料徴収についても、同じく喫煙所との兼ね合いが課題にあげられております。申し上げたいことは同じですので、県条例との整合性の整理も含めて、早急に進めていただきますようお願いいたします。

委託業務については、実効性の担保に取り組んでいただけるとのことでした。啓発員には、路上喫煙に対して毅然と立ち向かう姿勢が必要であり、根拠となる基準の整備、体制の強化に努めてください。シルバー人材センターへの発注を一概に否定するわけではありませんが、十分な注意喚起を行えないのなら、他の事業者の参入を促すしかありません。入札での事業者選定も視野に入れて、取り組みを進めていただきますよう要望します。

今回は、駅周辺での路上喫煙防止を取り上げましたが、市内で受動喫煙が発生しているのは決して駅前だけではありません。県条例では受動喫煙防止区域が定められており、その指導及び助言に関する事務等は保健所設置市に権限移譲されています。つまり、県条例であっても市の責任において進めるべき施策ですが、今回ヒアリングしたところ、保健所において巡回や指導といった具体的な対策には至っていないことが判明しました。今回は路上喫煙禁止区域の指定に主眼を置いたため、環境局への質問となりましたが、本市の受動喫煙対策を強力に推し進めるには、保健所の取り組みが必要不可欠です。また、施設管理者としての立場からは、公園等を所管する土木局の存在も重要です。所管の枠にとらわれず、全庁的に受動喫煙対策を進めていただくよう要望して、次の質問に移ります。

風致地区条例違反の是正

【2023年9月定例会 一般質問②】

≪資料2≫をご覧ください。風致地区とは、都市計画によって定められる地域地区の一つで、区域内では建設物の建築や樹木の伐採等に一定の制限が定められています。本市の風致地区は3つの種別に分かれており、第1種から第3種のそれぞれで基準が異なります。第1種は主に山林、第2種は甲陽園目神山町など一部の地域であり、住宅地で指定されている地区の大半は第3種風致地区です。風致地区への指定は、主に山手の住宅地において、自然との調和を図り、緑を保全する重要な役割を果たしています。

風致地区では、建築物について高さ・建ぺい率・後退距離・地盤面の高低差・緑地率の基準が設けられています。建物完成時には、これらの基準を満たしていることを、開発審査課の職員が現地で確認していますが、その後で基準に反する状態へ変更する事例が後を絶ちません。例えば、緑地率に算入されていた箇所を舗装し、駐車スペースとして利用する。本数が定められている高木や中木を切ってしまう。こうしたケースが多く発生しています。風致地区条例を遵守しない状態は、良好な自然環境を毀損し、制度を形骸化させてしまうほか、意欲的に緑を保全している所有者との公平性の観点からも問題があります。

現在、近隣住民からの通報や市職員による発見等で、違反が発覚した場合には、開発審査課職員が所有者に対して是正を促しています。しかしながら、是正に応じていただけない所有者も多いのが現状です。条例上は行政処分として是正措置の命令、さらには、命令に従わなかった場合、50万円以下の罰金に処するとされていますが、本市でこの命令・罰金にまで至った事例はありません。法的な拘束力のない行政指導の範囲内で、日々折衝に尽力されている職員の皆様には敬意を抱きますが、違反状態を解消するには強制力を伴う対応も必要と考えます。「指導に従わないと、罰金を課されるかもしれない」という気持ちを所有者に抱かせることで、抑止力を高める効果も期待できます。

風致地区による制限を知りながら、意図的に規定を破っている所有者は悪質です。一方で、制限の内容を把握しておらず、気づかないうちに違反状態を招いている所有者も存在するものと思われます。不動産取引の際に重要事項説明で触れられる項目ではありますが、購入から長い年月が経過している場合等、風致地区条例に対する認識が薄れている可能性もあります。現在、当該条例の周知は市窓口やホームページにとどまっており、改めて、市政ニュースなどの媒体を用いて、風致地区の制限について周知するべきと考えます。

以上をふまえ、2点質問します。

①風致地区条例に違反している土地所有者のうち、是正の指導に応じない場合には強制力のある措置を行い、実効性と抑止力を高めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

風致地区は、都市においての良好な自然景観を形成している区域のうち、都市環境の保全を図るため都市計画法により定めた地区であり、一定の行為を行う場合は、許可が必要となります。しかしながら、許可を要する行為と認識せずに工事等を行い、違反行為となるケースが年間に平均して8件程度あり、許可を受け、基準を守るよう指導しております。違反に対しては、これまで命令などの行政処分に至った事例はございませんが、悪質な行為や是正指導に応じない場合につきましては、行政処分も視野にいれ、対応してまいります。

②風致地区における制限について、違反者が行政処分の対象となる可能性も含めて、改めて市民に幅広く周知するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

現在風致地区条例に関する周知方法は、ホームページや窓口でのパンフレットの配布のみとなっております。ホームページの内容は、申請手続きに特化しており、風致の重要性や風致地区内にお住まいになっている方々の協力が必要であることが表現できておりません。風致地区の景観や緑等を維持保全するには、お住まいの方や土地を所有されている方の理解と協力が必要であるため、ホームページのリニューアルや市政ニュースなどを活用し、風致地区の重要性や制限内容及び行政処分についても周知し、風致の維持保全を進めてまいります。

■意見・要望

悪質な行為や是正指導に応じない場合については、行政処分も視野にいれて対応していただけるとのことでした。是非、ご答弁の通り進めてください。

私は決して「全ての違反に対して、即座に行政処分を行え」と言いたいわけではないんです。強権的な手法を採らなくても是正されるのであれば、それに越したことはありません。しかしながら、中には指導に従わない悪質なケースも存在するのが実情です。そうした場合には強力な措置を取らざるを得ないと思うんですね。「指導に従わなくても問題ない」という意識が所有者の間に広がることを私は強く危惧しています。条例上、命令や罰金といった手段が明記されているわけですから、必要に応じてこれらの措置を講じていただきますようお願いします。

周知についても前向きなご答弁を頂きました。知らずに違反してしまった、というケースを防ぐ効果はもちろん、違反状態を認識している所有者に是正を促すためにも、重要だと考えています。ぜひ、早期に具体的な取り組みを実行していただきますようお願いします。

緑豊かな住環境や自然との調和は、西宮市の誇りであり、未来に引き継ぐべき財産です。文教住宅都市を守り、育んでいく上で、風致地区の存在は極めて重要です。今回は行政処分の実施を訴えましたが、命令や罰金を課すこと自体が目的なのではありません。風致地区を守るために、固定資産税をはじめとする税制で誘導していくこと等、他にも様々な手法を検討してください。実効性のある取り組みを通じ、法律・条例の趣旨を果たしていただくよう要望して、次の質問に移ります。

認知症予防の推進

【2023年9月定例会 一般質問③】

≪資料3≫をご覧ください。認知症とは、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、記憶・判断力に影響を及ぼすことで、社会生活に支障を来す状態を言います。65才以上の高齢者に占める認知症患者の割合は20%程度にのぼるとも言われており、本市でも2万人程度の認知症高齢者がいらっしゃると推計されます。この割合や人数は、高齢化の進行に伴い、今後さらに高まることが予想されます。認知症は本人だけでなく、見守る家族にとっての負担も大きく、発生や進行を抑える認知症予防が重要度を増しています。

認知症はかつて「もの忘れ」のように捉えられ、対策が可能な症状と考えられることはあまり多くありませんでした。しかし現在では、認知症の型によって薬で進行を遅らせることや、早期治療による改善が可能となっています。つい先日も、アルツハイマー病の新薬が国内で初めて承認され、大きな話題を呼びました。また、症状の軽い段階でリスクを把握することで、今後の向き合い方を考えたり、家族と相談したりすることも可能となります。認知症予防において鍵を握るのは、なんといっても早期発見・早期対応です。

認知症やその前段階とされる軽度認知障害の診断は、チェックリストを用いた回答や、問診・スクリーニング検査などで行われます。こうした認知機能を直接的に確認する手法にくわえ、脳画像検査・血液検査などによる診断も実施されています。血液検査で認知症が診断できる、と初めて聞いた時には私も驚きましたが、まだまだ十分に知られてはいない取り組みではないでしょうか。自覚症状の有無にかかわらず、一定以上の年齢の高齢者にこれらの受診を促すことが非常に重要です。そのためにはかかりつけ医での受診のみならず、各種健診のメニューに位置付けることが効果的と考えます。先日、わが会派の大迫議員が長寿健康診査に認知症診断を加えるよう提言していますが、当該健診はもちろん、他の健康診査や、個別の検診への導入も検討するべきです。

市長は選挙公約において「認知症無償診断制度の新設」を掲げており、問題意識や、必要と考える施策の方向性は共通しているのではないかと思います。私は、あくまで重要なのは高齢者に認知症診断を受診していただくことであり、必ずしも無償化が必要との立場には立っていません。経済的に困窮していない高齢者に一定額を負担して頂くことは問題ないでしょうし、同じ選挙公約の中で掲げられた「18才までの医療費無償化」には依然として所得制限が残っています。限られた財源を、どの施策に、どれだけ投入するのかは、政策効果を厳密に予測した上で、判断しなければなりません。介護保険の保健福祉事業として、第1号被保険者の保険料を財源とした実施も考えられるため、推進手法については多角的な検討が求められることを指摘しておきます。

以上を踏まえ、2点質問します。

①認知症の早期発見・早期対応を実現するため、一定以上の年齢の高齢者に対し、認知症診断の受診勧奨を早急に進めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせ下さい。

○答弁要旨○

高齢者福祉施策における認知症対策は、市としましても重要と考えており、現在、策定中の第9期西宮市高齢者福祉計画・西宮市介護保険事業計画において基本施策の1つとする予定です。また、認知症施策では早期発見・早期対応が重要な取組であると認識しており、本市では、市長公約である認知症診断制度の創設に向けて令和4年度から検討を行っているところです。これまでに、本市で認知症診断を実施するにあたっての検査項目、検査方法などについて、西宮市医師会や兵庫県認知症疾患医療センターなどの医療関係者と協議を行いました。今年度は、認知症施策全体について協議を行うために設置をしました「認知症施策検討委員会」で、構成員である医療・介護の専門職や当事者である認知症患者のご家族などから、認知症診断制度の実施方法や受診後のフォロー体制などについてのご意見をいただきながら検討を進めているところです。

②市の実施する健康診査および検診のメニューに、認知症診断を加えるべきと考えますが、市の見解をお聞かせ下さい。

○答弁要旨○

認知症診断の実施方法については、受診者の利便性や受診率の向上、経費節減を考慮すると、他の健康診査や検診と併せて実施することが有効であると認識しております。また、令和4年度の医療関係者との協議において、対象者は65歳以上とし、特に認知症の有病率が高くなる75歳以上には、積極的な受診勧奨が必要とのご意見をいただいております。市ではこれらのご意見を踏まえ、75歳以上が対象である長寿健康診査と認知症診断を併せて実施することができないか、関係課で協議を行っているところです。他の健康診査や検診のメニューに、認知症診断を加えることにつきましては、受診者の対象年齢が異なることなどから、まずは長寿健康診査と併せて実施できないか検討してまいります。

■再質問

1問目に対しては、「検討を進めているところです」というご答弁で、「今こんなことをやっています」という内容に終始しておりました。私は、「早急に進めるべきと考えるが、市の見解は」とお聞きしているので、「早急に進めるのかどうか」を答えていただかないと、不十分です。そこで、再質問します。公約関連ということもありますので、ここは市長にお尋ねします。認知症診断制度の開始は、何年度を目標に進めていますか。

○答弁要旨○

この件について、時期を申し上げられる段階にまで煮詰まっていたら言いたいんですが、いま現時点で明言できるところには、恐縮ですが、ございません。一方でこの件に限らず政策を徒に遅らすことはなく、何事も遅滞なく、進めたいと思っております。先般、国の方で6月に、いわゆる認知症基本法も成立しまして、10条には国の責務で財政措置なんかも書いてあってですね、厚労省の概算要求の中で大きく盛られてるかなと思ったらそうでもないんで、じゃあ市としてはどこまでどうしようかなというところは正直悶々と考えているところであります。そういう意味ではですね、いずれにしましても国全体のことでもありますし、私自身の問題意識、そしてそれを受けてまた2期目にあるわけですから、いずれの時期に、またどういう形で、いつからというようなことをご報告できればと思っております。

■意見・要望

年度こそ明言はされませんでしたが、遅滞なく、というお答えはいただくことができました。公約にも掲げられている以上、現在の任期であります2025年度中には必ず実現をされるものと考えております。今後の進展を注視してまいります。やはり大きな課題の一つは、ご答弁にもありましたように、財源の確保ではないかと推察しております。だからこそ、先ほども申し上げた通り、無償化にこだわる必要はありませんし、市が費用負担をする場合でも、全額ではなく一部補助で良いのではないか、と考えています。重要なのは、より多くの方に認知症診断を受けていただくことであり、無償化はその手段の一つにすぎませんので、早期の受診勧奨開始を優先して、取り組みを進めてください。

2問目の健診については、他の健康診査や検診と併せて実施することが有効とのご認識をお示しいただきましたが、まずは長寿健診と併せての実施を進めていくとのことでした。昨日、わが会派の大迫議員が取り上げた際にも同様のご答弁がございまして、その方向性に異論はございません。ただ、75歳未満の方や長寿健診を受けない方についても、認知症診断をスムーズに受診できる環境を整えることは重要です。今後、長寿健診以外の健康診査や、個別の検診メニューに追加することも、ぜひ検討いただきたいと思います。

社会資源情報サイトおよびホームページ管理システムのあり方

【2023年9月定例会 一般質問④】

≪資料4≫をご覧ください。市は2021年10月から、地域活動や相談窓口・生活支援情報等を集約した「社会資源情報サイト」を運用しています。各種情報を収集しやすくするとともに、地域活動等への参加を促進する観点から、私はこの取り組みを高く評価しています。また、これまで「西宮市の社会資源」というサイト名で、馴染みの薄い・堅苦しい名称が用いられていたところ、8月に愛称「にしま~れ」が制定され、市政ニュースでも周知が図られました。一方で、市が自ら行う事業だけでなく、多様な主体が実施する活動を掲載しているため、当サイトの運用には課題も存在しています。

私の所属する自治会では、年に数回、高齢者向けの昼食会を実施しています。この情報が社会資源情報サイトに掲載されているのですが、参加費の記載に誤りがありました。また、社会福祉協議会のホームページに掲載されている情報とも齟齬がありました。私たち自治会は、昼食会の情報が当サイトに掲載されていることを知らず、たまたま担当の役員さんが気づいて修正をお願いする運びとなりました。情報をホームページへ掲載する際には、実施主体の確認を得るのが当然です。現在、当サイトには700件以上の活動等が掲載されていますが、同様の状況が他にも発生している可能性は高いと考えられます。掲載情報の再確認を行うとともに、最新の情報を常に反映できる仕組み作りが必要です。

また、修正をお願いする際、社会資源情報サイト上には電話番号の記載がなく、正しい問い合わせ先へ辿りつくのに苦慮されたと聞きます。当サイトは、市がホームページ管理システム、通称CMSで管理しているのではなく、委託業者が運用を行っています。そのため、市の代表番号に電話し、広報課→デジタル推進課を経て、最終的に委託先の電話番号を伝えられたそうです。当サイトを所管するのは地域共生推進課ですが、実態として今回はそこに問い合わせが届きませんでした。サイト上に問い合わせ先を明記するのはもちろんですが、市ホームページのトップからスムーズにアクセスするために、動線の整理も重要と考えます。

こうした問題が発生する背景の一つに、当該サイトがCMS上での一元管理となっていないことが挙げられます。CMSはパッケージ化されたソフトであり、カスタマイズが困難である一方、統一的な仕様で情報が見やすく、費用も安価という利点があります。現在、CMS外で管理されているサイトは40件で、運用費は2023年度当初予算で約4,300万円にのぼります。本年6月議会で当会派のしぶや議員が防災ポータルサイトのリンク切れについて指摘しましたが、こちらもCMS外で運用されているサイトの一つです。もちろん、求められる機能や訴求効果から、CMSの利用を避けるべき場合もあることは理解しますが、せっかく全庁統一的な管理システムが存在するのに、それを利用しないサイトが乱立することは好ましくありません。

以上をふまえ、3点質問します。

①社会資源情報サイトについて、掲載情報の正確性を改めて確認するとともに、常に最新情報を反映するための仕組み作りが必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

議員ご質問の社会資源情報サイトの運用にあたり、最新情報を提供するための更新作業は、市としましても、重要であると認識しております。このほど、最新の情報に更新するために、サイトのメイン管理者である地域共生推進課において、各登録情報を掲載している市担当課などを責任者として設定し、掲載内容について、変更の有無の確認と変更箇所の修正を依頼いたしました。今後も同様の作業により、年1回の定期的な内容点検・更新作業を実施するとともに、内容の変更があった際には責任者が随時更新を行ってまいります。また、新規登録の際に、活動の主催者に対して、活動内容などに変更があった時は、責任者や地域共生推進課へ連絡していただくよう周知徹底してまいります。

②社会資源情報サイトについて、問い合わせ先の明示や市ホームページ上での動線の整理など、使いやすさの向上を図るべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

問い合わせ先の明示につきましては、サイトのトップページに、メイン管理者である地域共生推進課の表記と電話番号を、8月14日より記載し、内容などに関する問い合わせの対応を行っております。また、市ホームページ上での動線整理につきましては、10月に予定されている、市のホームページ改修に向けて、現在、地域活動及び生涯学習などの関係課による共同ポータルサイトの運用に関する協議を行っており、今後も引き続きアクセスしやすいホームページの作成に努めてまいります。

③市の運用するサイトについては、できる限りホームページ管理システム(CMS)を利用することが望ましいと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

市のホームページには、各課が市販の編集ソフトや業者委託によって作成したものが多く存在していましたが、アクセシビリティやユーザビリティへの対応など、運用面における課題が多かったことを踏まえ、各課で作成したページをホームページ管理システム、以下「CMS」といいますが、CMSに移行することを推奨してまいりました。また、各課が新たにホームページを作成する場合には、予め、デジタル推進課と協議することを求めております。CMSを利用することにより、ホームページのアクセシビリティやユーザビリティの向上が図れる一方で、CMS以外の方法を利用することで実現できるデザイン性や機能性なども有効な広報手段を検討するうえで重要な要素となることから、現在、CMSの利用につきましては、各所管課が様々な要素を総合的に勘案した上で判断しております。しかしながら、CMS以外の方法で情報発信することで、現時点での正確な情報をお伝えするという広報上の重要な要素が適切に運用できていない場合などにおいては、機能面での有効性よりも、CMSを利用することによる確実性を重視することが望ましいと考えております。今後とも、市民が利用しやすいホームページの構築を進めていけるよう、適切に対応してまいります。

■意見・要望

社会資源情報サイトについて、掲載情報を再確認するとともに、最新情報を反映するための点検・更新を行っていただけるとのことでした。是非、ご答弁の通り進めてください。

使いやすさの向上についても、前向きなご答弁をいただきました。問い合わせ先の明示については、一般質問の打ち合わせを始めた後、既にご対応いただいておりまして、取り上げるのは少し気が引けたのですが、こうした課題が発生したことは次のCMSに関する問題提起へもつながりますので、あえて質問の形をとらせていただきました。10月に予定されている市のホームページ改修に向けて協議中とのことですので、改修を楽しみに待ちたいと思います。

そして、総務局からご答弁いただいたCMSの件です。「現時点での正確な情報をお伝えするという広報上の重要な要素が適切に運用できていない場合などにおいては、機能面での有効性よりも、CMSを利用することによる確実性を重視することが望ましい」とのご答弁は、今回私が指摘した社会資源情報サイトや、前回しぶや議員が指摘した災害情報ポータルサイトでのリンク切れ等を念頭に置いたご答弁かと思います。

私は、できるだけ多くのサイトをCMSに移行させるとともに、今後、新たにCMS以外でサイトを作成することについては、きわめて慎重であるべきと考えています。ご答弁では「CMS以外の方法を利用することで実現できるデザイン性や機能性なども有効な広報手段を検討するうえで重要な要素」とおっしゃっていまして、その考えを一概に否定するものではありませんが、各所管課とデジタル推進課には「本当に、そのサイトの目的はCMSでは実現できないのか?」を、丁寧に検証し、安易にCMS以外の方法を採らないようにご留意いただきたい。それは、確実性という観点もございますが、費用面も大きな要素です。せっかく全庁統一のシステムがあるのに、それとは別に年間4,000万円以上の運用経費を投じていることは、大きな課題です。今回の決算でも明らかになった通り、本市財政は極めて厳しい状況に置かれており、赤字体質を改善するには、こうした部分を見直していかなければなりません。

また、業務フローやシステムについては、できるだけ統一的な仕様で、標準化していこうという大きな流れがある中で、CMS以外で運用されるサイトが乱立することは、そうした方向性に逆行することも指摘しておきます。本市のホームページが、正確に、効率的に、合理的に運用されるよう要望して、次の質問に移ります。

計画策定業務の見直し

【2023年9月定例会 一般質問⑤】

西宮市役所では、様々な計画・方針・ビジョン・プラン等が策定されています。私はこれらの計画等について、策定の必要性や内容に強い疑問を抱いてきました。4年前の初当選直後、新人議員説明会で大量の計画等を配られた際の驚きは、今でもよく覚えています。計画等の策定には市職員の多大な労力や、多額の委託費・印刷費等が投じられているにもかかわらず、その効果が不透明なものも多く、策定すること自体が目的となっているのではないか、と感じる機会も多くありました。私は、貴重な人員と財源を市民サービスの向上に充てるため、計画等の数を減らすとともに、策定する計画等の内容・手順を簡素化するべきと考えています。個別の計画等については、これまで委員会等で指摘を行ってまいりましたが、本件は市役所全体で取り組むべき課題と考え、このたび議会事務局にご協力を頂き、全庁調査を行いました。

≪資料5≫をご確認ください。外部に公開していないものを除く、現在効力を持っている本市の計画等は、合計で127件にのぼります。策定にあたって、コンサルティング会社等に支払った委託料の総額は約3億9,000万円、印刷費の総額は約1,700万円です。ここには、策定年度が古く金額不明のものや、審議会委員への報酬等を含んでおりませんので、実際の金額はさらに膨れ上がります。

計画等の中には法律で策定が義務付けられているものや、国から補助金を受けるための条件となっている場合があります。本市が策定している127件のうち、法的義務がないものは62件、補助金等の条件になっていないものは102件、両方に該当するものは52件存在します。資料に示した計画はその一部であり、まずはこの52件について、策定の必要性を精査しなければなりません。理念的な記載が多く実務との結びつきが弱いものや、市内部でしか活用されていないと考えられるものは、策定自体を取りやめるべきです。ここに示した分野の政策が必要ない、という意味ではなく、この計画が無くても適切に施策を実施することは可能と考えます。現在、国においても「計画策定等における地方分権改革の推進について~効率的・効果的な計画行政に向けたナビゲーション・ガイド~」が策定されるなど、自治体に対する計画策定義務の見直しが進められています。

また、策定自体は必要と認められる計画等であっても、内容や手順の簡素化は欠かせません。本市が策定する計画等の中には100ページを超えるものも存在しますが、労力や費用を鑑みれば必要最低限のボリュームとするべきです。今回、改めて1件ずつの計画等を読み込みましたが、計画内容にリンクしていないアンケート項目やSDGsとの関連、冗長な挨拶や策定の背景、膨大な資料編等、削減が可能と考えられる箇所が多く見受けられました。また、複数の計画等に重複して記載されている事項もありました。民間企業では当然の「文書は簡潔で明瞭なことが望ましい」という感覚を、組織風土として定着させる必要があります。策定に向けた手順についても、審議会の開催やパブリックコメント、それらに伴う複数回の議会説明など多くの段階を経ていますが、本質的な議論の場だけを残し、形式的な手続はできる限り省くべきです。

以上をふまえ、2点質問します。

①法的な策定義務がなく補助金等の条件になっていない計画等について、内容を精査し、必要性の低い計画等については策定を取りやめるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

市が策定する計画は、市の政策の方向性や今後の取り組み内容を示し、関係機関や市民等と共有するためのものです。また、策定過程において関係機関や市民等の意見を取り入れ、反映していくという側面もあり、市の施策の推進において重要な役割を担っています。一方で、計画策定業務が、職員の事務負担や財政上の負担となっていることはご指摘のとおりです。国においても地方自治体への計画策定の義務付け等に関する見直しが進められている中、本市でも計画の必要性について改めて検討していかなければならないと考えています。まずは、それぞれの計画の意義や役割を整理し、計画として策定する必要性が薄れているものや他の方法で示すことができる計画については現計画で終了とするなど全庁的な検討に向けて取り組んでまいります。

②計画等を策定する場合であっても、内容や手順を大幅に簡素化するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

今後の計画策定や改定にあたりましては、その計画の意義や役割に沿って計画内容を精査し、他の計画との統合などの検討も進めていきたいと考えています。計画の内容や策定にあたっての必要な手続き等については国が示す計画策定のガイドライン等で定められているものもありますので、今後の国の見直しの動向も踏まえて取り組んでまいります。

■再質問

まずは、「計画策定業務が、職員の事務負担や財政上の負担となっていることはご指摘のとおり」とのご答弁をいただき、問題意識を共有することができました。そのうえで、廃止についても、簡素化についても検討を進めていただけるとのことで、前向きな姿勢をお示しいただきました。しかしながら、重要なのは次の段階で、ただいま政策局が掲げた方向性を、いかに全庁的な方針として、各計画等の所管部署へ浸透させられるか、というところに尽きると考えています。そこで再質問します。計画等の見直しを全庁的な方針として進めるべきと考えますが、そのための具体的な方策をお聞かせください。

○答弁要旨○

計画策定の見直しを全庁的な取り組みとして進めていくにあたって、市としての方針を示すことの必要性は認識しております。次年度以降の策定業務に間に合うよう庁内への通知等を検討してまいります。

■意見・要望

ありがとうございます。通知の発出等をご検討いただけるとのことでした。

ぜひご答弁の通り進めていただくとともに、今後は見直し作業の進捗管理も行っていただくよう要望します。

職員の皆さんの貴重な時間は、計画を作るためにあるわけではありません。本年6月議会で第5次総合計画・後期基本計画の素案について報告がありましたが、事前の説明も含めて幹部職員の方々が、全ての委員会を駆け回っていらっしゃいました。また各部署では多くの職員さんが文章作成に携わったことでしょう。しかしながら、変更項目の中には前期基本計画からの軽微な修正にとどまるものも多く、果たしてあれだけの時間をかける必要があったのでしょうか。また、2020年度には、新型コロナ対策で市役所全体が業務過多の状態であったにもかかわらず、教育大綱の見直しに大きな労力を投じました。あのときに行った改定が、何か具体的な成果や変革につながっているのでしょうか。疑問に思います。

市役所の使命は、市民に質の高い行政サービスを提供することであり、計画を策定することは、そのための一つの手段に過ぎません。目的と手段を混同せず、本当に必要な取り組みにリソースを投入すること。それは、本件のみならず、行政改革を進めるうえで、極めて重要な視点です。西宮市役所を、合理的で、生産性の高い組織へと変革していただくよう要望して、次の質問に移ります。

保育所年齢別定員の見直し

【2023年9月定例会 一般質問⑥】

≪資料6≫をご覧ください。保育所待機児童問題は、ここ20年以上にわたって、本市の子育て分野における最重要課題であり続けてきました。共働き世帯の増加等により保育需要率が大幅に上昇し、2002年度に3,752人だった保育所等入所数は、2022年度で8,586人まで増加しています。この間、「保育所を作っても作っても追いつかない」、そんな状況が続き、2018年度には待機児童数が過去最多の413人にのぼりました。私も、周囲の友人から「保育所に入れなかった」という声を聞いたことは一度や二度ではなく、待機児童の解消は最も力を入れて取り組んでいる政策の一つです。一方で、出生数の大幅な減少もあり、ここ数年は待機児童数が減少傾向にあります。もちろん、ここでいう待機児童数は厚生労働省の定義に基づく人数であり、潜在的な待機児童も存在することには注意が必要ですが、本市の待機児童数は2022年度が52人、2023年度が56人にとどまりました。国は全国的な保育所利用児童数のピークを2025年度と見込んでおり、本市においても数年以内にピークを越えることが予想されます。民間保育所や地域型保育事業所の経営者からは、今後の経営状況を不安視する声もあがっており、従来のように認可保育所を多く新設することは困難です。こうした状況に配慮しながら、市は依然として発生している待機児童の解消に努めなければなりません。本市の待機児童対策は今、新たな段階を迎えていると言えます。

本市で待機児童が発生しているのは2年続けて1歳児・2歳児のみです。待機児童解消のために、1歳児・2歳児の受入枠拡大が必要なことは明らかで、2歳以下の乳幼児のみを保育する地域型保育事業所の存在が極めて重要です。現在、本市は3歳以降の受入枠が十分に確保できていないこと、いわゆる「3歳の壁」を理由に、事業者自らが卒園後の受入先を確保する場合等を除き、地域型保育事業所の新規開設を原則として認めていません。いま本市が取り組むべき施策は、地域型保育事業所の拡充であり、そのために3歳児以上の受入枠を確保することです。私は「2歳児までは地域型保育で、3歳児からは保育所で」という考え方に基づいて、施策を展開するべきと考えます。現在は、認可保育所でも2歳以下の乳幼児を多く受け入れていますが、地域型保育事業所で保育可能な2歳児以下はできるだけ地域型で受入れ、保育所は3歳児以上の受入に注力する。こうした形で、保育所と地域型保育事業所との共存を図っていくべきです。地域型の中には、既に定員割れを起こしている施設もあり、先行きの不透明さ等から運営を終了する動きも見られ始めているため、これまで待機児童対策に大きく貢献していただいた既存の施設に運営を継続していただくためにも、早急な対応が必要です。

そこで、私がこのたび提案するのは、質問項目に掲げた通り、「保育所の年齢別定員の見直し」です。例えば、資料に示したように、0歳児を10人、1~2歳児を15人ずつ、3歳児~5歳児を20人ずつ預かっている定員100人の保育所があったとします。これを、0歳児5人、1~2歳児10人ずつとすれば、3歳~5歳児を25人ずつ預かることができます。これまで、2歳児と3歳児の定員の差は5人でしたから、地域型保育施設を卒業した新3歳児は5人しか受入れられませんでしたが、変更後は15人の受入が可能です。1学年あたり10人受入枠が増えれば、地域型保育事業所を1つ増設することが可能です。1つの保育所と2つの地域型保育事業所に限定した単純なシミュレーションですが、資料に示したケースだと、1・2歳児の受入枠が合計で7人増加します。これらを複数の地域で行えば、認可保育所を新設せずとも、現在の待機児童は解消することが可能な計算となります。

私たち会派・ぜんしんは、これまでにもこの主張を展開してまいりましたが、市当局は「既に保育室や園庭の面積基準の範囲内で可能な限りの受入れを行っている園が多く、定員の見直しによる3~5歳児の受入枠拡充が困難な状況にある」との回答を続け、前に進んできませんでした。そこで今回、私は全ての保育所を対象に保育室・園庭の面積と定員・受入人数を調査し、「本当に面積が足りていないのか」の検証を行いました。

≪資料6≫をご覧ください。保育所に求められる子ども一人当たりの面積基準を示しています。まず、乳児室・保育室等については、0~1歳児が3.3㎡、2歳児以上が1.98㎡と定められています。2歳児以下の人数を減らし、3歳児以上の人数を増やすという今回の提案では、必要とされる建物面積がむしろ少なくなります。保育室の面積基準は、そもそも見直しを実施しない理由になり得ないのです。定員見直しに伴って、園舎内での配置や間仕切りの位置などには工夫が必要かもしれませんが、物理的に建物の面積が足りないわけでは決してありません。

続いて屋外遊技場、いわゆる園庭については、0~1歳児では必要とされず、2歳以上で3.3㎡とされています。つまり、「0~1歳児を減らし、3歳児以上に充当した人数」×3.3㎡が、定員見直しにあたって新たに必要となる園庭面積です。そこで資料の通り計算したところ、認可保育所・幼保連携型認定こども園の合計94園のうち、「園庭面積が足りないので1人も増やせない」という園は定員ベースで8園、今年度の入所児童数ベースで6園しか有りませんでした。3歳児以上が10人以上、中には100人以上増えても園庭の面積条件を満たせるといった園も多く、園庭の面積を「定員を見直せない理由」として掲げることには無理があります。

もちろん、定員を見直す上での課題が、面積だけではないことは理解しています。しかしながら、これまで当局が繰り返してきた「面積が足りないから見直しできない」との説明は、全くと言っていいほど成り立たないことが判明しました。最大の理由かのように示してきた根拠が崩れている以上、市は定員見直しの検討に正面から向き合うべきです。これまでは、施設の新規整備に注力せざるを得なかったのかもしれませんが、待機児童を取り巻く状況が大きな転換点を迎えている今、保育所の年齢別定員枠の見直し、そして地域型保育事業所の拡充こそが、最重要の施策であると確信しています。

以上をふまえ、2点質問します。

①認可保育所における3歳以上の受入枠増加を前提に、事業者自らが卒園後の受入先を確保する場合以外についても、地域型保育事業所の新規開設を進めるべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

本市の保育需要率は年々上昇しており、待機児童が発生している1歳児・2歳児の受入枠については今後も拡大する必要があります。そのため、議員ご指摘のとおり、0歳児~2歳児のみを対象とした地域型保育事業の整備は、1歳児・2歳児の受入枠拡大に寄与するものと考えております。現在、3歳児以降については待機児童が発生していない状況であるにもかかわらず、議員ご指摘のように、地域型保育事業の中には既に定員割れを起こしている施設があります。また、就学前児童数が減少し続けていることにも鑑み、新規開設については慎重に検討しなければならないと考えております。

②地域型保育事業所の卒園生を受け入れるため、認可保育所の年齢別定員を見直し、3歳以上の受入枠を増やすべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

○答弁要旨○

待機児童が発生している1歳児・2歳児の受入枠拡大にあたっては、これまで、保育所等の新設だけでなく、既存の保育所等に対し、園庭及び保育室の面積要件も踏まえ、可能な限り定員を超えた受入れを依頼し、協力を得てまいりました。また、卒園後の受入先を確保することを条件に、地域型保育事業の整備も進めてまいりました。したがって、議員ご提案の、既存の保育所等の0歳児~2歳児の定員を減らし、3歳児以降の定員を増やすという年齢別定員の見直しについては、検討してきておりませんでした。保育所等の年齢別定員を見直すためには、各保育所等の園舎の構造、保育室等の配置、調理室やトイレ等の設備、認定こども園については学級編成にかかる部屋数等、ハード面における課題のほか、人員配置や運営面でも解決すべき課題が多数あると考えます。また、就学前まで同一の施設で保育を受けさせたい、あるいは2箇所の施設に送迎をすることを避けたいというニーズも高いことから、保護者の理解を得る必要もあります。さらに、地域型保育事業の整備による1歳児・2歳児の受入枠確保と、保育所等の年齢別定員の見直しによる3歳児以上の受入枠確保を同時に実施しなければ、待機児童が増加する要因にもなります。このように、保育所等の年齢別定員の見直しには、留意すべき事柄がありますが、年齢別定員の見直しも含め、今後の少子化を見据え、既存の施設を有効活用しながら待機児童を解消するための様々な施策について検討していきたいと考えております。

■再質問

一つずつ論点を押さえながら、意見・要望・再質問を進めてまいります。

まず、年齢別定員の見直しについて。ご答弁ではハード面の留意すべき事柄として、「園舎の構造」「保育室等の配置」「調理室やトイレ等の設備」「認定こども園については学級編成にかかる部屋数」等を挙げられました。

皆様お分かりの通り、ここでは、面積については一切触れられていないんですね。そうなんですよ、面積は問題じゃないんです。建物や敷地の総面積が足りないわけではなくて、構造や配置の都合で、できない場合がありますよ、という話なんです。

先ほども触れましたが、これまで市が我が会派の予算要望に対し、公式に示してきた見解をもう一度読み上げます。

「既に保育室や園庭の面積基準の範囲内で可能な限りの受入を行っている園が多く、定員の見直しによる3~5歳児の受入枠拡充が困難な状況にある」。

定員の見直しができない理由を、保育室や園庭の面積と説明してきたんですね。今回の調査では、この回答が誤っていたということが明らかとなり、先ほどのご答弁は、そのことを事実上お認めになったものだと受け止めています。

さて、そのうえで、面積が足りていても、ハード面の制約があるというご説明は一定理解できます。しかしながら、その制約が、全ての園に該当するとは思えないんですね。間仕切りの位置を変更したり、園舎の使い方を工夫したりすることで、解消できる場合もあるでしょうし、どうしても優先すべき地域の保育所であれば、市の費用負担で改修や増築を行うことも選択肢の一つです。

現在の受入人数に対して、園庭の面積に余裕のある保育所が多いことは、先ほどお示しした通りですし、建物に注目しても、保育室等の面積が必要面積より100㎡以上も多い園が複数存在していました。こうした園では、改修や増築を実施できる可能性が十分にあると言えるでしょう。制約する要因があるからといって、全ての保育所で定員変更ができない、という姿勢ではなくて、1つずつの保育所について、個別の事情を具体的に確認し、定員見直しの可能性を検証してください。

ご答弁では保護者のニーズについても言及があり、「就学前まで同一の施設で保育を受けさせたい」「2箇所の施設に送迎をすることを避けたい」という思いは、もちろん理解できるところです。一方で子どもを預けることができずに困っている、どこか受け入れ先を用意してほしい、という保護者のニーズも同じように大切にされるべきです。待機児童が一切発生しておらず、全ての方が希望する園に入れている状態であれば、満足度や利便性の向上に重点を置いて良いのかもしれませんが、少なくとも現時点では、待機児童の解消が優先されるべきと考えています。

さて、ここまで、地域型保育事業所の開設にあたって最も大きなネックである3歳の壁の問題は、認可保育所の年齢別定員見直しによって解消できる可能性が高いことをお示ししてきました。そして地域型保育事業所の整備が、1・2歳児の受入枠拡大に寄与することは、先ほど市もお認めになった通りです。にもかかわらず、答弁は「新規開設については慎重に検討しなければならない」という後ろ向きなものでした。待機児童が発生している、しかし地域型保育事業所の新規開設は行わない、とすると、他の手段で待機児童を解消しようというお考えなのだろうと思います。

ここで、再質問します。保育所待機児童を解消するために、市が現在実施しようとしている手法を具体的にお答えください。

○答弁要旨○

待機児童が発生していることについては大変重く受け止めておりまして、解消する必要があると考えております。その認識は変わらないところでございます。待機児童を解消するため、先ほども申し上げたような、卒園後の受入先を確保することを条件にした地域型保育事業所の整備のほか、私立幼稚園に対し、認定こども園への移行を促し、保育が必要な児童の受入枠を拡大するといった対策を引き続き推進して、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。

では、その手法で、待機児童を解消できる具体的な目途は立っているのでしょうか。解消を見込んでいる年度とあわせてお答えください。

○答弁要旨○

待機児童解消の目処ということでございますが、これは毎年のことではありますが、一年も早い早期の解消を進めるという考えでございまして、何年度に解消ということは申し上げることができませんが、1年も早く、解消、ゼロを目指していきたいというふうに考えております。解消策についてでございますが、先ほどのご答弁でも申し上げた通り、様々留意すべき事柄はございますが、年齢別定員の見直しも含め、今後の少子化を見据え、既存の施設を有効活用しながら、待機児童の解消には、引き続き、最大限取り組んでまいりたいと考えているところです。

■意見・要望

目途が立っていないのなら、やはりご答弁いただいた手法以外の取り組みが必要です。私はその中で最も有効なのが、今回提案した地域型保育事業所の新規開設だと思っています。

また、地域型保育事業所については、既存施設の中に撤退の動きがあることも大きな課題です。

こうした事業者の皆様は、これまで本市の待機児童対策に大きく貢献してこられました。待機児童のピークを過ぎた途端に、役割を終えたかのような扱いをしてしまうことは、信義に反します。やはり私は「2歳児までは地域型保育で、3歳児からは保育所で」という方向性に基づいて、施策を展開すべきと考えます。昨年12月議会には、我が会派のしぶや議員が「地域型保育事業所に対して、移設・改修時の補助が行われていない」という問題を指摘しておりますが、今後は認可保育所と地域型保育事業所が共存していける仕組み作りが欠かせません。認可保育所の年齢別定員の見直しは、その一環として極めて有効な施策です。

出生数が減少し、保育施設の整備が一定進んだ今、就学前児童をめぐる環境は大きく変化しています。従来の施策をそのまま展開し続けるのではなく、発想の転換と、状況に応じた柔軟な政策推進をお願いして、私・たかのしんの一般質問を終わります。