Policy
政策ライブラリー
中連体における服装等の指定
【2025年12月定例会 一般質問①】
阪神甲子園球場で開催される小学校連合体育大会(通称・小連体)と、中学校連合体育大会(通称・中連体)は、本市の誇るべき伝統行事です。私は、社会で生き抜く力を育む上で、集団行動を学ぶことは重要と考えておりますし、集団には一定の規律が求められるという考え方にも賛同します。一方で、生徒を必要以上に縛り付けるルールは好ましくなく、その水準は、時代・価値観・社会的な背景等によって、変化していくものと考えています。今回の質問は、過去には当然と受け入れられていた規程について、考え方をアップデートするよう求めるものです。
資料1をご確認ください。中連体の服装規程では、開閉会式に参加する各校の代表生徒・大会プラカードや校旗を持つ生徒・アナウンスを担当する生徒等について、白基調の靴と白靴下を着用するよう定められています。私は2022年9月定例会の一般質問で「校則見直しの推進」を取り上げ、服装や髪形の過度な指定など、合理性を欠く規定は見直すよう問題提起しました。その時点で、靴や靴下の色について、すでに白以外を認めている学校も存在しましたが、その後、各校での見直しが大きく進み、白以外の靴・靴下で通学する中学生は珍しくなりました。その結果、白の運動靴や靴下を持っていない生徒が多くなっています。そんな生徒に対して白靴・白靴下を指定すれば、中連体のためにそれらを購入しなければならないこととなります。私は、実際にそうしたケースが発生したことを耳にしています。
大半の学校における普段の服装が白靴・白靴下で、「ほとんど皆が白靴・白靴下を持っている」という時代なら、問題にはならなかったのだと思います。しかし、開会式・閉会式での白靴・白靴下は、わざわざ購入してまで揃えなければいけないものなのでしょうか。各校の生徒がそれぞれの制服や体操服を着ていて、そもそも全員が同じ服装ではないのに。白以外の靴・靴下も、各校では公式の服装として認められているのに。スタンドからは、グランドに立つ生徒の靴や靴下は、ほとんど見えないのに。これが、現在において合理的な規定だとは思えません。
中連体に向けた準備段階では、これらの規定を問題視する声があがったと聞いています。しかし、中連体を主催する西宮市中学校体育連盟と教育委員会は、そうした意見に耳を傾け、具体的な検討を行うことはありませんでした。それどころか、白の運動靴を持っていないなら、上履きや体育館シューズで参加せよと通達したのです。いや、上履きや体育館シューズって、室内で履く靴ですよね?それで甲子園球場の土の上を歩いて、家に帰ってそれを洗って、次の日からまた学校で履けって言うんですか? 白靴・白靴下で開会式・閉会式に参加させることって、そんなに大事なんでしょうか。ここまでくると、もはや白靴を履かせること自体が目的化しているのではないか。中体連と教育委員会の価値観が、あまりにも世間とずれているのではなか。と、言わざるを得ません。
先に述べた私の一般質問において、教育委員会は「校則の見直しは重要な取り組みと考えており、時代や社会状況に応じた適切な内容になるよう、見直しを依頼してきた。」「社会通念上理解しがたい内容のものや、あいまいな表現で分かりにくいものについては、見直しを求めるなどの指導が必要」「文部科学省が改定する生徒指導提要に、時代に合わせた検証が必要であると示されている」と答弁し、時代に応じて校則を見直すことの重要性を明言しました。2024年3月の予算特別委員会教育こども分科会で、私が校則見直しの進捗についてお伺いした際も、各校で見直しが進んでいること、なぜその校則が必要かという意見交換を含めて、生徒が主体的に参画していること、教育委員会としても会議などでの情報共有を図っていること等をお答えされ、前向きに取り組んでいらっしゃる印象を受けました。私は、中連体における過度な服装指定が、これまで積み重ねてきた校則見直しの方向性に逆行していることを、強く懸念しています。同じ中学生たちを対象とし、同じ教育委員会が進める取り組みに、整合性がないことは説明がつきません。この点については、中連体のみならず、全ての全市的な行事において留意するべきです。
以上をふまえ、2点質問します。
①中連体の開会式・開会式における白靴・白靴下の指定は、次年度から廃止するべきと考えますが、教育委員会の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
中学校連合体育大会(以下、中連体)における開閉会式につきましては、厳粛で清新な中で、生徒の集団への所属感を深め、責任感や連帯感の涵養等に資することをねらいとする式典として開催しております。そのため、式典にて校旗・プラカード・アナウンスなどを担当する各校代表生徒の服装は、白基調の靴、白靴下に統一しております。
式典を含む中連体参加生徒の服装につきましては、中連体事務局の担当部署にて検討が行われ、次いで、体育主任理事会・演技図説明会での協議を経て、各担当部署代表者が出席する「各係最終打合せ会」にて承認を得て決定をしております。次年度の中連体における服装につきましても、同様の手続きを経て決定することとなります。
教育委員会といたしましては、中連体の式典における、現在の靴・靴下に関する規程は、厳粛な雰囲気の中で式典を行うという観点から一定の合理性があるものと考えておりますが、各校で服装等の校則の見直しが行われていることも踏まえ、時代に合わせたあり方について、今後、協議を行ってまいります。
②全市的な行事における服装等の指定は、各校の校則で定める服装等に準じたものであるべきと考えますが、教育委員会の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
校則につきましては、各校にて定めているものであり、生徒の実態や生徒指導方針等によりまちまちとなります。教育委員会としましては、全市的な行事については、その行事ごとの趣旨やねらいがありますので、各校における校則と全市的行事の規程は必ずしも一致させなければならないものとは考えておりませんが、各校の校則の見直しなども踏まえ、今後、検討を行ってまいります。
■再質問
各校での校則見直しもふまえて、協議や検討を行ってくださるということですので、一旦、前向きに受け止めておきます。ただですね、私は、その協議や検討の結果というのは、やはり制限を緩和する方向性であるべきだと、思ってるんです。今回、質問にあたって、教育委員会の方々と協議を重ねてきたんですけど、そこで結構驚いたのが、皆さん、「白靴・白靴下で式典に臨むのは素敵なことだ!」「靴や靴下まで揃えるのは良いことだ!」と、心から思っていらっしゃるご様子だったことなんです。びっくりしました。と、いうのが、私はこの課題を知ってから、保護者の方や、中学生ともお話しましたし、SNSにこの件を書いたところ、わりと多くのご意見をいただきました。その中で、「やっぱり開会式は白靴だよね~」というお声は、1つも無かったんですよ。「えっ、わざわざ開会式のために買わなあかんの?」とか、「いまだにそんな細かく指定されてるんや(笑)」とか、そんな反応が大半だったんですね。答弁では「現在の靴・靴下に関する規程は、一定の合理性がある」「校則と全市的行事の規程は必ずしも一致させなければならないものとは考えていない」という表現で、教育委員会の姿勢が示されましたが、今の生徒や保護者の感覚とは、随分と乖離しているように思えてならないんです。
ここで、教育長に再質問いたします。仮定の話で恐縮なんですけど、藤岡教育長がもし、中学生、開会式に参加する生徒会役員の子に、「なんで、白靴じゃないと駄目なんですか?」と聞かれたら、どうお答えになりますか?「私たちの学校では、靴は何色でもいいんです。去年、“中学生に相応しい服装って何だろう”ってみんなで話し合って、校則を変えたんです。だから黒の靴しか持っていなくて…」と言われたときに、なんとご説明されますか。お願いします。
○答弁要旨○
まず、最初に申し上げておきたいのですが、私としましては、必ずしも今の服装の規程が今の子供たちにふさわしいものかどうかということを絶対的に正しいなどとは思ってはおりません。
先ほどの答弁でも申し上げましたが、当然、服装のような、当然社会的な考えであるとか、または個々人によっても様々な多様な考えがございます。そういったものについて、一方的に大人がこれが正しいという形で決めつけることは、私は正しくないと思っております。
ですので、先ほどお話があったような、仮に質問があれば、では、君たちはどうしたいのかと、君たちは何がふさわしいと考えるのかということをやはり問いかけたいというふうに思っております。今、たかの議員がおっしゃられたように、子供たちの考え、また保護者の考えというのは、様々あると思いますし、また、当然時代の流れによっていろいろと変化も当然あると思います。そういったものにつきましては、やはり前例踏襲ということにこだわるのは決していいことではないと思っております。その際に、先ほどたかの議員もおっしゃったかと思いますが、やはり子供の参画、子供たちは実際どう考えるのかということが大切だと思っております。そういったことについては、児童の権利条約またこども基本法、そういったものを踏まえて、やはり子供たちの意見をしっかりと受け止めて見直していくことが何より大切だと思っております。
そういった考えにつきましては、一方で、やはり子供のわがままを助長するんじゃないのかとか、子供はまだ適切な判断ができないのではないのかというような懸念の声もある場合もありますが、私といたしましては、やはり子供の意見表明権というのは尊重されるべきだと思っております。
児童の権利条約第12条に意見表明権は制定されておりますが、多分皆さん意見というと誤解をされているんだと思うんですが、英語で正文を見ますと、この意見は「opinion」ではありません。「view」という単語が使われております。「opinion」というのはある意味個人的な意見です。これは確かにそれを主張すればわがままということになるんでしょうが、英語の正文では「view」ということになっています。「view」というのは、視野とか眺めとかという意味があるように、もっと広
い客観的な様々な状況を踏まえた上での自分の考えということになりますので、もう少し客観的な自分の考えだけを押しつけるようなものではないものです。やはりその英語に込められたこのニュアンスの違いというのは、すごく意見表明権では大切なところかなと思っております。
少なくとも今、話題になっております中学生に関しましては、この「opinion」ではなくて、「view」をきちんと考えることができる子供たちばかりだと思っておりますし、きちんと考える視点を、例えば今の時代どうなっているのかとか、もしくは自分はよくても、ほかの子供たちはどう思っているのかとか、そういったことをしっかり視点を踏まえれば、きちんと子供たちは考えてくれるものだと思っております。先ほど申し上げましたように、しっかりと主催団体、共催団体と協議をして、見直しを進めていきたいと思っておりますが、その際には、たかの議員からも御指摘ありましたような、子供たちの感覚というものをしっかりと受け止めて、見直しをしていきたいというふうに思っております。
■意見・要望
再質問してよかったなと思っております。事前に、もちろん当初の答弁につきましては、教育委員会事務局の方々との協議を経て練り上げていったものですが、今の教育長のご答弁はそこからさらに踏み込んでいただいて、考え方の部分や、大切にしなければならないこと、その辺りに踏み込んでいただいたので、本当に今のお答えをいただけてよかったなと思っています。
今、教育長がおっしゃったことというのが、私もこれまで提起をしてきた校則の見直しの推進ですよね、生徒が主体的に考えて自分たちでやっていこうと、ある種の主権者教育といいますか、主体性を持って自分事として考えていこうというところとも同じ方向性のことだと思いますので、ぜひこの場でそのご答弁をいただいたということの重みを踏まえて、教育委員会事務局におかれては、次年度以降の検討を進めていただきたいなと思います。
今、教育長には何の調整もなく例えばの話としてご答弁お願いしまして、失礼なことだったかなとは思うんですけれども、今、お話させていただいた、こういう子が、もしこの生徒会役員の子がとても心優しい子だったら、親御さんに靴を買ってほしいということも気が引けて、開会式に参加するかどうかを悩んでしまうかもしれない。私は中学生にそんな思いをさせたくないんですね。今の取扱いのままでは、そうした状況が発生しかねないということをどうかご認識いただきたいと思います。
そして、今後協議や検討を進めていただく中では、生徒や保護者の声を聞くなど、必ず多様な観点を取り入れるようにしてください。ここも今、教育長からきちんと触れていただいた部分ですから、ぜひそのような形でお願いをしたいと思います。といいますのも、同質性の高い組織というのは、どうしても特定の価値観に偏って、バランスの取れた判断を行いにくくなると思っています。中連体の運営は、事務局も学校現場も体育の先生が大半の役割を担っています。そのご尽力には心から敬意を抱きますし、決して体育の先生が悪いと言っているわけではありません。しかし、体育を通じた人間教育に力を入れるがあまりに、あるいは中連体の伝統を大切にするがあまりに、現代の価値観をうまく反映できずにいる、それが今回の事案の本質だと感じています。質問の冒頭に申し上げたとおり、中連体に携わる皆様に考え方をアップデートしていただくよう強く要望します。
オンライン手続の利便性向上
【2025年12月定例会 一般質問②】
私は2020年9月定例会において「行政手続のオンライン化ならびに業務の整理」と題した一般質問を行い、その後も2023年3月定例会において「行政手続オンライン化の進展」を取り上げるなど、行政手続のオンライン化については、高い関心を持って提言を続けてまいりました。5年前、市のホームページに掲載されたオンライン申請が約20件だったことを思えば、「にしのみやスマート申請」が導入され、各課がメールで申請を受け付けるケース等も含めて、多くの手続をWEB上で行えるようになった現状については非常に喜ばしく思うとともに、デジタル推進部をはじめとする庁内各課のご尽力に敬意を表するものです。一方で、既にオンライン化された手続の中には、利便性のさらなる向上が求められるものも存在しており、本日はそれらについて取り上げます。
資料2をご覧ください。例えば、「公園内行為許可申請」は、地域団体がお祭りやイベントで公園を使用する際に必要な手続で、公園緑地課のホームページから申請書をダウンロードし、メールで送信します。しかしながら、許可書については市役所まで受け取りに行く必要があり、どうしても難しい場合には、返信用の切手を貼った封筒を市へ郵送し、送り返してもらう形となっています。これでは、せっかく申請をオンライン化しても、結局は来庁や郵送が必要な手続となってしまいます。その理由は、許可書に公印が捺印されていることのようですが、それなら「捺印を不要にできないか」「できない場合は電子署名など捺印にかわる手段を導入できないか」等、検討の余地はあるものと思われます。
次の例は、健診の受診申込です。本市は北口保健福祉センター健診施設などで各種健診を実施していますが、20歳から39歳を対象とした「すこやか健康診査」等では、まず受診券を申し込まなければなりません。この受診券の申込は「にしのみやスマート申請」上で行えますが、実際の健診の予約は、受診券が手元に届いてから改めて、それぞれの健診機関に対して行う必要があります。日時予約は一部、WEBにも対応しておりますが、受診券とともに送付されてくる問診票は手書きの形式です。受診券の申込・日時予約・問診票の記入まで、オンライン上でまとめて行える仕組みが理想的です。
3つ目の例は、名義後援の申請です。行事等を開催する際に、市と教育委員会の両方に名義後援を依頼するケースはよくありますが、現在、両者は別の手続とされているため、申請が2回必要です。求められる入力内容はほぼ同じですので、入力は1回で済むようにし、最後に「市へも申請する」もしくは「教育委員会へも申請する」といったチェックボックスを設ければよいのではないでしょうか。
ここまで本市の事例を3つご紹介しましたが、これらの課題はデジタル行政推進法に掲げられた3つの基本原則に反している状態と言えます。基本原則の1つ目、デジタルファースト「個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結する」。今回の事例では、公園内行為許可申請や健診の問診票が、デジタルファーストとなっていません。2つ目、ワンスオンリー「一度提出した情報は、二度提出することを不要とする」。健診の申込や名義後援の申請では、複数回、同じ情報を入力・提出しなければなりません。3つ目、コネクテッド・ワンストップ「民間サービスを含め、複数の手続・サービスをワンストップで実現する」。市と教育委員会の申請が別々となっている名義後援は、まさにワンストップ化が必要です。
今回、取り上げた事例は、多数のオンライン手続が存在する中で、ごく一部に過ぎません。当然、庁内には同じような課題を有した手続が多くあるものと思われます。重要なのは、それぞれの手続を個別に改善するのではなく、統一的な考え方に基づいて、全庁的に見直しを進めることです。そのためには、各所管課の自主性に任せるのではなく、デジタル推進課が体系的な取り組みを示すことが重要です。
以上をふまえ、2点質問します。
①オンライン化された手続のうち、利便性の向上が必要なものを全庁的に洗い出し、課題を整理するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
本市では、市民の皆様の利用頻度が高い、年間申請件数1,000件以上の手続を重点対象として、手続のオンライン化を推進してきたところです。その結果、対象手続におけるオンライン化した手続の割合は、令和5年度は25.8%でありましたが、現時点では54.4%に達しており、着実に利用可能な手続を拡大しているところです。手続きのオンライン化を実施する際には、単なるデジタル化にとどまらず、申請項目や添付書類の必要性を精査するなど、業務そのものの見直しも併せて行い、市民の利便性向上および業務の効率化に努めてまいりました。
一方で、議員ご指摘のように、申請自体はオンラインで完結しているものの、許可書等の交付に当たっては窓口への来庁や郵送が必要となっている手続があることは認識しており、電子署名など、押印に代わる実現可能な手段については、既に検証を行っているところです。また、「情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律」いわゆる、「デジタル行政推進法」の基本原則の観点からも整理が必要であると考えております。しかしながら、本市の行政手続は全体で1,500手続以上に及ぶことから、まずは個々の手続における「申請」から「交付」までの現状を把握する必要があります。このため、手続オンライン化の進捗状況の確認と併せて全庁的な照会を行い、利便性向上が必要な手続の洗い出しの実施を検討してまいります。
②洗い出した手続に対し、類型ごとの見直し手法を提示して改善を促すとともに、進捗管理を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
先ほど申し上げました全庁的な照会等を通じて、利便性向上が必要な手続の洗い出しと現状把握を行った上で、抽出された課題を類型化し、電子交付の導入や押印の見直しなど、各類型に応じた統一的な対応方法を検討し、更なる利便性向上に取り組んでまいります。
■意見・要望
利便性向上が必要な手続の洗い出しと現状把握、抽出された課題の類型化、各類型に応じた統一的な対応方法を検討し、さらなる利便性向上に取り組むとのご答弁、高く評価します。是非、その通り進めてください。
ご答弁にもありました通り、オンライン化の促進や利便性の向上にあたっては、既存の業務フローを前提とするのではなく、業務のあり方自体を見直すことも重要です。オンライン手続のみならず、各部署が主体的に業務改善へ取り組むには、頑張った職員や部署が正当に評価される仕組みが必要です。昨日、維新の会の多田議員も、事務事業評価シートに関する一般質問の中で、「組織文化とインセンティブの観点」という言葉でご指摘されていましたが、職員の皆さんからは、「せっかく業務改善しても、余裕ができたからといって人を減らされる、予算を減らされる」という嘆きの声をよく耳にします。そうした意識を払拭するために、例えば、オンライン化に代表される業務改善の推進を、人事評価・目標管理の項目に加えることを検討してください。それにより、オンライン化が大きく進んだ自治体もあると聞いていますので、取り組みの実効性を高める手段として有効と考えられます。
マナー指導啓発業務のあり方について
【2025年12月定例会 一般質問③】
本市は、朝7時~9時の間、鉄道駅周辺において啓発員が巡回する「マナー指導啓発業務」を実施しています。業務内容は、「快適な市民生活の確保に関する条例」に基づく、歩きたばこ・ポイ捨てに対する指導・啓発と、たばこの吸い殻などのゴミ拾いで、公益社団法人西宮市シルバー人材センター、以下シルバーへ、随意契約で委託されています。2024年度の実績は、契約金額が約438万円で、実施場所は10駅・18ヶ所、合計実施回数は804回です。オレンジ色のベストを着用した2人組の啓発員が巡回している様子を、目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
私は、朝の駅前で市政報告チラシをお配りしている際、この啓発員の方々とよくお会いします。周囲の方に気持ちよくあいさつをされたり、熱心にゴミ拾いをされたりしている方がいらっしゃる一方で、駅によっては、ただポータブル拡声器で音声を流すだけで、ずっと立ち止まったままという方もお見受けします。業務として定められたゴミ拾いさえ行わないのなら、この委託金額に見合う働きとは言えません。同様の問題意識を、市民の方からも複数、頂戴しています。
資料3をご覧ください。シルバーから市に提出されている、報告書の内容をまとめたものです。2023年9月定例会において、「路上喫煙対策の強化」について一般質問した際にも触れましたが、歩きたばこやポイ捨てに対して声掛けを行った件数が、声掛けできなかった件数を大きく下回っていることは問題です。また、声がけできた割合は駅によって、つまり啓発員によって大きく異なります。認知件数そのものにも大きな開きがあり、もちろん駅によって一定の差が生じるとはいえ、年間100件を超える箇所と、10件未満の箇所があることは不自然で、業務に対する意欲や報告の精度にも疑念を抱きます。本当に、歩きたばこもポイ捨ても0件なのなら、その箇所は巡回の対象から外し、別の駅周辺を巡回するべきです。市はまず、実地調査を含めて委託先へのモニタリングを強化し、本業務の実態を的確に把握するべきです。あわせて、その効果についても、定量的に計測しなければなりません。
その上で、私は当該業務について、廃止も含めた抜本的な見直しが必要と考えています。財政構造改善の取り組みが進められる中、効果の不透明な業務に、多額の予算を投じ続けることは困難です。路上喫煙の禁止については、阪急西宮北口駅の北西側と、JR甲子園口駅の南側を禁止区域に追加する方針が示され、本定例会では過料徴収に伴う条例改正案も上程されました。これらは私が求めてきた取り組みであり、歓迎するものですが、その実効性を担保するには、過料徴収の可能な指導員、警察OBである会計年度任用職員の存在が不可欠です。路上喫煙対策を強化するなら、歩きたばこに対する声掛けしかできない啓発員より、強力な権限を持つ指導員の拡充に予算を投じた方がはるかに効果的です。資料右側の表をご覧ください。啓発等の業務と巡回指導について、阪神間6市の実施状況を比較したところ、啓発等と巡回指導をどちらも実施しているのは本市のみでした。喫煙禁止区域での過料徴収を行っている市は全て、警察OBによる巡回指導のみを実施しています。
市がシルバーに業務を発注する意義は、本年6月定例会で取り上げた通り、私も認めているところです。しかし、駅周辺の業務をシルバーに委託している自治体の中には、効果の不明瞭な「啓発」ではなく、市民からのニーズの高い「清掃」に特化しているケースもあります。また、同じ平日朝の時間帯で、シルバーが担える業務は他にもあります。例えば、昨日も公明党議員団の大川原議員が取り上げていらっしゃった通り、近年、小学校では保護者の就労等により、先生が出勤するより前に登校せざるを得ない子どもたちが多く、その時間帯を校内でどう過ごすのか、という課題が生じています。先日、管外視察で訪問した東京都三鷹市では、その見守り業務をシルバーに委託しており、本市でも導入を積極的に検討するべきと考えます。
以上を踏まえ、2点質問します。
①マナー指導啓発業務の実施状況について、実態を詳しく調査・把握し、効果検証を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
本業務は、歩行喫煙やポイ捨てをする方々に条例を周知し、行為を控えるよう依頼すること、及び、路上のゴミを拾うことを目的として、西宮市シルバー人材センター(以下、シルバー)に委託しています。警察OBによる巡回指導とは異なり、シルバー会員には指導の権限がないため、業務は啓発と清掃に限定されております。そのため、シルバー会員と巡回指導員が外見上、同一視され、市民の誤解を招いていると考えられます。今後は、この誤解を解消し、業務の在り方を整理する必要があると認識しています。一方、業務委託の効果を示す定量的な指標としてお示しできるものは、現在ございませんが、専用ベストを着用した会員の存在は喫煙抑止に効果があり、啓発活動はマナー向上に一定寄与していると考えております。また、清掃活動は地域の美化に貢献し、ポイ捨ての抑制にもつながっていると考えております。しかしながら、議員ご指摘のとおり、駅毎の声掛けの実情や歩きたばこの発生状況など本業務の実態を的確に把握することは重要であり、市としましては、マナー指導啓発業務の実施状況について、現地に赴き、直接確認する調査を行い、業務の実態把握に努めてまいります。
②マナー指導啓発業務のあり方について、廃止も含めた抜本的な見直しが必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
本業務のうち、特にたばこに係るポイ捨ての清掃業務の強化につきましては、地元から共通した声や反応が見受けられることから、今後の喫煙禁止区域の追加指定に伴い、区域周辺にも活動範囲を拡げた清掃の取組を強化したいと考えております。また、啓発業務につきましても、喫煙禁止区域の追加指定に伴い重要であると考えておりますが、啓発業務の手法については一定見直すべきとの認識を持っております。業務の実態把握の結果を踏まえ、また、他市の事例を参考にしつつ、シルバーへの啓発業務の委託のあり方も含めて、より効果的かつ有効な手法の検討を進めてまいります。
■意見・要望
「現地に赴き、直接確認する調査を行い、業務の実態把握に努める」「啓発業務の委託のあり方も含めて、より効果的かつ有効な手法の検討を進める」とのこと、非常に前向きな姿勢を示していただきました。是非ご答弁の通り進めてください。啓発業務の委託のあり方については、小手先の見直しで終わらず、廃止も含めた抜本的な見直しを行うよう改めて要望します。
市政ニュース制作の適正化について
【2025年12月定例会 一般質問④】
資料4をご確認ください。本年10月25日号の市政ニュースを見て、私は大きな衝撃を受けました。7年連続で実質的な赤字を計上し、財政状況の厳しさについて議会からも多くの指摘を受けている中、1面に掲載された「財政構造改善の今」という記事において、実質単年度収支が「改善」、基金残高の見通しが「改善」と大きく打ち出され、財政状況が好転したかのように誤解させる内容だったからです。財政構造改善のため市民や職員に負担を求めているにもかかわらず、このような楽観的な記事を掲載してしまえば、危機感が弛み、取り組みの実効性に影響を及ぼすことも懸念されます。当該記事の問題点については、本日の午前中、啓誠会の松本議員が鋭く追及されたところです。松本議員の指摘に対し当局は、「誤解を招く可能性があった」と認め、「市としての不利益につながる」可能性についても答弁されましたので、私は別の観点で、「何故このような記事を掲載してしまったのか」「どうすれば同じような事態を防げるか」という、紙面の制作過程に着目して質問を行います。
市政ニュースの制作、中でも今回問題となった1面の記事は、その施策を担当する課と広報課が協議しながら紙面の案を作成します。財政構造改善のように重要な案件等の場合は、発行の3週間ほど前に市長へ概要を報告し、その後、課内・部内での校正を繰り返します。最終段階手前で再度、市長に紙面の確認を受け、局長や副市長の了解も取り付けて、確定となります。今回の事案は、この過程におけるチェック機能が、十分に働かなかった結果と受け止めています。
ちなみに、先ほども取り上げられた通り、一昨日の本会議で市長は「西宮市として、7年連続の実質赤字という表現はしていない!」という驚きのご発言をされていました。松本議員の質問に対して、市長いろいろとおっしゃっていましたけど、資料をご覧くださいね、左側のグラフの下「実質的に赤字が続いています」とはっきり書いていますよ。明らかに、一昨日の発言は誤りであったと、不適切であったと、私は思います。そして、その紙面を、市長は発行前にご自身の目で確認されていますよ、ということは、私の質問に関連して、申し添えておきます。
さて、私はこの度、本件の経緯や原因を確認するため当局と協議を重ねましたが、「この内容を認めたのは誰なのか」とお聞きしても、明確なお答えはありませんでした。担当者から市長に至るまで、複層的に多くの目で確認することは重要ですが、責任の所在が曖昧となっていることは否めません。公式な決裁としては、1面以外も含めた掲載希望が出そろったタイミングで、局長権限によって発行が承認されますが、この段階で添付されるのは全体の紙面構成にすぎないと聞いています。1面記事の内容はラフ案の状態であり、今回のような1面記事の打ち出し方について、決裁時に指摘することはできません。最も重要な1面記事の内容が、口頭承認で確定する運用とされていることは、大きな問題です。記事の適切さを確保するには、「どの職位の職員が、どの観点で、どの内容を確認するのか」という役割を整理し、権限と責任を明確化する必要があります。その上で、決裁ルートやタイミングについても再考するべきです。
権限・責任の明確化とあわせて重要なのは、紙面確認時の統一的な基準を設けることです。紙面制作の過程でチェックするべき事項は、内容の正確性、伝わりやすさ、紙面の見やすさ、コンプライアンスなど、多岐にわたります。しかし、それらについて明確な基準や指針は存在しておらず、広報課の職員や部長・局長・副市長らの経験則に基づいて、指摘・修正されているのが実情です。属人的な知識・経験に頼りすぎると、チェックすべき項目の見落としや判断の偏りが懸念され、人事異動によって機能が大きく低下するリスクもあります。「どのような記載は避けるべきか」「問題となりうる表現は、どのように修正するべきか」といった基準を設け、マニュアル・チェックリスト等の形式で共有することが必要です。誰が広報課に配属されても、誰がその上席であっても、市として、同じ判断ができるようにならなければなりません。そのマニュアル等の中には、単に注意点を羅列するだけでなく、今回のように議会で指摘を受けた事例等、これまでに問題となった紙面についても取り上げ、本市としての経験を蓄積し、ブラッシュアップしていく姿勢が必要です。
以上を踏まえ、2点質問します。
①市政ニュース、とりわけ1面記事の制作過程において、それぞれの職位が果たすべきチェック機能を明確にするとともに、決裁のあり方についても再考するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
市政ニュース1面記事の制作にあたっては、取り上げるテーマの所管課と広報課で、掲載する項目や内容、表現について協議を行い、それぞれの部局において、確認を行っております。市政ニュース制作の過程において、所管課や広報課の職員からは、現在担当している事業等の内容に関する知見に加え、これまでに携わった業務の経験なども踏まえ、それぞれの職位に応じた視点から、より良い紙面づくりに向けた意見が出されております。広報課では、こうした意見も踏まえながら、最終の紙面を確定させるまでの間、記事の校正を繰り返しております。市政ニュースの制作に、より多くの職員が関わることは、多角的な視点で記事を作成することに繋がっているものと考えておりますが、一方で、それぞれの職員から出される意見については、1面のテーマや所属する部局ならではの視点など様々であることから、一律で職位に応じたチェック機能を明確化することは難しいと考えております。
しかしながら、市政ニュースについては、単に事実を伝えるということだけでなく、市民がどのように受け止めるか、市民に正確に伝わるかといった視点が重要となります。このことから、記事の適切さを確保するためにも、職員のこれまでの経験や職位に伴う視野に加え、市民にどう伝わるかという視点をこれまで以上に意識しながら制作にあたってまいります。これに関しまして、市政ニュースは来年4月のリニューアルで月1回の発行となり、制作スケジュールを見直す時期でもあることから、決裁のタイミングや紙面確認の方法については、これまでの紙面制作前に全体の構成を確認する決裁に加え、紙面内容が概ね確定した段階で再度、内容を確認する決裁を行うことについて検討を進めてまいります。
②同じく市政ニュース、とりわけ1面記事の制作過程において、紙面を確認する際の統一的な基準を策定し、マニュアル等を整備するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
市政ニュース1面については、その時々で市民の関心が高い施策や市として強くPRしたい事業などを毎号異なる分野から取り上げており、2面以降の行政記事とは違った構成となっております。市政ニュース全体では、紙面の配色についてカラーユニバーサルデザインが考慮されているか、イラストや色合いがジェンダーに配慮されているかなど、記事のテーマに関らず共通して確認が必要な項目はあるものの、1面については、特に留意が必要な事項は各号ごとに個別の確認が必要であると考えます。今後は、取り上げるテーマに応じて、どのような視点で紙面を確認することが必要か、テーマを企画する段階や所管課との協議を行う時点から意識して取り組んでまいります。
さらに、リニューアルに合わせて策定を進めている編集方針に、記事のテーマに関わらず共通して確認が必要な項目や視点を組み込むこととし、人事異動により担当が変わったとしても、紙面確認のポイントや紙面の目指すべき考え方が損なわれることのないよう、取り組んでまいりたいと考えます。また、今年の4月からは、今後の紙面づくりの参考とするために、市政ニュースの1面については、発行後に所管課へのアンケートを行っており、紙面に対する市民の方からのご意見や反応、所管課としての評価などを聞き取っております。これまでも、発行後の紙面に対する意見や反響は、課内で共有してきたところではありますが、その経験やノウハウを組織として蓄積できるような仕組み作りに、取り組んでまいります。
このたびの、10/25号の1面に関するご指摘については、真摯に受け止めるとともに、ご指摘いただいた内容を踏まえ、より適切な情報の広報に努めたいと考えます。
■意見・要望
市政ニュースの紙面を確認していく過程について、誰が、どのようにチェックするのかを明文化することは、ご答弁にもあったように、難しい面もあるとは思うんですよ。「この表現は良くないかも…」という感覚のようなものは、必ずしも言語化できませんし、ずっと受け継がれてきた経験知、ある意味では職人芸と言えるのかもしれません。でも、それが正常に機能しなかったからこそ、今回の事態が生じたわけで、再発防止のためには最低限、責任を明確化し、基準を設けることが欠かせないと考えています。
その点、「紙面内容が概ね確定した段階で再度、内容を確認する決裁を行うことについて検討する」というご答弁は、決裁フローの見直しに言及したもので、画期的だととらえています。また、「策定を進めている編集方針に、記事のテーマにかかわらず共通して確認が必要な項目や視点を組み込む」「経験やノウハウを組織として蓄積できる仕組み作りに取り組む」といったご答弁にも、広報課の「何とか改善する方法を考えよう」という姿勢を感じ、好感を抱きました。今後、これらのご答弁を、具体的な取り組みにつなげていただくよう、強く要望します。意思形成、政策決定の過程が見えづらいことは、本市の政策推進に共通する課題として、これまでにも指摘をしてきました。その透明性と客観性を担保することの重要性は、改めて申し上げておきたいと思います。
今回のきっかけとなった10月25日号市政ニュースの1面記事は、「本市の財政状況をどのように捉えるのか」という、あらゆる政策推進の前提となるテーマでした。だからこそ、記事の内容には細心の注意を払い、多角的な視点で検討するべきでした。結果として、市長選挙を来年春に控えた市長が、財政改善を実績としてアピールしたいのでは、あるいは、そんな市長に対して当局が忖度したのではないか、といった疑念を生じさせることになりました。恣意的とも捉えられかねない情報提供によって、市民が市政の状況を正確に把握できないことは、大きな問題です。公正・公平な広報の実現を心から願います。
施設操作課の職務について
【2025年12月定例会 一般質問⑤】
環境局 環境施設部 施設操作課は、西宮浜に位置するごみ処理施設「西部総合処理センター」において、施設の操作を担う部署です。そのうち、焼却施設を担当する第1チームは、主に中央制御室のモニターや施設内の巡回を通じて、焼却炉の監視・点検を行い、必要に応じて、炉内の温度調整や設備の不具合に対する応急対応を行います。焼却炉は24時間稼働しているため、勤務形態は1日2交代制で、夜間の勤務も発生します。
資料5をご確認ください。この施設操作課で勤務する職員について、この度、非常に憂慮すべき情報を入手しました。資料に掲載したのは、当該職員が知人に送ったとされるLINEのメッセージで、あるまじき勤務実態が示されています。
例えば、「7時起床、大寝坊。風呂は職場で入るか。7時5分、家を出る。電車通勤やけど遅刻するから車で行くよ。」と、本来の通勤ルートと異なる手段での通勤や、業務に伴う洗身のために設置された入浴施設を、私的に利用していることが記載されています。
「7時50分、ラジオ体操と引継ぎ。引継ぎは右から左へ」、同様に「15時50分、引継ぎ。16時25分までの謎の待機時間はおしゃべりか漫画」と、業務の一部である引継ぎを軽視していることが分かります。
そして最大の問題として、「今日はなんの漫画読もうかな」「ペアの○○さんは仕事に興味ないのか、監視制御装置に足を載せて競馬新聞。ワイは漫画でも読むか。」、別の日にも有名漫画のタイトルである「美味しんぼ」という記載が頻繁に現れており、勤務時間中に漫画を読むなどの行為が常態化していることが伺えます。
他にも、「9時30分~13時 気絶」「11時~13時 休憩」など、本来の休憩時間を超えて、睡眠や休憩をとっていると思われる記載もありました。
問題点の指摘、改善策の提案等に進む前に、まずは事実確認を行います。このLINEの文面は、当該職員本人が送信したもので間違いありませんか。記載内容の事実関係と、当局の受け止めについてお答えください。
○答弁要旨○
本件について当該職員に確認したところ、知人とのグループLINEであり、遣り取り自体は事実でした。内容については、誇張した表現があるものの、スマートフォンでの漫画閲覧や不要なLINE送受についても認めており該当職員は大変反省しております。市といたしましては、公務中における職務専念義務がある中での当該行為については、由々しき事態であると考えております。
LINEのやり取りは事実である。業務時間中に漫画を読む・LINEを送受する、といった行為があったことも、本人が認めている、ということです。法令遵守や高い倫理観を求められる公務員が、極めて不誠実に職務へ向き合っていたこと、それを外部へ自慢げに語っていたこと。これらが事実であったことに、驚きを禁じ得ません。この度の事態、大変、遺憾に思います。
当該職員の勤務実態は、地方公務員法第29条に定められた懲戒事由のうち「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」へ明らかに該当しますし、その情報を外部へ流布したことは、同第33条で定められた「信用失墜行為の禁止」にも違反します。本市では過去から多くの不祥事が発生しており、私も含め多くの議員が指摘してきた通り、綱紀粛正や再発防止の取り組みが欠かせません。そのためには、非違行為を行った職員に対し、厳格な処分を課すことが不可欠です。
また、先ほどの答弁によれば、マンガを閲覧したのはスマートフォン上で、業務時間中のLINE送受も当然、スマートフォンで行われたものと思われます。そもそも、勤務時間中に、私用のスマートフォンを自由に操作していること自体が問題です。職務に専念させるため、私用スマートフォンの持ち込みや使用は禁止するべきです。
そして、この度の不祥事を招いた最大の要因は、施設操作課の業務体制にあると考えています。本質的なテーマに向き合わず、この事案を1人の職員の規範意識の問題に矮小化してはなりません。今回明らかとなったような勤務実態は、当該職員以外にも蔓延しているとの情報も得ており、組織としての体制や風土の改革に踏み込むべきです。
マンガを読む時間もないほど忙しければ、この事案は発生しなかったことでしょう。業務に余裕がある、あえて平易な言葉で申し上げれば、「暇な時間が多い」という現状が、今回の不祥事を生じさせた大きな要因の一つです。もちろん、監視や点検といった業務は、本来「見ているだけ」で「暇な業務」ではありません。緊急時の対応等も考慮すれば、勤務する職員数を極限まで削減するべきとも思いません。しかしながら、施設技能員が担っている業務の質・量に対して、現状の人員体制はあまりに過剰なのではないか、と考えています。
資料の右側をご確認ください。施設操作課第1チームには、正規職員の施設技能員が20人在籍し、主任1人・班長1人・班員2人の4人で構成される班が、5つ編成されています。うち1班は日勤で点検等を担う整備班で、施設の操作については残る4つの班が順に出勤するシフトとなっています。それぞれの班は4人体制ですが、休暇などの都合で実際の出勤者は3人となっている日も多く、その体制でも特段、問題は発生していません。班体制であっても日によって出勤人数が違うなら、班ごとにローテーションするのではなく、全ての施設技能員について一括でシフトを調整した方が、合理的なようにも思います。また、現在運用されている焼却炉は2炉ですが、大半の期間は1炉のみが稼働しています。以前、3炉から2炉に減少した際には1班当たりの人数を6人から4人に減らしており、事実上、現在は1炉体制となっていることふまえれば、さらなる削減を検討するべきです。運転業務を包括委託している東部総合処理センターでは、業務の一部にAIを導入したこともあり、1班3人体制で運転を行っています。施設の不具合が発生した際、調査や修繕を進めるのは先ほど述べた整備班や、施設管理課の技術職員であり、施設操作を担当する職員が担うのは、予備機への切り替えといった応急対応にすぎません。その頻度も年2~3回とのことですから、施設を操作する人員の体制を削減しても、安定的な焼却炉の稼働に与える影響は限定的と考えられます。
以上をふまえ、3点質問します。
①今回発生した事案について、不祥事の再発防止と綱紀粛正のため、当該職員を厳しく処分するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
現在、施設操作課の全職員に事実確認を行っているところです。確認作業が完了次第、今後の対応について総務局と協議のうえ、厳格な処分を検討してまいります。
②私用スマートフォンを執務スペースに持ち込むことや、業務時間中に使用することを禁止するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
今回の件を受けまして、施設操作課の監視業務中には、原則スマートフォン等の携帯電話の私的利用を禁止とする一方、緊急連絡方法や業務上必要な利用において代替方法等を速やかにルール化し、その運用方法を徹底致します。
③施設操作課の業務体制を抜本的に見直すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
○答弁要旨○
現在、焼却施設の運転員は、ひと班4名の4班体制にて日勤と夜勤の2直体制で業務を行っており、安全・安心な施設運営には、火災発生等の非常時対応に備え、中央制御室1名、クレーン1名、緊急対応2名とする4名が必要と考えております。人員体制については、令和8年度の新資源循環施設の委託化や令和14年度の新焼却施設の官民の役割を明確に分けたハイブリッド直営化を控えており、大幅な体制見直しを行うことから、それらを見据えて更なる効率化が図れるように引き続き検討してまいります。また、運転監視業務のあり方についても今回のご指摘を基に、時代にあった業務体制に改める必要があると考えております。
■再質問
まずは厳格な処分を検討するとのご回答、これは当然のことと思います。不祥事を起こしても甘い処分しか行わなければ、組織の士気やコンプライアンス意識が低下し、さらなる不祥事を生む要因となりますから、必ず、厳しい対応をとってください。
スマートフォンについては、施設操作課の監視業務中での私用禁止を原則とする、緊急連絡方法や業務上必要な利用の際の代替方法等を速やかにルール化し、徹底するとのこと、早急に踏み込んだ対応を進めていることは評価します。一方で、スマートフォンの持ち込み・使用については、施設操作課のみの課題ではありません。職務への専念に加え、情報漏洩を防ぐといった観点からも、民間企業では私用スマートフォンの執務スペースへの持ち込みや、業務時間中の使用を明確に禁止している例も多くあります。
不祥事が頻発していること、個人情報を扱っている部署も多いことをふまえると、全庁的に禁止するべきと考えますが、市の見解を、ここでは総務局にお伺いいたします。
○答弁要旨○
家庭や学校などとの緊急連絡や業務上の必要性により、個人の携帯電話やスマートフォンを使用する場合があることから、ただちに、職場への個人の携帯電話等の持ち込みを禁止することは考えておりませんが、緊急連絡等やむを得ない場合を除き、勤務時間中に個人の携帯電話等を使用することのないよう、改めて周知徹底してまいります。
■意見・要望
ただちに、職場への個人の携帯電話等の持ち込みを禁止することは考えていない。本当に、それでいいのでしょうか。緊急時は直接、職場に電話をかけてもらえばいいですし、介護や育児等でどうしても私用携帯を使用しなければならない職員は、許可制として特例的に認めればよい。業務上の必要性があるなら業務用のスマホを支給すべきで、個人のスマホを業務に活用しているという状態自体が問題です。
私だって、これだけスマホが必需品となっている中で、持込を禁止しましょうなんて、本当は言いたくないんですよ。でも、実際にスマホを職場に持ち込んだ職員が、不祥事を起こしている。昨日、維新の会の浜口議員が強くご指摘された通り、本市では教師による盗撮事件も発生している。そんな中、私用携帯の持ち込みを認め続けるという判断は、有り得ないと思いますよ。不祥事ではなくても、私用スマホが手元にあることで、勤務時間中に、業務と関係のないWEB閲覧や、メッセージのやり取りをしてしまった経験は、皆様にもあるんじゃないですか。「周知徹底」で解決できる課題ではないことを、強く申しあげておきます。
そして、今回の事案を生じさせた背景にある、施設操作課の業務体制について意見を申し上げます。私は、ここが今回の事案における最大のポイントだと考えています。手の空いている時間が多いからこそ、マンガを読んだり、LINEをしたりしていたわけですから。財政構造改善の取組が進められ、人件費の抑制が求められる中、このような勤務実態を認めるわけにはいきません。別に財政構造改善やってなくても認めちゃ駄目なんですけど。
運転監視業務1班4人体制といえど、休暇などの都合で実際には3人体制の日も多い。民間委託している東部総合処理センターでは、常時3人体制で運転監視業務を行っている。にもかかわらず、当面、4人体制を堅持しようとする今回の答弁は、残念なものでした。一方、今後進められる新資源循環施設の委託化や、新焼却施設の稼働とあわせて、体制の見直しや効率化に取り組む考えをお示しいただきましたから、本日のところは再質問を控え、今後の展開を、高い関心を持って見守ることとします。
今回、この事案を取り上げる中で、私が真っ先に思い出したのは、2019年度に実施された「不祥事再発防止の取り組みに係る職員アンケ―ト」です。当時、不祥事が続発したことを受けて行われたこのアンケートでは、本市職員の勤務実態について、驚くべき回答が多数、寄せられました。印象的なものをいくつかご紹介します。
「労務管理がいい加減。例えば、当日の勤務時間を過ぎても自席におらず、職場から連絡して初めて休暇申請をする職員がいたり、寝坊で時間休を取得する場合も勤務時間を過ぎてから連絡してきたり、周りの職員にお詫びの一言も無い。何も言わずに、30分以上離席する。スマホでニュースチェックばかりしている等。まさかとおもうような行動を取る職員がいます。また、上司がそのことで指導しないので、これでいいんだと思って、この繰り返しで適当にしてよいという雰囲気ができてしまっている。」
「世間では様々なことが厳しく新しくなっているのに、緩く古い風習が残りすぎている。例えば形だけの人事評価、煙草休憩、ハラスメント、いじめ等。様々な制度面でも、職員の勤務態度や質の面でも、パッと見は法を遵守しているが、全てにおいて中身が皆無。そのため、不祥事続発は当然。寧ろよくたったこれだけで済んでいるなという印象。」
「組織の雰囲気が一要因であると思う。日々、業務をしていても、業務中に仕事をしていなかったり、仕事の押し付け合いをしているような状況(ひどい時は組織単位で)を今まで見てきたが、そのような組織状況では公務員としての矜持をもって仕事をする環境は成立しないし、非常識なことが常識となっていくことで、次第に不祥事が続発していくような環境になっているのではと思う。」
ただいまご紹介したのはごく一部で、同じように、組織としての問題を指摘する声が、本当に多くあがりました。不祥事の背景にある、職員の緩みや弛み。職場に対する不信や諦め。スマホをめぐる課題も、この時点ですでに言及されていました。それから6年、結局、石井市政のもとで、西宮市役所の組織体質は、なんら変わらなかった。このことは、改めて指摘しておきたいと思います。
本日の質問でも、市政における複数のテーマを取り上げましたが、それぞれの課題と向き合い、施策を前に進めていくのは、一人ずつの職員です。職員の皆さんが、高いモチベーションで働ける環境を整えなければ、財政構造改善も、住み続けたいまちの実現も、果たせるわけがありません。西宮市役所を、日本一前向きな市役所へ。その想いで、今後も政策提言を続けていくことをお約束します。